上村君の事件に寄せて | 自分を好きになってもいいよ~自信を育てる心理学~

上村君の事件に寄せて

こんにちは。 自信を育てるセラピスト けいたんです。

川崎市で中学1年生の男子生徒が知り合いの年上のグループに殺害されるという事件が起こりました。悲惨な事件は多くありますが、元教員としては特に気になってしまいました。
長文になりますので、ご了承くださいませ。

何故このような事件がおこってしまったのか?親は?学校は?犯人は?
血の通った人間が何故そのような犯罪を犯すことができるのか疑問に思う方も多い事でしょう。

思う所は色々あるのですが、心理学的な側面からアプローチをすれば・・
犯罪全体の中で精神障害の方が起こす事件の割合はとても少ないのですが、
凶悪な事件を起こす人達に限れば、かなりの確率で反社会性パーソナリティ障害が疑われます。

その特性としては、他人の痛みに無関心、ルールを平気で破る、自分の利益のために他人を騙す、他人を平気で搾取する、危険な状況を好む、暴力をふるう、衝動的に怒りを爆発させる等があり、
恐怖を感じる扁桃体という脳の領域の働きが低下しているため、危険や痛みに対して不安や恐怖を感じにくくスリリングな状況を快適と感じてしまう所があります。
(『ささっとわかるパーソナリティ障害』・岡田尊司署より引用)

これらは遺伝なのか環境からくるものかという疑問が湧きますが、
パーソナリティ障害の遺伝的要素が関与する場合は、概ね5割強という結果が出ており、五分五分といったところでしょうか。

劣悪な環境の中でそういう資質を持った親に育てられれば、この障害が助長されてしまう可能性が高まるわけですが、平和な家庭に育ち、両親や他の兄弟には見られなくても、突然このような資質を持ってしまう人もいます。

犯罪者は更生する可能性はあるのか?という事に関してですが、
治療や、加齢により改善が可能になってきているという反面、
再犯率も4割程度はあり、少なくはありません。

その人が本当に更生できたのか、社会に戻してはいけない人なのかどうかを判断することは、その道のプロでもとても難しい事なのです。

私も性善説を信じたいし、ほとんどの方は良心を持っています。
ですがごく僅かではあっても、確実に人間の中には一定の割合で反社会的な人格の特性を(先天的にであれ後天的にであれ)持つ人がいるということであり、更に様々な環境が重なってしまった時に今回のような悲しい事件が起こってしまうのだと思います。

勿論、未然に防ぐ対策を取る必要もありますが、私は今の日本社会において、もっと被害者の方を救済するシステムの充実を願ってやみません。

また凶悪な犯罪者とまでいかなくても、あきらかに悪人・詐欺師とわかっていれば、私達は近づきません。

その人達は最初、むしろ人当たりがよかったりします。自分の欲求を満たしてくれる獲物を捕まえるまでは。でもそれは長くは続かずいずれ本性を現す時が訪れます。そうすると今度は恐怖や暴力で相手をコントロールしようとするのです。

しばらくおつき合いをして何かおかしい、虐げられたり、搾取されてるような気分になる人は要注意です。あまり深いお付き合いは避けた方が賢明です。
もしこの障害が隠れている場合、程度の差はありますが基本的には改善されないものと思った方がよいでしょう。

もしあなたが最大限努力しても相手から人間らしい言葉や態度が感じられない時、
攻撃や非難を浴びて自分の心が壊れてしまいそうな時は、
まずそこから逃げてください。
そして自分の心を立て直してから対処を考えましょう。

きっとそのつらさにもいつか終わりが来る事、その先の光を信じて。
最後に上村君の死が無駄にならないことを願います。

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