ギターの弦がお気に入りやねん！
ギター弾きの家にいるネコさん達はみなそうなのかどうか分かりませんが、今では天に暮らすことになってしまった愛娘と愛息子たちも、人間年齢でいったらボクを越したのかも知れない、悪戯好きが一向に治らない愛息子も「ギターの弦遊び」が大好きなのです。
お昼ご飯を吉野家さんの並盛だけにして、味噌汁もお新香も卵も付けないでお小遣いの節約をして買って来た玩具には全く興味を示してくれぬことも多々ある中で、ギターの練習中に弦がブチっと切れた音がすれば「ウミャミャミャミャ」と妙な鳴き声をあげながら、寝室で寝ていた筈なのにボクの隣にやって来ては「ほれ・・・はよ新しい弦に交換せんかい」とでもいうような熱い眼差しを投げ掛けて来るのでした。
貧乏ゆえ本来なら切れてしまった弦のみをスペアー弦と交換すれば家での練習には良いのかとも思うのですが、６本の弦交換を済ませ、全部をまとめて片側だけ輪を作り解けぬようにして、反対側はそれぞれの弦がバラバラな状態にしたものを造ると、もう目は爛々と輝き出し「遊べ・それ動かせ！」と催促がはじまり、彼の姿に「喜んでいるなら」と一頻り遊ぶのですが、この弦の玩具？だけは飽きることが無く、もう、寝るかご飯かトイレ以外はずっと遊んでる状況となり・・・
Today's Ponyo Ways.
今日は何が楽しかった？
What was fun for you today?
悩みは尽きぬのです
この弦の玩具が無い時には、出先から戻り「今日は何が楽しかった？」と愛息子に尋ねるのが日課ではありますが、この玩具がある時は、着替えてる部屋にまで口に咥えて運んで来られてしまうため、「今日もこれで遊んでたの？」と問い掛けてしまうのでした。
それでもこの玩具はかなり危険な代物でもあり、電気の消えた部屋・廊下を歩いていて踏ん付けてしまった日には、映画ホームアローンで、マコーレー・カルキン君にやり込められる泥棒が発する呻きのように「ぁウグ・・・」となってしまうことも間違いなく、愛息子の玩具は夜中にボクが踏ん付けてゴミ箱に捨てられ終わりとなるのがいつものことでもあります。
愛息子の喜ぶ姿のためにはずっと置いておいても良いのですが、足裏の痛みと出血は「子供にしっかりとした躾を望む！」とシュピレヒコールをあげられるため、彼の日常からは姿を消し、また「ブッチ」とギターの弦が切れた日からしばらくはヘブンとなるのでした。
夜中に階下で妙な音がする・・・と抜き足で覗きに行くと、ギターの弦を１日でも早く切れさせてやろうとしているのか、奴がギタースタンドに立て掛けてあるギターの弦にスリスリと身体を擦り付けていて、これが妙な開放弦の音として夜中に響くことがあるのでした。
貧乏な我が家のなかで唯一の財産は何本かのギターなのに、みんなのスリスリ攻撃を受け続け、楽器屋さんにリペアーに出す時には、そこだけ違ってしまっている塗装の状態に「変わった弾き方されてるんですね」などと言われる始末でもあり・・・
そのくせ。ギター練習の時には「へたくそ・・・聞きとうないわ・・・」の態度を取り続ける奴・・・時折、部屋の入り口で黙ったまま視線を投げ掛け続けているのは、弦が切れるのを待っているのだろうことは黙っていても分かるのでした。
今日は何が楽しかった？・・・夜間には注意して家の中を歩くようにして彼の大好きな弦の玩具を用意してあげるべきか、ギター練習をしながら悩むのでした。
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