全米プロの最終場面 | MA加藤 petit column  ・・・会者定離・・・

小生の一番の趣味であるゴルフ。
プレーもさることながら、観戦も楽しいもの。

男子ツアーとなればアメリカのツアー(USPGA)がおもしろく、女子ツアーは日本のツアー(JLPGA)がおもしろいですね。

さて、先週末はそのUSPGAで全米プロ選手権が行われました。
プロ中のプロを決める大会で、俗に言う「メジャー(公式戦)」
マスターズ・全米オープン・全英オープンに続くメジャーの最終戦でもあります。


結果は全英オープンのクラレットジャグを手にしたローリー・マキロイがメジャー連覇して終えました

石川遼選手や松山英樹選手よりちょっとお兄さんの彼は、ワールドランク1位

ひと時のタイガー・ウッズのように強いです。
しばらくはこの強さは揺るがないのだろうと思うところです。



小生は無論アメリカに行けないのでTV観戦しました。

その試合で初めて見た光景を紹介したいと思います。


今回の全米プロはあまり天候に恵まれず雨模様の日が多かったのです。

最終日のスタートも豪雨により2時間弱も遅れてスタート。

優勝を争うであろうメンバーは当然最終組かその辺りです。

案の定、優勝争いは、ヘンリック・ステンソン、フィル・ミケルソン、リッキー・ファウラー、ローリー・マキロイ等にしぼられました。


しかし最終組がスタートしたのはPM4:19(いくら陽が高い時期とはいえ夕方)。

さすがに息を呑む戦いで日没が近づいてきました。


TVでは「明るく見える」のですが、実際はかなり宵闇が迫っている状態です。

『このまま続けるのかなぁ・・・』と気にしながら観ていました。


ゴルフをした方なら経験したことがあると思いますが、暗くなり始めると途端にプレーがしにくくなります。
焦ってプレーをしてなんとかホールアウト、という状態になります。



日没に限りなく近づいた最終ホール18番

(優勝を争うミケルソンとファウラーが最終組1つ前をプレーしています)

その前の17番を終えた単独リーダーのマキロイが前の組のティーショット前にティーインググランド後方に近づいてきました。

様子を見ています。


普通なら前の組が第2打を打つまでは次の組は打てません。
(第2打地点に二つの組のボールが存在することになってしまいます)

これはルールというよりは、マナーであり、ケガ等を防ぐためでもある不文律。


しかしそれでは本当に日没サスペンデットになってしまう・・・。



前の組で第1打を打った優勝争いをするリッキー・ファウラーはマキロイにすぐにティーショットを打つよう話しかけました
その光景がTVを通じて小生も観ることができたのです。


「合図をしたら打ってくれ」




これを受けマキロイは、合図を受け早々にティーショットを打ち放ちました(ペアの選手も)


(小生も以前よりマキロイとファウラーは大の仲良しであることは知ってましたが、それにしてもビックリしました)



ティーショットを打ちさえすれば日没になってもルール的にはプレーは続行可能なのです。

 

その後はどの選手も日没を防ぐため小走りに移動しました。



あのミケルソンもプレーオフに持ち込める可能性のある第3打のショットすら、普段より急いでショットしてます。

リッキーファウラーもプレーオフチャンスのイーグルパットをミケルソンがショットするまでラインをさっさと読み、ストロークしました。

ふたりのショット・ストロークは、それぞれ入りこそしませんでしたが、本当に惜しいグッドなものでした。

 

 


メジャー優勝争いのなかで、競う相手を思うその一部始終の行動に、小生は普段とは違う鳥肌が立ちました。


 

クラブハウスに明かりが灯るなか、マキロイはパーでホールアウトして優勝。

その後のマキロイの優勝スピーチでは、ファウラーやミケルソン等の行動に何度も感謝の言葉を口にしていました。

 


こういうところがなんともカッコいい・・・


そうマキロイはもちろんのこと、リッキー・ファウラーやフィル・ミケルソンがカッコいいのですね。



正々堂々と戦おう・・・
俺たちは優勝争いを繰り広げているが、仲間なんだ・・・




そう言っているようでした。

 

こんな光景はそうそうは観られないでしょうが、スポーツマンシップとはこういう行動のことをいうのだろうと、改めて感じた機会でした。



なんだか、誰が優勝だかわからなくなりました。