「認定調査」のことを

前回書きましたが、

もう少し詳しく書きますと、


利用者の状態増を明らかにする

74個の調査項目は、「能力」・

「介助の方法」・「障害または現象のあるなし」

という3つの項目を見るようになっています。


前回例に挙げた

「四肢のどこに麻痺があるか」=「障害のあるなし」

「食事は自分で食べられるか」=「介助の方法」

「歩けるか」=「能力」といった感じになっています。



この認定調査の結果は

コンピュータに入力されると

自動的に介護度をはじき出すと

前回言いましたが、

単純にそれだけでは当てはまらない

状態の人もなかにはおられます。



「おしっこをいつも失敗するわけではないけど

完璧に自分でできる、というほどでもない」

とか、

「朝は動きが悪くて介助しているが、

夕方だとなんだか一人で動けるわ」

とか、そういう人もいます。



そんな感じで判断に迷う場合は、

「特記事項」という欄にその状況を書きます。

これを「認定審査会」という場所で協議するのです。


審査会の委員さんは医師や現場の職員さんなど、

高齢者の方に深い関わりのある人たちで

構成されています。


「特記事項」を読めば、だいたいのイメージが

分かるすごい方ばかりなので、

「一部介助になっているけど、全介助に近いな」

などという協議をして、より現実に近い結果を

はじき出すわけです。




「認定審査会」で参考にするのは、

「認定調査」の結果だけではありません。


かかりつけ医のお医者さんが書く

「主治医意見書」という書類があり、

それと認定調査とを見比べて

最終結果を導き出します。


コンピュータではじき出す「一次判定」と

認定審査会で出す「二次判定」があって、

この「二次判定」が最終結果になるわけです。



「要介護認定」は、介護保険をどれだけ出すか、

という大事なスクリーニングの場ですから

慎重に、慎重におこなわれているはずです。


ちまたでは、次回の制度改正時に

この「要介護認定」を簡素化したらどうか、

という話が進んでいると聞きます。

確かにこの作業にも介護保険が使われるので

節約のためにも簡素化したい、という

話も分からないではないです。


ただ「要介護認定」は、それから先の

給付に関わることですから

より正確に、より合理的に

おこなわれて欲しいものです。