さすらおう この世界中を ころがり続けてうたうよ 旅路の歌を
 まわりはさすらわぬ人ばっか 少し気になった
 風の先の終わりを見ていたらこうなった
 雲の形を まにうけてしまった


 さすらいの 道の途中で 会いたくなったらうたうよ 昔の歌を


 人影見当たらぬ 終列車 一人飛び乗った
 海の波の続きを見ていたらこうなった
 胸のすきまに 入り込まれてしまった
 誰のための 道しるべなんだった
 それを もしも 無視したらどうなった


 さすらいもしないで このまま死なねえぞ
 さすらおう
」 さすらい/奥田民生

作詞 : 奥田民生 作曲 : 奥田民生

ドラマ「Days」(1998年1月12日 - 1998年3月23日 フジテレビ)主題歌

「痛快!ビッグダディ」(2006年9月26日 - 2013年12月29日 テレビ朝日)テーマソング






※今回の記事はちょっと長いですが、お時間ありましたら




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一日は、どうして二十四時間しかないのだろう。


人間は誰でも一度や二度はこう考えるものでしょうが、
私も二十代には、かなり真剣にこう考えたものです。


24 - 8 = 16


一日八時間は寝ないと体に毒だといわれて、
一応こんな引き算をしてみるのですが、
その八を七にし、六にして、起きている時間を増やしました。


読みたい本。
始めたい習い事。
見たい映画や芝居。
行ってみたい旅。


いつも、それらのスケジュールが、
時計のセコンドのように私を追い立て、責め立てていました。


一日の終わりには、いつもくやしさと悔恨がありました。


「 また一日を無駄にしてしまった。 」


本当に眠るのがもったいないと思ったものです。


今から考えると、なぜあんなに焦(じ)れていたのかと思います。


あの頃の私は、いつも腕時計を気にしていました。


十分、二十分のバスの中の時間を惜しみ、
文庫本をバッグに入れては読みふけりました。


待ち合わせの時間に相手が遅れると、
時間を無駄にしたように思えて、
女の子にしてはきつい言葉でその人をなじりました。
若かったんだなと思います。











二十代の私は、時計の奴隷でした。
カレンダーにおびえていました。



一日は二十四時間。


一ヵ月は三十日。


一年は十二か月。



時と月日の単位が、いつも私をおどかしていました。


この一瞬は、二度と再び訪れないのだぞ。


かけがえのない時を無駄にしてしまったのだぞ。


取り返しのつかないことをしてしまったのだぞ。



天の一角から、いや時計の裏ブタやカレンダーのうしろからと
言った方が適切かもしれません、こういう声が絶えず聞えていました。



しかし、現実はといえば、
暮らしてゆくためにつとめた出版社での雑用はますます多くなり、
お酒を飲んだりスキーを楽しむことを覚えたりで、遊ぶことも忙しく、
気持ちのあせりと夢が大きくなってゆくのに比例して、
時はいつも無為(むい)に過ぎてゆくように思われました。


毎日、何かに追われて、
爪をかみ、地団駄(じだんだ)を踏んで暮らしていた時が、私にありました。


その頃から、私は内職にラジオやテレビの原稿を書きはじめました。

( これもやむにやまれぬ芸術的欲求などという高邁(こうまい)なものでなく、
 スキーにゆきたい、その資金のため、

 というのですからお恥ずかしい限りですが。)


「 お金のため 」 が先にあって、
「 いいものを書きたい 」 という欲はあとになり、
それでもなんとか二十年近い年月を、この職で過ごしてきたことになります。


このごろになって、格別の才能も欲もなかった私が、
物を書いてどうにか暮らしてゆける原点
もとのところはなんだろうと考えてみますと、
この二十代のあの地団駄にあるのではないかと思うのです。


あの頃、私なりに本も読みましたし、人に物も習いました。
しかし実ったのはその部分ではなく、
焦り、絶望し、自分に腹を立て、やり場のないなにかを、
さてどこへぶっつけて言いかわからず爪をかんでいた、
あのわけのわからないエネルギーではないかと思うのです。



若い時から能率的というのでしょうか、
時間の使い方が実にうまい人を知っています。


二時間ずつ、ピアノ、英語、フランス語、お茶、お花、と、
ひと通りの稽古ごとをみんなマスターし、
外国へも留学して、できないものはないという才色兼備の見本のような人です。


