2023年6月21日
ポール・クレイグ・ロバーツ


 アメリカ国内情勢の悪化や、ドナルド・トランプに対する新たな刑事告発、2024年の大統領選挙運動が近づくのを背景に、GEOFOR編集委員会はアメリカの将来に関する彼の見解を共有するため、(アメリカ)政治経済研究所の会長で経済学博士号を持ちレーガン政権のアメリカ財務次官だったポール・クレイグ・ロバーツに下記質問をした。

https://geofor.ru/en/news/837/

GEOFOR:ドナルド・トランプは新たな告発に直面しており今回は機密文書を所有しているかどで非難されています。トランプにとって新しい刑事事件はどれほど危険でしょう?

ポール・クレイグ・ロバーツ:事実からすれば、でっちあげですから事件は危険ではありません。アメリカ大統領には、機密解除したと言うだけで文書を機密解除する権限があります。全ての元アメリカ大統領はそのような文書を持っています。多くが不必要に機密扱いされているため、そうしなければ彼らは回想録を書けないでしょう。

 この起訴は、(現在特別検察官に反証されている)ロシアゲート、上院で失敗した6つの弾劾未遂、1月6日の暴動(FBIのでっちあげ)、および選挙献金ではなく訴訟費用としてポルノ女優に法外な金額を報告したとされるニューヨーク州検察(申し立ては真実ではない)に続いて、 有権者の過半数であるトランプ支持者に、トランプに対するこれらの試みは違法だと確信させました。民主党による法の武器化のおかげで有権者間でのトランプ支持は現在非常に高く、トランプが共和党候補になれば、バイデンが大統領選挙に勝つ可能性はゼロです。時に共和党に、時に民主党に投票する州であるいくつかの「スイングステート」のいくつかの大都市で民主党が管理する選挙手続きによってトランプ再選が確実に阻止されたより多くの証拠が明らかになるにつれトランプの多数派は更に増えました。

 トランプにとっての危険は、ニコライ・ブハーリンや元ボルシェビキがスターリンによって直面したのと同じ危険です。スターリンは検察手続を支配していました。ニューヨークの民主党は州の法制度を支配しており、好きなだけ虚偽告発ができます。彼らが有罪判決を下す陪審員を選ぶのにも問題ありません。民主党が有罪判決を下すつもりなのか、それとも単にトランプ出馬を阻止するつもりなのかは不明です。

 同様に、行政府を手に入れて、民主党は連邦検察手続きを支配しています。彼らはバイデンが副大統領時代の機密文書を所有していること(副大統領には文書を機密解除する権限がない)やヒラリー・クリントンが国務長官時代に彼女のパソコンに機密文書を持っていたことを見逃しながら、彼を有罪にできない犯罪でトランプを非難できます、法律違反。したがって、実際法律違反で有罪となった二人の民主党員は起訴されず、機密解除する権限を持つトランプ大統領は起訴されるのをアメリカ人はわかっています。

 7年前のトランプに対する攻撃の本当の理由を理解することが重要です。トランプの就任演説を聞いてください。彼はエリート寡頭制であるアメリカ支配体制に宣戦布告したのです。彼は「ロシアとの関係を正常化する」意図を宣言し、CIAと治安機関という敵を即座に作りました。トランプは「アメリカへの裏切り者」だとジョン・ブレナンCIA長官は即座に宣言しました。なぜでしょう。ロシアとの関係正常化は軍安保複合体の莫大な予算と権力を正当化する敵を奪うことだったためです。

 トランプは支配体制一般に宣戦布告し、彼らから権力を奪い、民主主義では、その持ち主である国民にそれを返すつもりだと言いました。これは寡頭支配層には受け入れられませんでした。

 ほとんどの共和党政治家は支配体制のメンバーでもあることを覚えておいてください。彼らは、軍安保複合体、製薬業界、アグリビジネス、エネルギーなどの利益団体を代表しており、議会と大統領を選出する選挙献金をしています。たとえば上院の共和党指導者連中はトランプの敵です。

 その結果、トランプは有権者から大規模な支持を得ていても共和党は支持していません。しかし、権力を持っているのは国民ではありません。

 トランプが37件の起訴に直面し、懲役400年で、トランプは重罪人だとメディアは報じていますが、アメリカ人を説得するのが目的のプロパガンダです。しかし、37件は全て機密文書の不正所持という同じ虚偽告発の言い換えです。

 アメリカ大統領が投獄される可能性があるかどうかは不明です。連邦法は全ての元大統領が生涯にわたり二人のシークレットサービス職員の保護を受けることを義務付けています。シークレットサービス職員を刑務所に入れるのは不可能なのに元大統領をどのように投獄できるでしょう?

