ASKA『Black&White』と『Too many people』を少し比較してみた | ただひたすらCHAGE and ASKA

ASKA『Black&White』と『Too many people』を少し比較してみた

『Black&White』ブックレットのインタビューにも出てきましたが、今回のアルバム『Black&White』は、前作『Too many people』と大きく異なる色を持っています。

 

誰もが1曲目の「FUKUOKA」と「塗りつぶして行け!」の違いが大きいと思うでしょうけど、それだけではまだこの2枚のアルバムの違いを説明しきれてない気がします。

 

 

ASKAさんは、以前のブログで、アルバムは、入り口となる1曲目から3~4曲目までの曲順にこだわっている旨の発言がありました。CDショップや配信での試聴も、最初の方から聴きますからね。
購入して聴いても、アルバムは、1曲目から4曲目、あとはラストの曲が全体の印象を大きく左右します。

 

 

ASKAさんの最近2枚のアルバムは、全曲ASKAさんが作詞作曲ですから、そこに違いはありません。
しかし、大きな違いは、アレンジとプログラミングに出ています。

 

2枚のアルバムの1曲目から4曲目、そして、本編ラストの楽曲の5曲のアレンジとプログラミング担当を見ると、こうなります。

 

『Too many people』
アレンジ:澤近泰輔2曲、ASKAの音楽を愛する仲間2曲、ASKA1曲
プログラミング:村田努&お友達に決まっているじゃないか1曲、ASKAの音楽を愛する仲間2曲、(「FUKUOKA」と「しゃぼん」は記載なし)

 

 

『Black&White』
アレンジ:ASKA2曲、ASKA&鈴川真樹3曲
プログラミング:鈴川真樹&藤山祥太5曲

 

 

これを見ると、違いは、一目瞭然ですね。
澤近泰輔さんやASKAの音楽を愛する仲間さんは、『Black&White』でもアレンジしている曲があります。
鈴川真樹さんも『Too many people』でアレンジしている曲があります。なので、、アルバム全体を見るとASKAバンドのメンバー自体に大きな変化はないのですが、1曲目から4曲目、ラスト曲のアレンジメンバーにこれだけ違いがあります。

 

 

ASKAさんが個人レーベルになってからは、ASKAさん自体がアレンジを担当することが格段に増えています。メジャーレーベル時代と比較すると、そのあたりの違いも大きいのですが、『Too many people』と『Black&White』がこれだけ色が異なって見えるのは、『Black&White』で鈴川真樹さんのアレンジが色濃く出ているのが大きいでしょうね。

 

 

楽曲は、歌のメロディーも印象を左右しますが、イントロとアウトロも印象を大きく左右します。何といっても、楽曲は、イントロ演奏で始まり、アウトロ演奏で終わる楽曲がほとんどですからね。

 

 

鈴川真樹さんは、言わずと知れた名ギターリストで、ASKAバンドのギター部門を長く支えてきています。

 

 

澤近泰輔さんは、ASKAバンドのキーボーディストで「PRIDE」のイントロを手癖で作ってしまったという天才です。
ASKAの音楽を愛する仲間さんも、おそらくキーボーディストではないかと勝手に想像しています。

 

 

そういうアレンジの違いもあって、『Black&White』は、ロック寄りのギターサウンドのイメージがどうしても付いてしまいますね。
これまで、ASKAさんのアルバムは、キーボーディストがアレンジする楽曲が前面に出ている作品が多かったので、その流れを期待していた方々の中には、『Black&White』に多少戸惑ってしまった方もいたようです。

 

 

もちろん、ASKAさんを取り巻く環境の変化もアルバムの印象に大きく影響しています。
『Too many people』は、体に力を入れて1曲1曲集中して聴かざるを得ない緊張感があり、感情のこもり方が尋常ではありませんでした。初めて聴いてもインパクトの強さに圧倒される楽曲が多くありました。

 

 

しかし、『Black&White』は、リラックスした泰然自若の雰囲気があるので、ゆったりとした穏やかな気持ちで聴くことができます。『Black&White』の方が気軽に聴けて心地良さがあります。

 

 

で、私は、どちらのアルバムの方が好きなのか、と聴かれそうですが、私は、当然、どちらも同じくらい好きですね。

 

 

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