見事なものだなと思いますが、
私はどうもこの人についてゆけないところがあります。


例えば、もめごとを起こしている夫婦がいます。
この人は、すぐ、
「 別れるべきよ。別れて新しい人生を踏み出しなさい 」 と断言します。


私は、理屈はそうだけれど、人間なんてそう簡単に割り切れるものではない。
のたうち廻りながらでも、もうすこし考えてみたら、という意見で、
いつもぶつかります。


彼女は私の書くものに対して 「 ハッキリしない 」 といい、
私は、彼女の生き方に
「 正しいけれど味わいが乏しいのではないか 」 と思ってしまいます。


お茶を二時間習い、時計が三時になったから、
すぐショパンが弾けるものでしょうか。


私は非能率的といわれても、お茶を習った日はお茶だけにして、
夜までその気分を大切にしたいと思う 「 たち 」 なのです。


いや、それよりも、 「 私は時間を合理的に使っているでしょ? 」 という、
したり顔が私はダメな人間ですから、
きっとくやしいんでしょうね、気に入らないのです。











時というものは、一秒一秒、
時計のセコンドのようにせわしなく過ぎてゆくものでもありますが、
一生の単位で見れば大きな河の流れにも似て、
ゆったりと流れてゆくものでもあるはずです。


三年、五年を、無駄に過ごしたとしても、
六十年、七十年の人生にとって、
引っかき傷ほどにもなりません。


私は、どちらかといえば負け犬が好きです。
人も犬も、一度ぐらい相手に食いつかれ、
負けたことのある方が、思いやりがあって好きです。


時にしても同じです。
一時間単位、二時間単位で時間を使ったといっても、
それはせいぜい、時計を有効に使ったということにすぎません。


人間は、時計を発明した瞬間から、
能率的にはなりましたが、同時に
「 時計の奴隷 」 になり下がったようにも思います。


時計は、絶対ではありません。
人間のつくったかりそめの約束です。


もっと大きな、 「 人生 」 「 一生 」 という
目に見えない大時計で、
自分だけの時を計ってもいいのではないでしょうか。



若い時の、 「 ああ、今日一日、無駄にしてしまった 」 という絶望は、
人生の大時計で計れば、ほんの一秒ほどの、素敵な時間です。


恐れと、むなしさを知らず、得意になって生きるより、
それはずっとすばらしいことに思います。


どんな毎日にも、生きている限り 「 無駄 」 はないと思います。


「 焦り 」 も 「 後悔 」 も、人間の貴重な栄養です。


いつの日かそれが 「 無駄 」 にならず、「 こやし 」 になる日が、
「 あか 」 にならず 「 こく 」 になる日が、
必ずあると思います。


真剣に暮らしてさえいればです。



【 時計なんか恐くない 】  / 向田邦子


1929年11月28日 - 1981年8月22日 日本 - 東京都

脚本家、エッセイスト、小説家

作品 : 【 時間ですよ 】 【 寺内貫太郎一家 】 【 あ・うん 】 など




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ひとりひとりの


24時間が


終わる・・




ひとりひとりの


24時間が


始まる・・・・・





photo by feel



" 人間は 自由であり


 常に自分自身の選択によって


 行動するべきものである " サルバドール・ダリ


本名 : サルバドー・ドメネク・ファリプ・ジャシン・ダリ・イ・ドメネク

1904年5月11日 - 1989年1月23日 スペイン 画家






いくつか・・ 記事はあるのですが
何を載せるのがいいのかよく分からなくなってます・・。


地震のこともあるし・・ と考えしまうこともないとは言えないですし
でも、3.11の時もそうでしたけど
言葉は悪いですが、心配してもしょうがない。


今の自分には何もできないし、かといって心配ばかりして
自分まで深く沈んだ気持ちでいることに
果たしてどれだけのものがあるのか・・


例えば、1年でも2年でも時間が経てば楽しんでもいいのかと言えば
今でも1年後でも、そこにどんな違いがあるのか
自分にはよく分かりません。


時期早々というのはあると思いますが
目にはなかなか見えづらいものですけど
それを表に出しても出さなくても
自分が強く抱いている想いがあるのであれば
それで良いのではないかなと思います


他人の幸せを強く妬むほど

日本人はそんなに心の狭いものではないはず・・


ましてや3.11など、多くの絆を確認してきました


楽しむだけでもいいと思いますし、めいっぱい笑っていたっていい
ボランティアに行ける方は行けばいいし、仕事で精一杯ならそれもまたいい
・・って、当たり前の事ですが
今それぞれが目の前にあるものに手を伸ばすことができれば
それだけでいいんじゃないかな と。


