● 医療保険は いる? いらない?
おはようございます。舘下(たてした)です。
「医療保険は必要なのか?」という議論は、専門家によっても意見が分かれるところではありますが、私個人としては、「ある方が安心(助かる)」と思っております。
「不要だ」と言われる大きな理由は、公的な医療保険制度の「高額療養費制度があるから」というところが一番だと思います。
また、「預貯金があればなんとかなる」という考えです。
もちろん、余裕のある預貯金があれば、本当に問題ないかと思います。
しかし、病気やケガの入院・手術が、一生涯で1回限りとは保証できません。
1度目の入院・手術では、その預貯金で賄えたとしても、もし2度目、3度目が起こったときに、1度目で使ってしまった預貯金を、再度貯めるまでに時間がかかり、間に合わないかもしれません。
それから「高額療養費制度」は、本当にありがたい制度だと思います。
日本が誇る素晴らしい健康保険制度ですね。
だからといって、全く負担がなくなるわけではありません。
一般所得者であれば、1ヶ月あたり概ね9万円ぐらいが、自己負担の限度額になります。
一般所得者より所得がある方は、平成27年から上限額が変更となり、標準報酬月額が53万円~79万の方は、1ヶ月あたり概ね17万円ぐらい、さらに上位所得者で標準報酬月額が83万円以上であれば、1ヶ月あたり概ね26万円が、自己負担の限度額となります。
自己負担の限度額は、同じ月の同じ医療機関にかかった分で計算されます。
なので、月が跨れば、再度、計算し直されます。
例えば、同じ20日間の入院でも、「同じ月に20日間入院」した場合と、「月を跨り10日間+10日間入院」した場合とでは、自己負担の限度額が異なってきます。
もし、長期間の入院等で、いつも通りの収入が確保できなければ、やはりその負担は大きいと思います。
それから、「高額療養費」が対象となるのは、公的医療保険が適用される分だけです。
すなわち、「差額ベッド代」や「入院時の食事代」、「先進医療の技術料」、「その他の雑費(日用品代・交通費など)」などは、高額療養費の対象外となり、全額自己負担となります。
上記のことをふまえて、医療保険の必要性は、過度の保障までは必要ないが、公的な医療保険制度で不足する分と、所得の減少を補う点から、「ある方が安心(助かる)」と思っております。
(注)わかりやすく記事にするため、細かな内容は割愛しております。
例えば、高額療養費の負担限度額軽減や、低所得者(住民税非課税世帯)の負担限度額、傷病手当金の話などです。
実際に、どのくらいの保障が必要かは、収入や職業、家族構成などによっても変わってきますので、個人ごとで算出されるのが望ましいです。
ちなみに、平成25年度の生命保険文化センターによる、1日あたりの自己負担費用の平均は、21,000円となっております。
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成25年度
ここ最近は、入院の短期化の影響もあり、医療保険の保障内容も変わってきております。
今までは、入院すれば1日あたりいくら、手術をすればいくら、といった考え方が主流でしたが、新しい医療保険では、入院するだけである程度まとまった一時金(10万円とか20万円など)が出るタイプも出始めています。
今回は病気全体の医療保険のお話でしたが、がんのみを保障の対象とする「がん保険」は、また別の見方をする必要があり、治療の長期化や、がんという病気の特性から、医療保険の「加入していると助かる」ではなく、「加入していないと大変」になると考えております。