続・百年の愚行 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

本書は、2002年に発行された20世紀の人類の愚行を収めた

写真集『百年の愚行』の続編てす。相変わらず重いテーマを

扱った論文と衝撃的な写真がてんこ盛りで、読んだ後には

陰鬱な気持ちになってしまいますが…。




本書は2002年に刊行された『百年の愚行』から12年後の

続編で、21世紀に入ってからもう14年の歳月が経過した

わけですが、「9.11」こと2001年にアメリカで発生した

『同時多発テロ事件』や「3.11」に東日本大震災が

発生し、津波災害や

それに伴って発生した福島第一原子力発電所で発生した

深刻な原発事故など、様々な事件や事象がてんこもりで

起こっていることが本書を読むことで追体験され、

『21世紀は20世紀、あるいは19世紀に解決できなかった

問題がいたるところで噴出している。』

ことを再認識しました。

本書は2013年にクラウドファンディング『Readyfor』にて

資金調達されたのだそうで、こういう形の資金調達は評論家の

宇野常寛氏が自身の手がけるカルチャー雑誌

『PLANETS vol.9』を刊行する際に使用したという話を聞いた

ことがありますが、そのことを思い出しました。

本書のテーマは

「愚行を繰り返さない社会をどう作るか」

と言うことなのだそうで、前作同様、戦争や差別、貧困といった

重いテーマを扱い、それらを象徴する写真とともに、それらを

解決するための提案として、山極寿一。王力雄。

イリヤ・トロヤノフ。ベネディクト・アンダーソン。

ベルナー ル・スティグレールの5氏による寄稿文が掲載

されており、そのどれもがとても読み応えがあり、と同時に

人類全体が抱えている「病理」が根深いことを痛感

させられたのでした。

僕も本書を書くときに知ったのですが、ウェブサイトやSNSで

日々、情報発信されているそうですので、興味をもたれた方は

本書を読まれるほかに、そういうサイトを参考にされることを

お勧めいたします。こういう本を読んでいると、(自分を含めて)

人間はつくづく救いがたいなぁ、と思う一方でこういう

ニヒリズムに取り込まれてはいけない。相反することを

考えている自分がいて、その扱いには困ってしまいます…。

百年の愚行ウェブサイト
http://www.thinktheearth.net/jp/idiocy/

百年の愚行Facebookページ
https://www.facebook.com/idiocy2
 




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