ある朝のこと。 | ひなたぼっこ

ひなたぼっこ

虐待体験、家出、DV、妊娠、、手術、、、
日のあたる縁側に座って
のんびりと話して聞かせるような
思い出話じゃないから、、、ここに。

珍しく

 

母が国際電話をかけてきた。

 

第一声は

 

      あのねぇ

      

      滝本の…あんたのお父さんが

 

      亡くなったって。

 

 

ピンとこなかった。

 

悲しいとか、驚くとか、何も感じなくて

 

 

      ああ、そうなんだ。

 

としか言えなかった。

 

 

母も、その日に親戚から聞いたらしくて

 

 

 

       今日が、葬式なんだって。

       身内だけでやるらしい。

 

なおさら、聞いても困った。

そんなこと言われても、駆けつけることもできない

 

ここは、海外だ。

 

 

ふと気になり死因を聞いた。

 

母も知らなかったらしいが、数年前から持病を悪化させて

歩行も困難な状態で晩年は食事さえ困難だったと。

 

そんな前から具合が悪かったのに

 

その間に何度も里帰りしてたのに

 

兄の晃からさえなんの情報もなかった。

 

とうの昔に「身内」じゃない私。

今更聞かされても、困惑しかなくて

 

心によぎったのは

 

 

     (結局話はできなかったなぁ)

 

 

母は、そのあとも独り言のように

親戚からの情報や思い出話が続き

私はそれに「うん、うん」と聞いてるそぶりをしていた。