そしてほんの少しだけ余裕があれば
力になれることを探して力になってあげられれば
いいのではないかな・・。



まぁ・・ 自分も含め3.11の頃の感覚は確実に薄れてはいるでしょうけど
消えるものではないし、何度でも強くよみがえるものだし
変に心配し過ぎずに、だけど、忘れるという事とも全く違う


不安な毎日を過ごされていると思いますけど・・
うまく言葉にできないですが
良い意味で、私たちが心配し過ぎてもしょうがない


でもそれで良いと思うんです


3.11から学んだことですが、
はっきり言ってしまうと大事なのは
今よりも後の支援・・ かなと・・。


そういえば、今でもテレビで3.11の支援を訴えているのは
スマスマ(SMAP X SMAP)だけなんじゃないですかね


・・って分かんないですけど 汗


偽善でもなんでも、(偽善ではないですけど)
こうして形として続けてくれているというのは
実際すごいことだと思います。


誰でも1秒なら身を削れるけど
1分・・ 10分・・ 1時間・・となった時
果たしてどれだけの人が残っているか・・



なんだか話がそれていっちゃいそうなのでこの辺にしておきますが


簡単にはっきり言ってしまって
それぞれの人生を時間を
それぞれが楽しめばいいと思います。


例えばそれは

世界一周でも、豪華客船の旅でも、宇宙旅行でも

例えばそれは

ボランティアをすることでも、協力隊として海外へ向かう事でも


その先々で出会うもの、
出会ってしまったものに一喜一憂しながら
時にこうして深く心配したり


・・心配っていうと少し軽く聞こえてしまうかもですけど
「 心を配る 」 ですから、そうして強く心配したり。


形として表せられるのであれば
1円でもなんでもどんな形でも表せばいいのだし。


伝えたいことが伝えられてるのか
自分でもよく分からないんですが...


この世界にある多くの苦しみに

目を向けることも大事だと思うのですが


ほんと自分なんかが言うことではないのですけど
周りを強く想えるのであれば
あまり縛られ過ぎずに
今の自分の道を精一杯楽しんでほしいなと思いますね


他人の痛みを分けて受け取れることも素晴らしいけれど

美しい夕陽を眺めることも忘れないでいてほしい・・。


今、わざわざ書くような事でもないのかもしれないですし
感じ方は様々かと思いますので
失礼がありましたら申し訳ありません。






白馬なので

一度は行かれたことのある方も多いと思うのですけど


あの辺りは本当に良い所で。


冬の山の山頂付近(そこまで行かなくても)からの

山に囲まれた眺めは


時間の概念がなくなるというか・・


日常を忘れられるような・・


思わずボケ~っとしてしまうような場所です



ほんと風評被害だけは広がらないといいですね・・。



ちなみに・・


以前撮ったものですが


先シーズンの白馬の栂池高原と


被害の大きかった神城地区の辺り・・






















本文の方に戻りますけど


時間とは?・・


答えのない問いですが


向田さんのように最近は、一日をどう使うべきかとか


よく考えてしまう時があります


特に休みの日などは。


寝たりしてダラっと過ごしても良いんですけど


やっぱり出掛けると有意義に過ごせたなと思えたり



1日・・ 24時間・・


それぞれに与えられてしまったこの時間というものを


どう使うのか?...


考えたっていいし、考えなくたっていいと思うのですけど


時間というものを考えてみると


ほんの少しだけ


時を多く得られたような


そんな気もしてきますね。



日本人ってやっぱり忙しないのかな・・


確かに同じビーチなんかでも、日本と外国を見てみると


本当の意味でのんびりしてるなぁと感じたりもします。


無理に楽しもうとしてるんじゃなく


心のままに時間が過ぎていっているような・・。



最後におまけとして


時間について語られている方のコトバを少し・・






" 生まれてから他界するまでを


 「 ひとつの時間 」 と暮らしたいのですが


 どうにもみなさんが割っていらっしゃるので


 みなさんに合わせます



 逆らうほどの力強さが


 かえって 「 幸せ 」 から遠くなり


 戻ってくる 「 時間 」 がありません " 所ジョージ






" 二十代 時間より早く走ろうとした


 三十代 時間と共に走った


 四十代 時間においていかれそうになり


 五十代 時間より遅れていくばかりだ


 六十代 時間を超えたい。 夢だろうが・・。 " 赤塚不二夫






いくつになっても


新しさで満ち溢れる


10代の時の時間を持ち続けたいな...



雨のせいか無理矢理テンションを上げたい


そんな気分・・


そこで奥田さんのこの曲だったのですけど


選曲理由のもうひとつは


また次回に・・ 歩く






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