揚げ足を取る
相撲や柔道などで、相手が技を掛けようとして揚げた足を目掛けて技を仕掛けて相手を倒す意味の「揚げ足を取る」の言葉ですが、昨今は、相手の失言や失敗につけこんで皮肉を言ったり、やり込めるための揚げ足を取ることが、政治家やコメンテーターの代名詞ともいえるが如くのことに感じたりもしています。
相手の隙を突いて技を繰り出すことは勝負の世界では当然の事ながら、日常生活の場面においては、失敗・失言などがないことの方が稀でもあり、見解を確認した後、本人が「ゴメンなさい」をした後は、その点には一線を入れての対応を図ることがルールかとも思うのですが、鬼の首を取った勢いでさらに追い詰め続けることの姿を見ていると、子供たちに「ありがとう」と「ごめんなさい」が素直に言えるようにねと伝えている自分が、誤り若しくは甘いのかと思ったりもするのでした。
ボクは古いタイプのオヤジですので「揚げ足を取る」輩の姿より、危ないぞ~と揚げ足を注意して降ろさせ「下げ足」を踏んで抑えてあげるような人の方が好きです。
あ・・・何となく日本語が・・・のような気もしますが・・・
いつもの大盛りを頼む
待ち合わせをした訳ではないのにいつもの店で旧知の顔が揃い、最近のビーチの状況や波の話しを聞き続けていました。
「ターさん、もう海入らないんですか?」と後輩に聞かれ、「(3.11の)福島の仲間のトラウマは消えた感じでもう復帰もありかなぁって思ってるけど、入水の足が遠のくと意外と海の怖さを感じちゃったりしてさぁ・・・まぁ切っ掛けで入ることになると思うよ」と、かなり素直に伝えました。
2人のやり取りを聞いていた先輩が「着れるウエット(スーツ)がねーんだべよ」と茶々を入れて来て、「それもありますけどね・・・」と答えると、マスターも話しに参戦してきて「使ってないウエットあるよ~貸出しようか?」と言ってきたのでした。
ボクたちのことを知らぬ人がこの話だけを聞いたなら、「あぁ~いい人たちだなぁ」となるのかと思うのですが、マスターの言葉に仲間連中が大笑いをしたのは、マスター自身は波乗りをやらず、ダイビング専門でしかもマスターが持ってるウエットは、店に飾ってある写真からも超レトロな潜水服のような奴で、それを着て動けるのは陸上では無理で海中だけだべさという代物であることが分かっていたせいでした。
チョッとムッとした表情を作り「いつもの大盛り」とぶっきらぼうに注文をして、グラスに残っていた酒も一息で飲み干したのでした。
そして「揚げ足を取らる」
まぁこんな弄り・弄られこそが、仲間達との最高の時間でもあるのですが、行列状態だった厠の列が切れた瞬間を狙い、席を立ちサッパリして席に戻ると注文した「イカのげそフライ」にみんなで手を伸ばし、残り数本の状態になっていて「おい!]と声を掛け椅子に座ろうとすると、「やっぱりここはこれが美味い!」などと言いながら残ったイカゲソに何方向からも箸が延びて来たのでした。
椅子に座るのと同時に箸を使って手を伸ばすのでは間に合わぬと瞬間的に思い、座るのと同時にお下品ではありますが素手でイカゲソに手を伸ばし、何とか一本はゲットすることに間に合ったのでした。
口に放り込めば、もぐもぐせざるを得ず、ひとの皿に勝手に手を伸ばすんじゃないと呟くも、もぐもぐ・モグモグで何を言ってるのか伝わることも無く・・・そう・・・感の良い方ならもうお察しの通りでございます。
人を叩くような下品極まりない「揚げ足を取る」ことなどするべからず。
美味しい・美味しいといって思わず手を伸ばす「(イカゲソの唐揚げの)揚げ足を取る」位の「こら・オイ!」くらいはあって然りではあっても、みんなハッピーがベストだよねぇ~などと改めて思うのでした。
そう・・・揚げ足を取ること・取ったことに一喜している輩には、マスターの潜水服というなのウエットスーツを着させてやりたいと思いつつ、楽しい茅ヶ崎の夜は更けていったのでした。
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