ニーズ⑥は、「規則的な生活」です。

不規則な生活を送っていないか、

というところを見ます。

 

今までのニーズは、健康面だったり、

日常動作面だったりすることに比べて

「規則的な生活」というニーズには

ちょっと面食らう感じになるかもしれません。

(どうして、それがニーズなの?)という

思いを持つ人も少なくないかもしれません。

 

これをニーズ(解決すべき課題)とするのは

大きくみて2つの理由からです。

 

ひとつめは、

「同居家族への負担が大きくなる」

恐れがあることです。

 

私たちは、だいたい家族と同じ

時間を共有して生活しています。

起きるべき時間に起き、

食べるべき時間に食事する。

 

家事を担う人のことを考えると

分かりやすいでしょう。

食事時間がまちまちだと、

そのつど準備をしなければ

いけません。

たいていはそこまでせずに

「冷めたらチン」ですけどね(笑)

 

お風呂だって、できるだけ

時間を詰めて入らせないと、

次の風呂掃除ができない。

洗濯だっていっぺんにやりたい。

 

家族どうしの時間がまちまちだと

かかるストレスが増大します。

 

また、認知症の例でいえば

みんなが寝静まった夜間に

ゴソゴソされるストレスっていったら…。

「規則的な生活」の大切さを

分かっていただけたでしょうか。

 

理由のふたつめは

「身体機能を低下させる」

恐れがあることです。

 

不規則な時間で生活することは、

生活自体がダラダラとしたものに

なりがちです。

活動しなければならない

時間帯がないから、

起きたい時間に起き、

食べたい時間に食べ、

寝たい時間に寝る。

 

これでは健全な社会生活とは言えません。

社会生活が欠落していると、

身体活動性は低下したままであり、

やがて身体機能を低下させるでしょう。

 

また、寝たきりの方でいえば、

24時間寝たきりという事には

注意を払いましょう。

 

床ずれなどの皮膚トラブル、

心肺機能をはじめとする内臓の機能や

骨筋力の低下など、健康面の問題に加えて

何より寝たきりでは生活の質に

大きな問題が生じます。

 

自分で動けない人でも

活動すべき時間帯では、

ベッドから離れる「離床」をして

「規則的な生活」を送るべきなのです。