国立情報学研究所のリーディングスキル調査で、中高生の読解力が不足しているという問題提起があります。
小学生でも同じで、問題文が長くなると内容把握できない子どもが続出します。
その原因を探ってみると、大きく4つに分けられるのではないかと思います。
1.知らない言葉が出てくるとフリーズしてしまう。
問題文の中に知らない言葉があると、そこに引っかかって全体を読むことができません。語彙力の不足ですね。また語彙ではなくて、言い回しが理解できないということもあります。
2.拾い読みをして、問題を勝手に解釈してしまう。
文節や文末をきちんと読まない、助詞・助動詞を読み飛ばすなどして、自分なりの「こんな問題でしょ」という解釈で答えを出すケースです。
3.内容に興味がないから、読んでも頭に何も残らない。
興味のあることしかやりたがらない子に多く見られます。特に男子に多い。
4.脳のワーキングメモリが小さいので、少し長い文は読んでいる最中に初めの方を忘れてしまって、全体を解釈することができません。
当ブログでも度々書いていますが、話し言葉と違って書き言葉はたかだか何千年の歴史しか無いから、遺伝的に獲得された能力ではないので、経験値が物を言います。
たくさん文章を読んでいるかどうかで、教科書や問題文の理解力が違ってくるのです。
算数の計算ではある程度の練習量をこなして、できるようになっていく生徒が多いのに、どうして読解力はそうならないのでしょうね。
どの学校でも出されている音読の宿題が、役に立っていない証拠だと思います。
音読そのものが悪いのではなく、音読のさせ方がまずいのではないでしょうか。
同じ文を繰り返し読んでいて、初見の練習が少ないと思います。
ちゃんと読む力がつけば、小学生の勉強で苦労することはなくなるはずです。
だから学校でも、ここをしっかりやってくれるといいのですが。
家庭学習でなんとかするしかないのでしょうか。(羊)