- 本書は、2002年に発行された20世紀の人類の愚行を収めた
- 写真集『百年の愚行』の続編てす。相変わらず重いテーマを
- 扱った論文と衝撃的な写真がてんこ盛りで、読んだ後には
- 陰鬱な気持ちになってしまいますが…。
- 本書は2002年に刊行された『百年の愚行』から12年後の
- 続編で、21世紀に入ってからもう14年の歳月が経過した
- わけですが、「9.11」こと2001年にアメリカで発生した
- 『同時多発テロ事件』や「3.11」に東日本大震災が
- 発生し、津波災害や
- それに伴って発生した福島第一原子力発電所で発生した
- 深刻な原発事故など、様々な事件や事象がてんこもりで
- 起こっていることが本書を読むことで追体験され、
『21世紀は20世紀、あるいは19世紀に解決できなかった
- 問題がいたるところで噴出している。』
ことを再認識しました。
本書は2013年にクラウドファンディング『Readyfor』にて
- 資金調達されたのだそうで、こういう形の資金調達は評論家の
- 宇野常寛氏が自身の手がけるカルチャー雑誌
- 『PLANETS vol.9』を刊行する際に使用したという話を聞いた
- ことがありますが、そのことを思い出しました。
本書のテーマは
「愚行を繰り返さない社会をどう作るか」
と言うことなのだそうで、前作同様、戦争や差別、貧困といった
- 重いテーマを扱い、それらを象徴する写真とともに、それらを
- 解決するための提案として、山極寿一。王力雄。
- イリヤ・トロヤノフ。ベネディクト・アンダーソン。
- ベルナー ル・スティグレールの5氏による寄稿文が掲載
- されており、そのどれもがとても読み応えがあり、と同時に
- 人類全体が抱えている「病理」が根深いことを痛感
- させられたのでした。
僕も本書を書くときに知ったのですが、ウェブサイトやSNSで
- 日々、情報発信されているそうですので、興味をもたれた方は
- 本書を読まれるほかに、そういうサイトを参考にされることを
- お勧めいたします。こういう本を読んでいると、(自分を含めて)
- 人間はつくづく救いがたいなぁ、と思う一方でこういう
- ニヒリズムに取り込まれてはいけない。相反することを
- 考えている自分がいて、その扱いには困ってしまいます…。
百年の愚行ウェブサイト
http://www.thinktheearth.net/jp/idiocy/
百年の愚行Facebookページ
https://www.facebook.com/idiocy2
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