171006 地震おはようございます。
「まおまお」で~す。
いつもブログを見ていただきありがとうございます。

今回の書籍の紹介はコレです。

仲西 宏之(著)、佐藤 和彦(著)『震度7の生存確率』(幻冬舎,2016)  1,500円(税別)

震度7の生存確率
仲西 宏之
幻冬舎
2016-12-15


この書籍をサクッというと


首都直下地震や南海トラフ地震などこれから起こるであろう震度7の地震が起こったとき、どのようにすれば生き残れるのかを分かりやすく解説したとてもためになる1冊。


目次


はじめに
第1章 あなたの生存確率は?
第2章 巨大地震であなたが直面する危険
第3章 生存確率を高めるノウハウ
第4章 発災後にはじまる長い戦い
おわりに 巨大地震に立ち向かうための自助・共助
資料編


今だからこそ読んでおきたい1冊


もしこの記事を読んでいるときに首都直下地震や南海トラフ地震などが発生したら生き残れる自信はありますか?
東日本大震災直後には防災についての意識も高かったですが、それもだんだんと低下しているような。

震度7クラスの大地震が起きたとき、生死を分けるのは事前準備と防災知識です。
今回紹介する書籍では、震度7クラスの地震が起きたときにどのような行動を取れば生き残れるかが身につきます。

当書籍の構成としては最初に地下鉄や職場、学校などのシチュエーションで大地震が発生したとき、どのような行動を取れば生存率が高まるかを3択や4択のクイズ形式で学べます。
このクイズを進めながら、解説を読んでいくと何となく生存率を高めるためのポイントが分かってきます。
次に大震災が発生したときに直面する危険は何なのかを、より詳しく解説しています。

この2つで今まで常識と思われていたことが、実は震度7では役に立たないということも分かってきます。

次に生存率を高めるため事前準備やどのような行動を取ったらいいのかを具体的なノウハウが解説されています。
ここで紹介されていることを準備し、行動できれば危険を回避、もしくは軽減できます。

そして今までのことを踏まえた小説となります。
状況設定はある家族が首都直下地震に遭い、その3カ月後には南海トラフ地震が発生するというもの。
読んでいると、リアルなイメージができ、正直、ゾッとします。
ただし、ここまで読み進めると正しい知識などが頭に入っているので、小説の中に自分を投射しながらシミュレーションをしてみるのも手かもしれません。

最後は大地震発生直後に行政はまひして公助が望めないという現実を受け入れ、自助や共助でどう乗り越えていくかについて書かれています。

今回、当書籍からいくつか大事なことをピックアップしていきます。

生存リミット72時間という数字のトリック


よく震災が発生した後、生存確率が一気に下がる「72時間」という数字が出てきます。
これを読むと震災直後から多くの人ががれきなどに埋まっても72時間は生きていると思われがちですが、そのようなことはありません。

生存者が救出された90%は1日目。
つまり多くの人の生死を分けるのは1日目なのです。
そのため1日目が生死を分けるという意識を持つことが生存率を高めるために必要な知識となっています。

毎日持ち歩きたいPSK


PSKとはポータブル・サバイバル・キットの略。
万が一、大震災に遭遇したときに役立つ最低限必要なもので、日頃からこれらを持ち歩くことが事前準備としては大切です。

以下がPSKの構成です。
●カロリーメイト(ブロックタイプ2本入り)
 非常時のエネルギー補給。
●笛
 倒壊家屋の下敷きになったり、エレベーターに閉じ込められたりして、
 自分の姿が救助者から見えない状況になった場合に存在を知らせる。
●日本手ぬぐい
 傷口を押さえる、縦に容易に切り裂けるので骨折やねんざの際の包帯の代わりに
 固定する三角巾として、火災の煙や家屋倒壊で土煙が蔓延(まんえん)している
 場合のマスクとして使用する。
●ペットボトル飲料
 できれば水かお茶。水分補給はもとより、けがの洗浄にも使用できる。
●ガラケーやスマホ
 情報収集をするための機器として。
●充電器
 地震発生から3日間は非常に高い確率でまったく充電できない事態に陥ることが
 予想されます。ガラケーやスマホを充電できる準備を怠らないこと。

