中国の“問題児”監督のひとり。
「二重生活」59点★★★
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現代の中国。
ルー・ジエ(ハオ・レイ)は可愛い娘と
稼ぎよく優しい夫(チン・ハオ)を持つ幸せな主婦。
彼女は娘の幼稚園で、同じクラスの男の子の母親
サン・チー(チー・シー)に
「ママ友にならない?」と声をかけられる。
気軽に応じたルー・ジエだったが
実はその裏には事情があり――?!
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「天安門、恋人たち」で天安門事件を扱ったり、
同性愛を扱った「スプリング・フィーバー」など
中国のタブーに触れ続けるロウ・イエ監督作品。
中国当局からは活動禁止処分を受けるも
カンヌ国際映画祭をはじめ
海外で高い評価を受け、創作を続けている監督です。
で、本作は
本妻と愛人家庭を行き来する夫と、
それに気づいた妻の、つまりは泥沼話。
まず
「スプリング・フィーバー」でもそうだったけど
“詩人”と言われるこの監督は登場人物の心を表すような
“揺れる”カメラワークが独特で
ハマる方にはハマるらしいんですが
ワシは
“詩人”というより、これに酔うんですわ・・・・・・(苦笑)。
中身もミステリーかと思いきや
そういう感じではなかった。
だめんずの不倫から始まる悲劇なんて
死ぬほど転がってる話だし
男女のドロドロ、いわゆる“ソープオペラ”には
記憶に新しい「ゴーン・ガール」があるからなおさら分が悪い。
ただ
一人っ子政策によって
「どうしても跡取りの息子が欲しい」という
主人公の母親の圧力などは、現代中国を描いているのかなと思いました。
★1/24(土)から新宿K'sシネマ、渋谷アップリンクほか全国順次公開。
「二重生活」公式サイト