数年前まで、個人経営の塾は保護者のニーズに応えることが責務だと思っていたので、「おやおやぁ~? そのようなやり方では、出来るようになるまでに、遠回りだぞ」と感じても、ひとまずご要望に沿うように努めてきました。
そして責務とは別に、もうひとつ大きな理由があります。
それは、宿題の管理を筆頭に、送迎、弁当作り、体調管理など、懸命に伴走している母の姿勢に敬意を払っていたからです。
しかし私のもやもやは年々大きくなっていきます。
保護者様ご要望は一様に
1.塾のHWを済ませて欲しい
2.テキストの分からない問題に印をつけておくから、そこだけやって欲しい
3.来たるべき○○テストの対策をして欲しい
それがご本人にふさわしいレベルならよいのですが。
公立小で真ん中以下のお子さまだと、四谷偏差値では30~35くらいだと思います。
この学力だと、たとえ宿題であろうと45~50程度の偏差値に匹敵する問題を、1回の授業で解決することは不可能です。
力技で一瞬納得した(させた)ように見えても、ちょっと言葉をいじり、数字を変えたら、もう分からなくなってしまいます。
塾で習ってきたんでしょう?
なんでいつも忘れちゃうの?
親御さんにこのよう言われるたびに、子どもたちは自分を責め、劣等感を感じています。
どうか、出来ない状態を甘く見ないでください。
混沌とした状況を解決するのに、いったいどの程度の時間と作業量が必要なのか、自分に振り替えて考えてみませんか。
進学塾の先生方の多くが、30歳代までの若い男性である理由もうなずけるほど、複数の生徒を束ねて合格に導くことは、かなり激務とお察しします。
ですから、一対一であることを考慮しても、6年生受験生に関しては、受けられるのはせいぜいあと数年。
以上の理由から、残りの期間は私の信念に従って進めていこうと決めました。
お子さまの現学力にふさわしい課題が80%正解したら、次のレベルに進みます。
だから、「宿題を片付けてもらえばそれでよい」と思われてのお申し込みはお受けしません。
学習にふさわしいレベルは私が判断します。