大久野島のうさぎ のお話
広島県竹原市の沖合に「大久野島」という島があります。この島は、第二次世界大戦が終わるまで、旧日本陸軍の毒ガス製造所として使われていたという痛ましい歴史を持っています。一方、戦後はうさぎが大繁殖して、今では島の至る所に野生のうさぎが生息しており、まるで「うさぎ島」とでも呼びたくなるような様子になっています。今回は、うさぎにスポットをあてて島の紹介をしてみたいと思います。
大久野島に渡るには、まずJR呉線に乗って「忠海(ただのうみ)」という駅まで行きます(広島駅から1時間40分、福山駅から1時間ぐらいのところです)。そこから船に乗り換えて15分ほどで到着です。
google mapで見ると、このような位置になります。コチラをどうぞ。
うさぎにエサをあげよう
うさぎには、休暇村で販売しているうさぎ専用のペレット(うさぎのエサ)を与えてもよいですし、休暇村のホームページにはキャベツらしい野菜を食べている写真もありましたので、キャベツもいいのでしょう。休暇村のルールでは「お菓子やパンを食べさせないで」となっているだけですが、お菓子やパン以外にも「食べてはいけない野菜」もあったりしますので、詳しいことは経験のある人に聞くなどしましょう。私は「あなたがウサギにできること」などで情報を入手してから島へ渡りました。
また、島内にはあちこちに「うさぎ用の水入れ」が置かれていて、持参した水を入れている人もいました。私は2Lペットボトルを2本持っていったのですが、それだけでも大変くたびれました。
うさぎたちは人間からエサをもらうことに慣れているようで、人間が近づいてくると「くださいな〜」と言わんばかりにかけよってきて、エサをねだります。とても可愛らしいですが、ちょっと勢いが良すぎてコワイ気も・・・(笑)。
野生の世界は厳しい
こんな風になかなか可愛らしいうさぎたちなのですが、島内をぐるりと回ってみると、けっこう厳しい競争があるらしいことも感じられます。
まずですね、人間が多いエリア(休暇村の前など)にいるうさぎは、人なつっこくて人間からエサをもらうのにも慣れているようなんですが、そこから離れるにつれて警戒心の強いうさぎが多くなっていきます。遠くからこちらの様子を窺って、こちらがキャベツなどを道にぽいっと投げると「だだだっ」とかけよってきてキャベツをくわえ、また元の場所に戻って食べる・・・というようなうさぎが多かったです。
また、せっかくエサにありついても、横取りされるうさぎもいました。ケガをしているうさぎもいて、そういううさぎに限って次から次へとエサを横取りされていました。次の写真のうさぎは、たぶん左目を怪我しています。
百聞は一見にしかずと言いますから、もし気になった人がいれば、夏休みなどに行ってみてはどうでしょうか。夏は水がかれやすいと思いますので、ペットボトルにたくさん水をくんで持っていってあげるといいかもしれませんね。
もっと知りたい方へ
うさぎというと、小学校で「飼育係」になって世話をした・・・などの経験がある方も多いのではと思います。私もそうだったのですが、どうももしかすると小学校の飼育小屋の環境はうさぎにとってよろしくなかったかもしれません。高温・多湿・不衛生。エサもよくなかったかも・・・。今はどうなっているのでしょう。
そのあたりの情報は多すぎてこの記事には書ききれませんが、以下のようなところを参照されてはいかがでしょうか?
- ウェルフェア オブ ラビット 2014/7/20・21に大阪で開かれるイベントです。
近年、うさぎの飼育数が犬猫に続き、増加しています。
更に小学校では、学校での飼育が教育指針にも盛り込まれているにも関わらず様々な問題が多発し、悪質なうさぎカフェが営業されたりとうさぎを取り巻く環境が大きく変わってきています。
飼育数の増加に比例し、捨てられたり、病気になっても治療されないまま放置されている現状があります。
まずは、そういった現状を多くの方に知っていただくことで、命の大切さを改めて理解いただき、うさぎの適正飼育を推進するため、大阪で活動を行っているNPO法人ディブルとNPO法人LOVE&PEACEが、この度初めて共同でイベントを開催することといたしました。
単なる「かわいそう」「不幸なうさぎ」というのではなく、ペットと暮らす方々が、その暮らしをより充実していただけるような学びの場であり、今回の催しが、「知ること」「考えること」のきっかけになるような場となることを目指しています。
(http://welfare-rabbit.a-thera.jp/category/253280-1.html より引用)
- あなたがウサギに出来ること ウサギを飼おうかなと思ったら一読されてはどうでしょう。
- NOA 遺棄されたペットの保護に取り組んでおられる団体のようです。
- ディブル こちらは特にウサギの保護に特化して活動しておられるようです。
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞111号(2014年6月15日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。