【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7

【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_12494843.jpg




今時期の南日高はとても魅力的な山域だ。



登山道のない山が多いから、夏に登ろうと思えば沢登りと藪漕ぎの技術・体力が必要だ。
しかし雪のある冬なら、僕らでも登れるような山がグッと増える。


そんな南日高の山のひとつ、十勝岳に挑戦してみた。
( 十勝連峰の十勝岳と区別するために 「日高十勝岳」 と呼ぶ )











=============================================



例によって7時くらいにスタートするために、千歳を3時頃に出発した。
この日もキンキンに冷えており、千歳は最低気温-19.7℃を記録した。



いつものように途中のコンビニで朝食&トイレ。
登山口に着いたのは6時半頃だったろうか。











1/11の野塚岳 ではあまりの寒さのためにいっぱいいっぱいになってしまったしず。
今回はその時の反省を踏まえ、装備を見直してきたようだ。







最近ヤマレコユーザーの間で流行りの熱線入りゴーグル。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_12583176.jpg




防寒テムレス。
これは自分も持っていて、常にザックに入れてある。
冬の初めとか春先とか、濡れるベタ雪の季節には有効だと思う。
が、厳冬期にはどうだろうか・・・?( ̄▽ ̄)
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_12595692.jpg




他にもバラクラバやミッドシェルその他を新調したらしい。
( ̄▽ ̄)
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_131421.jpg














さて出発。



作業道があったので、何も考えずにサクサク進む。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_132291.jpg






入林届BOXがあったが、中に書く紙はなく、帽子がひとつあるだけだった。
( 落とした方いらっしゃったら、取りに行ってください )
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1333590.jpg







しかーし!



この作業道は間違いだった。こっちはオムシャヌプリ方面だった。
日高十勝岳は駐車スペースからいきなり取り付くのが正解だった。







気を取り直し、再出発。( ̄▽ ̄)







今年は雪が少ない。笹がこんなに出ている。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_136394.jpg





経験したことのある方はご存知だろうが、笹の上の雪ってのは非常に不安定。
踏み抜くことはしばしばだし、笹の上でサラサラと雪が崩れる。
登っても登ってもずり落ちて、まるで蟻地獄なのだー( ̄□ ̄;)!





スタート直後のここが、この日の最難関だった。
とにかく近くにある笹でも木でも捕まって、何とかよじ登る。
ええ、もちろんトレースなんてありませんよ・・・
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1382021.jpg






1時間かけて何とかこの蟻地獄を突破!
しかしここを抜ければ快適かというと、全くそんなことはない。
今回のルート、快適に歩ける部分なんてほぼ無かった。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1311682.jpg






GPSで確認すると、まだほんのチョットしか進んでない。
恐らくピークまでの1/10くらいだ。
1時間でたったのこれだ。既にピークまで行けるか怪しくなってきた、、、
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_13123181.jpg






左手にはオムシャヌプリが見える。
日高十勝岳から尾根伝いにこのオムシャに登って、周遊して降りてくるコースがある。
しかし自分らの足なら12時間はかかるであろうから、今回は最初から日高十勝ピストンの予定だった。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1318869.jpg






高度を上げると周囲の景色が良くなるのだが、こんだけ木が多いとキレイに見えない・・・( ̄▽ ̄)
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_13241915.jpg






雪が少なくてこんな所もある。なんだ、こりゃ。冬か?
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_13251577.jpg




蟻地獄から尾根に乗ったあとは基本的に稜線歩きだが、巻かなきゃならない部分も多い。
急斜面だからスノーシューでトラバースするのはなかなか難儀。
特に危険そうなトラバースはカニ歩きで突破した。
こんなとこでもイチイチ時間がかかるーーー(>人<;)
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_13271419.jpg








やっとオムシャヌプリの全貌が見えた!
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1446096.jpg









野塚岳は尾根まで出た後は、割とクラストしていて歩きやすかった。
しかしこっちはクラストしてる部分なんてほぼなくて、どこもズボズボ埋まる。
その上、木が多くて歩きにくい。時間がかかる。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14493335.jpg






せっかくの景色も、木に邪魔されてイマイチやのぅ。。。(´・ω・`)
とにかく木の密度が高い!
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14504073.jpg














それでもやっとこさ南側が見える場所まで登ってきた。
ここまで来てやっと楽古岳が見えるようになる。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14514220.jpg







存在感のある楽古岳。
去年ここに登るつもりで沢靴まで買ったのに、結局行かず終いだった。
今年こそは・・・!(`・ω・´)シャキーン
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14524124.jpg






楽古岳を見ながら、軽くモグモグタイムにした。
ここまでの登り、結構体力使った。
最近緩い登山しかしてなかったから、特にそう感じた。










山の向こうに太平洋が見える。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14551069.jpg






ピンネシリも存在感がある。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14553712.jpg











しかしながら日高十勝岳は遥か先だった。
ゆっくりしてる暇はない。再出発だ。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14562468.jpg













この辺りまで来て、やっと木の密度が低くなってきた。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14582040.jpg










中央奥にトヨニ岳が見えた!
少し雲が増えてきた。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_145717100.jpg









雪庇には気を付けろ!( ✧Д✧) カッ!!
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_14591564.jpg






雪庇ゾーンを過ぎた後で振り返る。なかなかの高度感。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_150843.jpg











この日のタイムリミットは12時としていた。
12時までに山頂に着けなかったら引き返す。


現在11:17。
とても30分やそこらで山頂まで到達できそうにない。
ということで、ここで撤退を決めた。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1524139.jpg














撤退を決めたものの、少し先に 『雪の塔』 みたいなもの見えたから、そこまで行ってみることに。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_153309.jpg










そう、これが 『雪の塔』!








