賢い3匹のお猿さん


「日光を見ずして結構と言うな」とは、徳川家康さんを祀った栃木県の日光東照宮の美しさを褒め称えた言葉ですが、日光東照宮といえば、「三猿:賢い3匹の猿(Three wise monkeys)」の姿を想い出してしまいます。

3匹のお猿さんが、両手でそれぞれ、目、耳、口を隠し「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しているとされている三猿ですが、江戸時代初期に左甚五郎さんにより造られたこのレリーフは、明治時代になると海外にも紹介されて、やがて世界的に最も有名な三猿のひとつとなったのだそうです。

インド独立の父「Mohandas Karamchand Gandhi(マハトマ・ガンディー)」さんに由来するのは、インドの教科書などにも記載される「ガンディーの三猿」で、ガンディーさんは、常に3匹のお猿さんの像を身につけ「悪を見るな、悪を聞くな、悪を言うな」と教えたとされています。

アメリカでは、教会の日曜学校などで三猿(Three wise monkeys)を用いて「猥褻なものを見ない」・「性的な噂を聞かない」・「嘘や卑猥なことを言わない」よう諭すことがあるそうです。

これらからしても、レリーフとしての素晴らしさを体感することと併せて、そこに示された3つの奥深き叡智に触れることの意味を以ってして、「日光を見ずして結構と言うな」の言葉も只のご当地自慢のような響きからまた違った趣が生まれるものでもあります。

込められた2つの意味


アホアホ類友の悪友Kは、日光旅行で東照宮に足を延ばし、ガイドさんから聞いたのでしょう「日光を見ずして結構と言うな」を聞き間違いし、お土産を手渡しながら「日光を見ずして月光と言うな」と自慢げに話していましたが、まぁそれも意味不明ながら趣あるかぁと突っ込むのは止めておきました。

すると奴は調子に乗って来て、受け売りはそのままながらも「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿には、2つの意味が込められているのだと語り始めたのでした。

その一つは、子供の頃においては、悪いことを「見たり・聞いたり・話したりしない」で、素直にまっすぐ成長しなさいという意味。

もう一つは、大人になったならば、世渡りの処世術として、余計なことは「見たり・聞いたり・他人に話したりしない」方が良いがという意味。

レリーフとして描かれているのは、子供のお猿さんながらも、そこに込められた意味においては、この二つが込められているのだという奴の言葉に、忍耐を重ねて天下を手中に収めた家康さんの姿と重なり、「月光」の誤りは許す!と思ったのでした。

実は・・・沢山いたのです!


日光東照宮のお猿さんのレリーフは「三猿」と思いがちですが、実際は「8つのお猿さんの彫刻」の内の1つの彫刻になり、8つのお猿さんの彫刻は、お猿さんの一生を通じて「人間としての正しい生き方を示している」と言われています。

1.赤子の時期:親猿が子猿の今後の将来を見つめている様子
2.幼少の時期:見ざる、言わざる、聞かざるの三猿
3.青年の時期:独り立ちを控え座っているの姿のお猿
4.大人の時期:大きな志を抱き天を仰いでいる様子のお猿
5.仕事で悩む:人生最大の悩みを抱え込み下を見ているお猿
6.恋愛に悩む:物思いにふけるお猿
7.伴侶を得る:恋が成熟し人生の相方を得て結婚したお猿
8.結婚・出産:身籠りお腹が大きくなった母猿

こうして眺めて見れば、改めて人の世・人生とは大きくは誰もが同じことを輪廻として繰り返していくものなのだと窺い知れますし、人としての幸せのあり方も幾重に繰り返されるも泰平の世が長く続かぬのは、人が身に付けてしまった醜き我欲によるもので、これが改まり進化することなく永遠の命題として流れ続けているといえるのでしょうか。

4匹目のお猿さん


悪友Kの話しに色んな思いを感じていましたが、「そして、ビックリ!」と奴が言い「日光東照宮の三猿は、元々は4匹目の猿がいた」との言葉にこれまた悪友のSが「隠し子じゃなく・・・隠しお猿か!」と叫び声をあげたのでした。

三猿の思想は中国から日本に伝わったもであり、中国では「四猿:4匹の猿」で1つの意味合いを成すのだと教えてくれました。

この4匹目のお猿さんの意味合いは「しない」ということで、四猿と書いて「せざる」と呼ぶそうで「せざる=(浮気)しない」となるのだそうですが、思わずSとボクとで「話作りやがったな!」とKを責めると、珍しく真面目な顔をしたまま「見る者が失笑するような姿の四猿の像は、あまりにも品位に欠け、家康さんが静かに眠る聖地には相応しくなく無礼だ」とのことから姿を見せていないのだと伝えられたのでした。

長い付き合いのなかで初めて見るような真面目くさった顔に思わず「見ざる・聞かざる」のポーズで、いつものアホアホに戻れ!と祈ってしまったのでした。

そしてボクは、昔の人々の叡智には、心動かされる何かが秘められているよなぁと無理矢理の姿勢のまま思い続けたのでした。









笑顔の行方を見つめて

all written by  Career wing  T.Yoshida@ponyo




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