子供たちが大好き
ボクには子供がいないため、まだ小さなお子達を眺め、何歳位か言い当てることがなかなか難しかったりします。
仲間内からは「お前みたいな餓鬼の子供って考えただけでもプルプルだわ」とか、「漫画のような人生のDNAを受け継いだらモンスター現るになるわ」とか、「くわばら・くわばら」とおへそを隠してその場を離れていくとか(意味不明ですが) etc. これらの反応からすれば、神様が熟考して、ボクにコウノトリを運ばせることをなさらなかったのかと思ったりもします。
まぁ・・・自分自身でも色気無し男で不埒な世捨て人のぽにょゆえ、そんな分身が生まれたらきっと行く末の心配ばかりで・・・とも思うのですが、こんながゆえにか子供たちが大好きでもあるのでした。
外国人の女の子
通勤・通学ラッシュの終わった時間の東海道線は珍しくガラガラで、茅ヶ崎から運よく座席に座ることが出来ました。
3人席のドア側に座ったボクの横には、まだ小さな女の子が座っていて、その隣には、外国人のブロンド髪の綺麗なお母さんが座られていました。
小さな子供+外国の血が混じっているので、年齢が幾つ位なのかはさっぱり見当がつかなかったのですが、ウェーブのかかった細いブロンドの髪にすっとした顔立ちは、子供モデルでも通用するほど可愛い子でもありました。
お母さんとのやり取りに言葉を発することは少なく、多くは擬音?でコミュニケーションを図っているような姿からすれば、相当に年齢は低かったのかも知れません。
あぁぁ・・・の弄ばれ
電車にも飽きてしまったのか少し愚図り出した女の子にお母さんはバックから持ち手の付いたチュッパチャプスのような飴を取り出し女の子に手渡すと、彼女は嬉しそうな喜びの笑い声をあげて、チュパチュパと飴を舐めはじめました。
飴を舐め始めて僅かしか経っていませんでしたが、突然、女の子は「ハイ」と言ってボクにその飴を手渡し、虚を突かれたボクは「あ・はい」とそのまま受け取り、思わず「ありがとうね」と微笑みながら答えてしまっていたのでした。
一瞬、綺麗なお母さんの動きが止まり、物凄い速さで座ったままの全身の姿を確認し、「まぁ危険はないだろう」と判断されたのか、女の子に負けぬ程の笑顔で「スミマセン」とはっきりした日本語で声を掛けられたのでした。
咄嗟にボクは、手渡された飴をお母さんにお返ししたのですが、そのリレー状況がツボに嵌りでもしたのか、女の子は超ご機嫌モードに突入したようで、椅子に座って空中に投げ出したままの足をバタバタさせると、ピョンと片方の靴が飛んでしまい、慌ててボクはその靴を拾い上げ、子供好きがそうさせたのか、外国人の綺麗なブロンドのお母さんとお近づきにでもなりたいという下心があったのか、拾い上げた靴を「履ける?」と言いながら、女の子の足に持って行ったのでした。
するとお母さんは飴をお返しした時とは違うトーンでまた「スミマセン」と仰られたのでした。
靴飛ばしが「メッチャ気持ちいいで・・・マジに」だったのか、その後も足をバタバタさせていた女の子にお母さんが聞いたことのない言葉で「悪戯しちゃダメよ」のニュアンスの言葉を掛けると女の子は不機嫌モードに突入したのでした。
流石にそれは・・・
その後は幸いにも靴が飛ばされ、ボクが取り・履かせてあげ・お母さんにお近づきになる・・・なんて下心が喜び満足するような展開はありませんでしたが、愚図った女の子にお母さんは手慣れた様子でまたバックから何かを取り出し、女の子に手渡すと、あ~ら不思議・・・靴飛ばしの時以上にニコニコとご機嫌回復の姿が生まれたのでした。
そして・・・女の子は、またしてもボクにお母さんから手渡された「それ」を一頻り弄った後「はい」と手渡してくれたのです。
小さな子供たちがボクを見た時、ボクは一体どんな風な人に映って認識されているのでしょうか?
女の子から飴に次いで手渡されたのは「おしゃぶり」だったのでした。
飴を手渡された時は「おっ・・・まだ小さいのにお裾分けかい・ありがとうね」と思ったのですが、根が貧乏性ゆえ手渡された「おしゃぶり」にさえ手を伸ばしてしまったのですが、同時に彼女のなかに「 お母さんに下心・・・>おっぱい吸いたいの? 」の評価を出されたんじゃないよな?となり、お礼の言葉を伝えることも・口に運ぶことも出来ずアワアワしていると、電車の揺れではないシートの揺れを引き起こす勢いでお母さんは「ワッハハ」と大笑いをされたのでした。
その瞬間、空いた車内の視線を集めることになったのですが、ボクの手には女の子のおしゃぶりを持ったままで、「日本人のみなさん・・・ち・違います・・・あ・な・た・達の中に生まれているのであろう変態さん?・・・では、ボクはな・い・の・で・す・よ~」と叫び出しそうになったのでした。
お母さんの笑いに釣られて超ご機嫌モードの女の子もニャハニャハしだし、ボクはしばらくの間、手にしたおしゃぶりをどうすることも出来ずに狼狽え、心の片隅に「このまましゃぶっちゃうぞ!」の念も浮かぶ程の・・・だったのでした。
バブー・・・
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