きょうの料理(NHK) 2017年10月23日(月)放送
滋味を味わう“禅寺ごはん” 「きのこのみそ天ぷら」
肉や魚を使わず、野菜を中心に工夫してつくる精進料理。秋に旬を迎える
きのこは、食べごたえがあり、またうまみをもたらす食材として、昔から
よく使われてきました。
きのこずくしの食卓で、秋の恵みを余すところなく使いきる精進料理の知恵を、広島の禅寺の副住職で食を通じて仏教の教えを伝えている吉村昇洋さんに教えてもらいます。
吉村昇洋 「きのこのみそ天ぷら」
お寺では、天ぷらはハレの日のごちそう。相手を思いやる気持ちで、丁寧に作りましょう。えのきだけの根元も丁寧に処理すれば、いい食感が。みその香りが香ばしい天ぷらです。
●きのこのみそ天ぷら
材料(2人分)
・まいたけ 1/2パック(約50g)
・生しいたけ 2枚
・えのきだけの根元 約15g
・かぼちゃ 40g
・ピーマン 1/2個(約25g)
・小麦粉 適量
・揚げ油 適量
衣
・みそ 15g
・炭酸水(無糖) 60ml ※冷やしておく
・氷 2~3個
・小麦粉 30g
<作り方>
1 まいたけは2つに分ける。しいたけは軸を除き、かさだけにする。えのきだけの根元は、おがくずなどの汚れを包丁の先で少しずつそぎ落とし、
2つに分ける(えのきだけのかさは「きのこのゼリー寄せ」に使うのでとっておく)。かぼちゃは薄切りにし、食べやすく切る。ピーマンはヘタと種を除いて、縦半分に切る。
※えのきだけの根元は捨てずに汚れを取り除いて、天ぷらの具に使うと歯ごたえのよい食材になる。
2 衣を作る
ボウルにみそ(15g)を入れ、冷えた炭酸水(無糖)60mlを加えてやさしく溶き、氷(2~3個)を加えてしっかり冷やす。小麦粉(30g)をポリ袋に入れてよく振り、ボウルに加え、さっくりと混ぜ合わせる。
※炭酸水を使うとサックリとした衣になる。小麦粉はふるうかわりにポリ袋に入れて振る。
3 同じポリ袋に小麦粉適量を入れ、1で切った食材を加えて小麦粉を薄くまぶす。余分な粉をはたいてからそれぞれ2の衣にくぐらせ、170℃に熱した揚げ油でこんがりと揚げたら完成です。
※衣にみそが混ざっているため、焦げやすいので、揚げすぎないように注意して下さい。
吉村昇洋 「きのこのゼリー寄せ」
えのきだけのかさを、しいたけだしと昆布だしで固めた見た目にも楽しい
ゼリー寄せ。寒天ではなくアガーを使っているので、透明に仕上がります。
●きのこのゼリー寄せ
材料(容量30mlのゼリー型4個分)
・えのきだけのかさの部分 約7g ※きのこのみそ天ぷらの残りを使う
・オクラ 1/2本(約4g)
・パプリカ(黄) 約10g
・しいたけだし 大さじ2 ※だしの取り方下記1参照
・昆布だし 大さじ6 ※だしの取り方下記2参照
・アガー(粉末) 3g ※植物性の凝固剤
・酒 小さじ2
・うす口しょうゆ 小さじ1/2
・塩 1つまみ
・青じそ 4枚
<作り方>
1 しいたけだしをとる(1.2リットル分)
ボウルに干ししいたけ3枚を入れ、ヒタヒタのぬるま湯を加え、10~20分間おく。つけ汁の中で戻したしいたけのひだの部分の汚れをしっかりと洗う。つけ汁を捨て、新しい水1.2リットルを入れ、しいたけをつけて冷蔵庫で
12時間以上おく。
※冷蔵庫で3日間ほど保存可能。しいたけ1枚は「きのこの土鍋ご飯」に
使うのでとっておく。残りのしいたけはつけたままでよい。
2 昆布だしをとる(2リットル分)
鍋に2リットルの水を入れ、昆布1枚(15cm四方)をつけて3時間ほど
おく。弱めの中火にかけ、沸騰する直前にフタをして火を止め、そのまま
粗熱を取る。
※だしはペットボトルなどの容器に入れ、冷蔵庫で7日間ほど保存可能。
3 上記1の「きのこのみそ天ぷら」のときに残しておいた、えのきだけのかさの部分は食べやすい長さに切る。オクラは小口切りにする。パプリカは食べやすい長さに切り、薄切りにする。
4 1でとったしいたけだし(大さじ2)、2でとった昆布だし(大さじ6)を小鍋に入れて混ぜる。アガーを溶くので大さじ1を取り分けておく。小さな器にアガー(粉末)3gを入れ、取り分けただしを加えてよく溶き混ぜる。
※アガーは寒天よりも透明度が高いのできのこの持ち味を生かすことができる。食感もゼラチンに近く、常温で固まる。
5 4の小鍋に酒(小さじ2)を加え、中火で1分間ほど煮立てる。えのき、オクラ、パプリカを加え、少し煮て火を止め、うす口しょうゆ(小さじ1/2)、塩(1つまみ)を加え、味をととのえる。
6 4でだしと合わせたアガーを5に加え、弱火で溶かす。ゼリー型に流し
入れ、常温で1時間ほどおいて固める。器に青じそを敷き、型から外して
ゼリー寄せをのせたら完成です。
吉村昇洋 「きのこの土鍋ご飯」
旬のきのこに油揚げを加え、土鍋でじっくり炊き上げた炊き込みご飯。きのこのうまみがしみじみと感じられます。炊く前にきのこを炒めておくことで味を引き出し、半量は炊き上がりに加えて、香りと食感を生かします。
●きのこの土鍋ご飯
材料(3~4人分)
・米 360ml(2合)
・しめじ 2/3パック(約60g)
・まいたけ 1パック(約100g)
・干ししいたけ 1枚 ※上記2でしいたけだしをとったものを使う
・油揚げ 1/2枚(15g)
・塩 適量
・昆布だし 380ml ※上記2でとったものを使う
・うす口しょうゆ 大さじ1+小さじ1
<作り方>
1 米は洗い、ボウルに入れてヒタヒタの水を加える。40分間ほどおき、
ザルに上げる。
2 しめじは根元の表面の汚れを包丁でそいで取り除き、長ければ食べやすい大きさに切って、ほぐしておく。まいたけは手で小さくちぎる。しいたけだしをとったあとの干ししいたけはかさと軸に分け、軸は堅い部分を削り、それぞれ薄切りにする。油揚げは5mm幅の細切りにする。
3 油をひいていないフライパンに2で切ったきのこと油揚げを入れる。
塩少々をふり、弱めの中火でしんなりするまで炒めて、きのこの風味を引き出す。きのこが少し汗をかいてくたっとしたらOK。2回に分けて加えるので、半量ずつに分けておく。
4 土鍋に1の米を入れ、昆布だし(380ml)、うす口しょうゆ大さじ1、塩少々を加えて軽く混ぜる。3の半量を全体に広げ、フタをして中火にかける。蒸気が勢いよく出たらごく弱火て、13分間炊く。最後に3秒間強火にして火を止め、20分間蒸らす。
5 残りの3にうす口しょうゆ小さじ1を加えて混ぜ、炊き上がったご飯に
加え、しゃもじでサックリと混ぜたら完成です。
※2回に分けてきのこを加えることで、風味と食感の両方が楽しめます。
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