机の下に隠れるのは危険なことも


よく学校などで地震が起きたら机の下に隠れるようにと指導されます。
しかし、震度7の大地震では机ごと飛ばされる可能性があります。

そのため大地震に遭遇したときに採る行動は窓ガラスから離れて机やイス、ロッカーに当たらないように気をつけながら頭を保護してしゃがむこと。
学校では耐震補強が進んでおり、建物自体の倒壊の危険性は少なく、天井の耐震化も進んでいるので天井落下の危険性も少ないとのことです。

突っ張り棒は震度7では役に立たない


家庭や会社などで突っ張り棒をして家具が倒壊しないようにしています。
ところがこの突っ張り棒は震度5以上の揺れに襲われると外れてしまい、震度7の揺れでは何も備えをしていないのと変わらないとのこと。
突っ張り棒をしてあるから大丈夫と過信しないことが大切です。

クラッシュ症候群に要注意


当書籍で震災が発生したときに最も気をつけるものとして、倒壊物の下敷きになったり、挟まれたりすることによって引き起こされるクラッシュ症候群(挫滅症候群)を挙げています。

クラッシュ症候群とは即時型の死とは違い、筋肉が押しつぶされることで発生したカリウムやミオグロビンが、挟まれた状態から助け出されることによって急激に体内に回り、死に至るもの。

簡単にいえば挟まれている筋肉から毒素が発生して、挟まれた圧力が解放されることで、毒素が全身に回って死に至るということです。

大体、筋肉の30%以上が3時間以上挟まるとクラッシュ症候群で亡くなるそうです。
筋肉の30%のイメージは片足全部。
これが3時間以上挟まれるとクラッシュ症候群でなくなる可能性大です。
そのため、いかに短時間で倒壊物の下敷きなどから救出するかがとても大事になってきます。

震災発生の瞬間の基本姿勢はゴブリン・ポーズ


当書籍では震度7の強い揺れが発生した瞬間に採るべき基本姿勢として「ゴブリン・ポーズ」を推奨しています。
ゴブリン・ポーズとは頭に乗せたこぶしが鬼の角のように見えるための命名です。

ゴブリン・ポーズは以下のような姿勢となります。
 1.片ひざをついてしゃがむ。
 2.後頭部に握りしめた両手のこぶしをしっかりと乗せる。
 3.顔を両腕で挟む。
 4.あごを引く。

ポイントは大きく2つあります。
1つは片ひざをつくことで、しゃがんだ際に3点で身体を支えて安定させること。
もう1つは後頭部にこぶしを乗せて、万が一、落下物が後頭部に落ちたとしても拳が砕けることによってクッションになり、後頭部にダメージが行かないようにすることです。
これはイラストもあるので、覚えておいたほうがよさそうです。


他にもさまざまなことが書かれており、震災時に非常に役立つ内容となっています。


まとめ


当書籍から分かったことは以下のようなことです。
1.地震発生から約3日間、行政はまひして機能しない可能性が大なので、
 自分で身を守るすべを学んでおく必要があります。
2.揺れを感じたらすぐにゴブリン・ポーズをする。
3.クラッシュ症候群に遭わないよう、家庭や社内のレイアウトの見直しも検討する。


当書籍を読んで、ふと今、地震が起きたらどうやって避難するだろうと考えるようになりました。
当然、そのためのポイントとなることを踏まえてのもの。

当書籍は後半部分にある小説がとてもリアルで、考えさせられます。
ぜひ当書籍で知識を習得しながら、万が一、震災に遭ったとしても生き残れる確率を上げていきましょう。


ランキング評価
読みやすさ  5
情報量    5
情報質    5
価格     5
と言うことで「★★★★★」です。


次回も見に来てくれると嬉しいです。


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