私はクライエントと「ライフキャリアの核」の構築の
お手伝いをしています。
「ライフキャリアの核」とは、21世紀に通用するライフ
キャリアを構築するための価値観・コンセプトである、
「Mission」「Basic Identity」「Life Identity」
「Career Identity」「Behavior Identity」
「Life-Career Vision」を明確化したものです。
これらの価値観・コンセプトで、
「《自分らしさ》とは何か」
「自分はどのような生き方を大切にしているのか」
「自分はどのような人生を生きたいのか」
「自分はどのように成長していきたいのか」
「自分が果たす社会的使命・役割とは何か」
「自分が社会にどのような価値を提供すればよいか」
「自分はどのような家族をつくりたいのか」etc.
を明確にしていきます。
これらのコンセプトが明確になることで自己肯定感が
高くなり、自分が進むべき方向性がはっきりしますので、
これからの人生やキャリアに迷いがなくなります。
多くの人はこういった明確な価値観やコンセプトがないので、
「自分が進みたい方向が時代の変化により曖昧になり、
他者の意見に惑わされて、組織や企業の論理によって
人生やキャリアをコントロールされてしまっていますので、
自己肯定感が低く将来についての不安がだんだん大きく
なってきます。
そこで、キャリアカウンセラーに悩みを打ち明けるのですが、
このようなキャリアの悩みは、その瞬間は解決できた気に
なっても、また同じ悩みが必ずでてきます。
何故なら、この悩みの深層的な課題である、
「自分は何者か、《自分らしさ》とは何か（Identity）」
「社会的使命や役割は何か（Mission）」
「どの方向に進んでいけばよいのか（Vision）」
について自分なりの価値観やコンセプトを持たないと
解決できないからです。
私の今までの多くの臨床経験からもほとんどの相談者は、
深層面におけるキャリアの課題を解決せずに、同じ悩みを
抱えたまま過ごしています。
しかし、その中でも「自分の大切なライフキャリアは、
このままではいけない」と気づいたクライエントと一緒に
「ライフキャリアの核」の構築に取組んでいます。
また、今までの「組織や企業のみでキャリアを全うする」
という20世紀型のキャリアモデルでは、自分の可能性や
才能を著しく制限しています。
つまり、組織や企業内でのキャリアしか見えず、
組織や企業の器以上のキャリアを築くことができない
からです。
そして、ほとんどの人が「企業の命運が自分の人生そのもの」
になってしまっています。
これは企業の業績によって人生が変化するという極めて危うく不安定なキャリアなのです。
高度成長期などの多くの企業が成長していた時代では
有効でしたが、一寸先は闇である現代では、このキャリアは
非常にリスクが大きいです。
21世紀型に通用するライフキャリアとは、「自分の意思に
よって望む人生を実現し、組織や企業の先にある社会に
どのような価値を生涯にわたって提供し続けていくのか」が
ポイントになります。
キャリアは今までのような「組織や企業での仕事や職（ワーク
キャリア）」という観点だけではなく、自分が望む人生の実現
と質を担保するため、そして社会に価値を提供するための
「人生を通して取組む（ライフキャリア）」なのです。
よって、年金など潤沢に受給できない可能性が高く、
医療費などの負担が益々高くなる日本の社会保障の関係から、
基本的に定年後も社会に価値を提供できるポータブルスキルを、
今の組織や企業で戦略的に、計画的に、柔軟に、且つしたたかに
得ていくことが大切になります。
これからの時代ではこういった、自分の意思でライフキャリア
を構築していくキャリア・リテラシー（どんな時代でも自分の
ライフキャリアをマネジメントできる技術）が問われてきます。
このキャリア・リテラシーを習得するプロセスの一つが、
「ライフキャリアの核」で21世紀に通用するライフキャリア
の価値観・コンセプトを明確化することなのです。
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