中学校だったか高校だったか、

どっちだったか忘れてしまったのですが、

とある社会の授業のとき、先生が

「今日からコンパスで「〇」を描くな。

フリーハンドで描け」と言われました。

 

円グラフを描く時だったと記憶しています。

 

小学生でコンパスの使い方を習ってから

円を描くときはずっとコンパスを使ってましたから

(え~~、なんで?)と思いました。

 

みな同じような思いを持っていたのではないでしょうか。

 

だって、フリーハンドで円を描くのって

すごく難しい。そもそも汚い円しか描けない。

コンパスみたいな素晴らしい道具があるのに

どうして使っちゃいけないんだろう。

 

そう先生に言われてからも

コンパスを使い続けた人が

何人もいました。

 

私も何度かそのような欲求に駆られましたが

描いては描き直し、描いては描き直ししながらも

コンパスは使わないようにしました。

 

 

 

先日、ケアマネの実地指導がありました。

漏れがないか、運営基準や通知どおりに

記録を残しているか、など、自分のも

他のケアマネジャーのも確認しました。

 

書類の様式は、パソコンに

保存されているんですが、

その様式を印刷して手書きで書く者、

パソコン入力してからプリントアウトする者、

実にそれぞれでした。

うちの事業所はそのへんの足並みが

そろってないんです。

 

私は、どちらかというと「手書き派」です。

パソコン入力もしないわけではないですが、

手書きの記録を見ると、実はメリハリがあって

分かりやすいな、と、このたび思ったのです。

 

いつ訪問して、アセスメントして

ケアプラン原案を作って、会議して…

というのが見やすい、よく分かる。

パソコン入力している人の記録は

機械がするので当然ですが、

メリハリがなくて読みにくい。

 

読みにくい、ということは

実地指導に来る人が読んでも

分かりにくいだろうから、

こちら側としてはありがたい、

のかもしれませんが(笑)

 

(これは手書きのほうが効率的じゃない?)

と思うものもありました。

更新していく書類ならば

パソコン入力のほうが良いと思いますが、

1回きりの書類は手書きのほうが早いです。

綴りの背表紙なども手書きのほうが

絶対早いのに、ごていねいに

「ネームランド」でやっているのを見ました。

 

(きれいな書類を作りたい)思っている人は、

なかなか手書きをしないと思います。

その美意識は大切にされれば良いですが、

同時に仕事の効率も考えなければいけない。

 

 

そんなときに思い出したのが

「コンパスで「〇」は描くな」

といった先生の言葉でした。

 

いくらきれいな円を描いても

成績が上がるわけではありません。

勉強ができるようにはならないのです。

 

ゴソゴソとコンパスの準備をする時間が

あるなら、円なんてさっさと描いてしまえ。

勉強はそれからだ。

 

一番きれいな書類を作る人が

一番仕事ができるわけではないのです。

きれいを優先しすぎて

非効率になってはいないのか。

そう考えることは大切だと思います。

 

机の上が整理整頓されている人は

仕事もできる、とも聞いたことがあります。

頭の中が整理されていない人は

整理整頓も苦手な人なんだ、と。

たしかに、それも一理あるように思います。

だけど、整理ができていないからといって

仕事ができない人と決め付けるのは

私には抵抗があります。

 

私の机がきれいじゃないから、

では決してありません(笑)