シャガールと木の葉
人間様とは誠に勝手なもので、ひょんな偶然のなかにシンクロ二シティ(意味のある偶然の一致)やシンパシー(共感・共鳴)を見つけ出したりしてフムフムするものなのだと思ったりします。
意味のないものにも意味を見出そうとするその様は、心(感情)よりも頭(知識)で生きてしまっていることの表れなのでしょうか。
後輩の愛息子から貰ったどんぐりと松ぼっくりをデスクの上に置き、何の気なしに手にした本は、シャガールさんの作品集でした。
秋が深まると無性に開きたくなる本なのですが、いつものページを開いた隣に並ぶどんぐりと松ぼっくりを見た瞬間「あっ・・・」と思ったのは、谷川俊太郎さんの「シャガールと木の葉」の詩のことでした。
谷川俊太郎さん「シャガールと木の葉」
谷川俊太郎さん作品
シャガールと木の葉
貯金はたいて買ったシャガールのリトの横に
道で拾ったクヌギの葉を並べてみた
値段があるものと
値段をつけられぬもの
ヒトの心と手が生み出したものと
自然が生み出したもの
シャガールは美しい
クヌギの葉も美しい
立ち上がり紅茶をいれる
テーブルに落ちるやわらかな午後の日差し
シャガールを見つめていると
あのひととの日々がよみがえる
クヌギの葉を見つめると
この繊細さを創ったものを思う
一枚の木の葉とシャガール
どちらもかけがえのない大切なもの
流れていたラヴェルのピアノの音がたかまる
今日が永遠とひとつになる
窓のむこうの青空にこころとからだが溶けていく
……この涙はどこからきたのだろう
沈黙の天秤
Ravel - Piano Worksh *Click it!
谷川俊太郎さんの「シャガールと木の葉」の詩を読みながら、一行ごとの言葉が静かに心に染み込んでいき、心の棘が丸くなっていくような感覚に包まれていました。
谷川俊太郎さんの詩に触れた時のいつもの感覚ではあるのですが、窓の外の景色と「Ravel - Piano Works」の音色とデスクの上のシャガールさんの絵とどんぐり&松ぼっくりの全てがひとつに繋がったような気分になっていたのでした。
いつもならブラックの珈琲なのですが、詩に倣って紅茶(ミルクティー)・・・と思いつつも、気紛れで熱いココアにしてみました。
秋の季節が確実に冬に向かって移り変わろうとしていることを風の冷たさに教えられながら、カップの温もりに得も言えぬ安らぎを感じていたのでした。
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