本日のピーク!
ばんざーい、ばんざーい!\(^0^)/
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1542293.jpg





ここで誰かがテン泊していたようで、この雪壁(雪山)を作ったようなのだ。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1551889.jpg




失礼ながら、自分もそこに立たせてもらった。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1555489.jpg












てことで、サクサク下山します。
( 未練なし )
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_156479.jpg







さようなら、、、日高十勝岳、、、
またいつか、そのうち、、、?
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1575011.jpg











ここまでスノーシューで頑張ってきたが、ここでアイゼンにチェンジした。
スノーシューを脱ぐと当然埋まるのだが、下りだからまだ何とかなる。
それよりも急斜面のトラバースをスノーシューで歩く方が怖かった。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_1592015.jpg












下りはズボズボ埋まりながらも、登りよりは当然早い。
とはいえ、下りだから楽チンってワケでもなかった。










笹ボーボーの斜面でも尻滑りを試みるしず。
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_15105766.jpg












天馬街道もすぐそこだ!
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_15113343.jpg












本日も無事に下山!
チームへっぽこは安全第一なのだ。
ピークは踏めなくてもよい!( ̄▽ ̄)
【敗退】 日高十勝岳 2016.2.7_a0145819_15123363.jpg





さて。また宿題を残してしまった。



が、日高十勝岳にリベンジするか?と言われると・・・/(-_-)\・・・



結構大変なルートの割に展望もあまり良くなく、それほど楽しくない。
オムシャヌプリに行くとしても、野塚岳からの方が楽しそうだ。


ということで、日高十勝岳にリベンジする予定は今のところ、ない。
まあ、長く登山をやってれば、そのうちには行くことあるかもしれないけどね。





【参考タイム】
6:47駐車地点出発-6:56再出発-11:30撤退地点-13:57駐車地点









***
by yah-_-yah | 2016-02-08 15:30 | 登山(日高) | Comments(6)
Commented by kyuujitunituki at 2016-02-08 21:05
yahさん、こんばんは。
奥深い日高山脈のご紹介をありがとうございます。
この時期に、日高へ行かれるタフさは流石ですね。
いくら暖冬とはいえ、それ相応の雪深さですね。
地図読みもちゃんとできないと危険すぎますね。
素晴らしい日高の山々を登った気持ちにさせて頂きました。

只今、左足の踵を痛めていますので山行はお休み中につき
こちらで、楽しませて頂きました。
正しい歩き方を勉強中!
Commented by minakayak at 2016-02-08 23:26 x
日高十勝岳、蟻地獄でしたか。急斜面で蟻地獄状態なんて想像するだけで、心が折れそうです。
実は、私も日高十勝岳のピストン狙ってたのですが、こんな蟻地獄状態では無理ですね。
まだ雪少なくて笹が落ち着いてないんですね。今の時期で笹が落ち着いてないならいつ行けばいいのかわからないです。涙
きっと翠明橋からオムシャへのルートも同じような状態ですね。
しずさんの防寒テムレスの使用感はどうだったのでしょうか?私も山用に持っているのですが山で使ったことないです。
途中で手袋が変わってますが・・・
Commented by yah-_-yah at 2016-02-09 06:11
●kyuujitunitukiさん
いやいや、全然タフではありませんよ。
日高と言っても色々ありますから、、、(;^_^A
ここはとにかく尾根まで上がれば、あとは基本的に稜線に沿って歩くだけなので、地形的には難しくありません。

踵を傷めてしまったのですか?着地で固い物でも踏みましたか?
完治するまで無理なさらぬよう、しっかり治してから山歩きを再開してくださいね。
Commented by yah-_-yah at 2016-02-09 06:15
●minakayakさん
この日は蟻地獄でした…(>人<;)
でもminakayakさんの札幌岳腰ラッセルに比べればたいしたことないと思いますが、、、
今年はこの時期でも雪が少ないんで、この笹が完全に埋まることがないような気がします。
てことは雪解けも早いから、残雪期に登れる期間も短いかと、、、

しずは防寒テムレス、普通のテムレス、それに普通のオーバーグローブと、色々使い分けて試していたようです。
きっと近々しずのブログでレポしてくれることと思います。
Commented by tonton at 2016-02-09 22:06 x
こんにちは!
記事とは全く関係ないコメントになってしまいますが…
すみません。

先日、千歳のオジロワシの件でコメントした者です。
行って参りました!
おかげさまでみることが出来ました!
とても見てください!
と、胸を張るような写真ではありませんが、
お時間ありましたら、
覗いて下さい。

ご報告とお礼まで。

http://s.ameblo.jp/inko1731/entry-12126765968.html
Commented by yah-_-yah at 2016-02-10 05:41
●tontonさん
こんにちは。

オジロワシ、見ることができましたか!
それはよかった!
最近の千歳川ではほぼ見ることが出来ると思いますので、よかったらまたどうぞ!
それに粘ればヤマセミも見ることが出来るかもです!
最近はヤマセミ狙いのカメラマンが多いです。

ご丁寧に連絡ありがとうございました。
名前
URL
削除用パスワード
<< オークリー レーダーロックパス... 支笏湖 氷濤まつり 2016 >>