語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【片山善博】【本】公私を峻別する大切さ ~『最高指導者の条件』~

2017年10月07日 | 批評・思想
★李登輝『最高指導者の条件』(PHP研究所、2008/新版、2013/『指導者とは何か』、PHP文庫、2015)

 内外を問わず、政治指導者の在り方が問われる。老舗の大企業では屋台骨を揺るがす不祥事が目立つ。そんな昨今、台湾の政治を見事に民主化した李登輝元総統が自身の体験を踏まえて語る『最高指導者の条件』には頷かされる。
 政治でも企業経営でも、指導者には素質と能力が不可欠だ。それは、誠実に説く力や忍耐力だという。さらに、公私の別を弁えるべきことを強調する。
 総統在任中の李は、近親者との接触を避け、父親には知人を紹介しないよう求めた。元県会議員の父親を通して、頼み事が寄せられるのを避けたのである。そんな李からすれば、「お友達」とゴルフや会食を繰り返すなどということはもってのほかだろう。政界のリーダー、企業のトップの必読書であってほしい。

□片山善博(早稲田大学公共経営大学院教授)「公私を峻別する大切さ ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月14日号)
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