 我々がアメリカで経験しているのは、売女メディアによって際限なく繰り返される彼に対するプロパガンダにもかかわらず、全ての世論調査で、遙かに先行していることにどんな疑いようもないライバルを起訴することによって、現在の大統領バイデン、がはなはだしく大統領選挙に干渉するゲシュタポ国家の出現です。

GEOFOR:トランプの今の選挙運動のやり方は印象的で、バイデンや他候補と比較して彼は少なくともまともに見えます。2024年のトランプの現実的な見通しをどう思われますか?

ポール・クレイグ・ロバーツ: トランプが何らかの形で出馬を阻止されない限り - 私はCIA/FBIによるトランプ暗殺の可能性を排除しません - そして民主党が再び選挙不正ができない限り、トランプはアメリカ史上最大の過半数で勝つでしょう。世論調査によるとバイデンは遙かに引き離されているため民主党が不正選挙をするのは不可能です。軍安保複合体と支配体制には受け入れられないのでトランプは暗殺されるリスクが高いのです。

GEOFOR: 2024年の選挙は容赦なく近づいています。2020年、大統領選挙は、民主党が支援するブラック・ライヴズ・マター運動による大規模抗議行動を背景に行われました。2021年1月、共和党の抗議行動参加者が国会議事堂を襲撃しました。アメリカと世界は来年何を期待すべきでしょう? 選挙前夜または選挙後のアメリカの社会的爆発のリスクはどれほどでしょう?

ポール・クレイグ・ロバーツ:ブラック・ライヴズ・マターは私の考えでは、民主党/ジョージ・ソロスが資金提供し政治目的で利用しているナチ集団です。「共和党の抗議行動参加者が国会議事堂を襲撃した」というのはプロパガンダです。トランプと支持者はトランプが演説していたワシントン記念塔にいて1マイル以上離れていました。マッカーシー下院議長が公開した国会議事堂の映像がはっきり示している通り、警官が国会議事堂の扉を開き、国会議事堂内で数人の「抗議行動参加者」(その多くは明らかに連邦捜査官)に付き添ったのです。暴力行為の一つは、明らかに暴力と暴動のニュース・プロパガンダの理由を作るため、理由もなく女性退役軍人を不当に撃った黒人の国会議事堂警官でした。

 民主党は誠実さも恥もないことを示しており、連邦法執行機関を支配し、メディアに説明責任を問われないため、連中の狙いに役立つと思える暴力事件をでっち上げるのが可能です。そのような画策された事件はトランプ支持者の暴力を挑発するために利用される可能性がありますが、トランプ支持者は暴力のために組織されているわけではありません。彼らにはアンティファやブラック・ライヴズ・マターのナチ連中はいません。「白人至上主義者」はほとんど架空のものです。Oath Keepers(宣誓を守る人々)という集団は、暴力を振るうことではなく、アメリカ憲法を守ることを目指す退役軍人たちです。アメリカの都市のビジネス中心街を略奪し、燃やす共和党集団など存在しません。

 トランプに対する組織的な虚偽有罪判決や別の不正選挙が、アメリカ多数派国民の本当の蜂起をもたらすかどうかは不明です。トランプ支持者は彼をアメリカにとって最後の機会と見ているので、アメリカで台頭する専制政治や彼ら自身の悪魔化に直面して国民は無力なのだと結論付け、台頭するゲシュタポ国家から去るかもしれません。

GEOFOR:いつものように我々は経済について質問せざるを得ません。フィッチの専門家は最近の予測でアメリカ経済は減速を続けると述べています。国内の政治的リスクもしわ寄せを受けています...そのような評価をどう思われますか、どう予想されますか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:アメリカの経済統計は非常に操作されているため実態を知るのは困難です。中央銀行は既存資産の価格を引き下げ、銀行や商業用不動産を危険にさらし、消費者の債務負担を増やす制限的政策で、10年間の低利融資を修正しようとしています。更に制裁やロシア中央銀行準備金を盗んだ結果、米ドルは世界準備通貨としての役割が減少しています。この役割減少はアメリカの貿易と財政赤字の外国資金調達を危険にさらします。他の国々が貿易を米ドルで決済し、サウジアラビアが石油代金をドルで請求する限り、外国の中央銀行には準備金をアメリカ債の形で維持する誘因があり、アメリカ貿易と財政赤字に資金を提供しました。ドル離れはドルに対する外需が減少することを意味しますが、アメリカの貿易と財政赤字の結果、供給は増加し続けています。それが意味するのはドル交換価値の低下です。アメリカは製造業を海外移転し輸入に依存しているためドル価値下落はアメリカ・インフレの急激な上昇とアメリカ生活水準の急激な低下を意味します。言い換えればアメリカ経済の見通しは単なる景気後退より遙かに悪いのです。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2023/06/21/will-trump-be-assassinated-for-declaring-war-on-the-corrupt-american-establishment/