"『隣人13号』ショック"以来、

今の自分の中にある、かつてのイジメの影響

に付いて、ぼつぼつと考えることがありました。

俺には「遅刻恐怖症」とでも呼ぶべき一面があり、何をするにも決められた時間よりも早く行動するケースが多く、仕事でもデートでも、時間を決めた状況下で、相手を待たせてしまった経験がほとんどありません。

週に三度も受けている血液透析にしても、ロッカールーム(俺が通っている施設では、血液透析をベッドの上で受ける為、事前に清潔で簡単な衣類に着替える決まりとなっている)に入るのは、同じ時間帯に血液透析を受ける患者さんたちの中でも、決まって俺が最初です。

もちろん悪いことでは決してなく、「いつも早いですねー」なんて言葉を頂くことも度々なのだけれど、何故か自分では嫌な部分の一つで、「いつも早いですね」を言われても、ちっとも嬉しくはありません。

その理由が今回の件でハッキリ致しました。

「遅刻恐怖症」も実はイジメに起因していたのです。

イジメに遭っていた小学生時代、皆から遅れて校内へ入ると、自分の上履きや机に、悪戯や罠が仕掛けられている場合があった為、それを回避するには、誰よりも早く学校へ行く必要がありました。そうすれば、少なくとも朝の一番から嫌な思いはせずに済みます。

イジメを受けている俺にとって、イジメっ子も誰もいない無人の教室は、束の間の安らぎでした。

逆に寝坊するか何かして、皆と同じような時刻に登校すれば、朝から嫌なことが待ち受けています。

『どんな罠が仕掛けてあるのだろう?』

と、何をするにも怯える必要がありましたし、実は罠なんて仕掛けられていなかったとしても、何もないのにおどおどと警戒する俺を見るのが面白かったのでしょう、からかうような視線と、冷やかすような笑いがありました。

中学へ入りイジメはなくなったものの、誰よりも早く教室へ入る習慣は抜けず、今に至ります。

だから「いつも早いですね」を言われたり、逆に遅刻癖のある同僚に対し、「nannyを見てみろ。いつも始業時間の30分前には来てデスクの周りを片付けてるんだ。オマエも見習いなさい」的なことを上司が告げているのを耳にした時、とても嫌な気持ちがしたのです。

そもそものキッカケが

罠を回避する

という、極めてネガティブな……やらずに済むなら、それに越したことはない……理由だったからでしょう。30分も前に来て身の回りの整理をしているのも、早く行ったトコロですることがなく、ただ退屈だったからです。

そうやって思い出して参りますと、

不器用なクセに妙な完璧主義者

である部分も、

ほんの些細な失敗やミスでも揚げ足を取られ嘲笑されていた記憶にルーツがあるような気もし、イジメに就いては、とっくに消化された遠い昔の過去と思い込んでいたのとウラハラに、結構な影響が残っているではないか、と…(^_^;;

もっとも、その後の人格をカタチ作る上でも重要であろう小学校の6年間、ほぼ全てに渡りイジメは(程度の波こそあれ)繰り返されていたのだから、そこを綺麗さっぱり消化してしまったら、何も残らなくなってしまいますし、何かしら残っていて然るべきでもございましょう。

ともあれ、表立っては今に至るも当時の誰かに恨みを抱いているような部分もなく、すっかり臆病で人付き合いの苦手な人間となってしまいはしたものの、そこまで酷く歪んでしまったワケでもなさそうですし、良かったと思います。

自分から

酷く歪んでしまったワケでもなさそう

とか言っちゃう人間が一番ヤバそうって?

…。

そうかも(笑)