ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

二重生活

2015-01-25 20:56:42 | な行

中国の“問題児”監督のひとり。


「二重生活」59点★★★


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現代の中国。

ルー・ジエ(ハオ・レイ)は可愛い娘と
稼ぎよく優しい夫(チン・ハオ)を持つ幸せな主婦。

彼女は娘の幼稚園で、同じクラスの男の子の母親
サン・チー(チー・シー)に
「ママ友にならない?」と声をかけられる。

気軽に応じたルー・ジエだったが
実はその裏には事情があり――?!

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「天安門、恋人たち」で天安門事件を扱ったり、
同性愛を扱った「スプリング・フィーバー」など
中国のタブーに触れ続けるロウ・イエ監督作品。

中国当局からは活動禁止処分を受けるも

カンヌ国際映画祭をはじめ
海外で高い評価を受け、創作を続けている監督です。

で、本作は
本妻と愛人家庭を行き来する夫と、
それに気づいた妻の、つまりは泥沼話。


まず
「スプリング・フィーバー」でもそうだったけど
“詩人”と言われるこの監督は登場人物の心を表すような
“揺れる”カメラワークが独特で
ハマる方にはハマるらしいんですが

ワシは
“詩人”というより、これに酔うんですわ・・・・・・(苦笑)。


中身もミステリーかと思いきや
そういう感じではなかった。

だめんずの不倫から始まる悲劇なんて
死ぬほど転がってる話だし

男女のドロドロ、いわゆる“ソープオペラ”には
記憶に新しい「ゴーン・ガール」があるからなおさら分が悪い。

ただ
一人っ子政策によって
「どうしても跡取りの息子が欲しい」という
主人公の母親の圧力などは、現代中国を描いているのかなと思いました。



★1/24(土)から新宿K'sシネマ、渋谷アップリンクほか全国順次公開。

「二重生活」公式サイト

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