習塾をしていると、とにかく多い相談が、「お子さんが勉強しなくて困っている」です。
それでどうにかして勉強させようと、あれこれ子どもにいう訳ですが、その時に絶対言ってはならないと私が思っている言葉が「あなたのために言ってるのよ」と言う言葉です。
本当に、子どもに勉強をさせたいのは、子どものためでしょうか?
多くの親は、自分は子どもを大事に思っているから、本気で子どものためを思って言っているつもりですが、その心を深く掘り下げていくと、実は親御さん自身が不安でしょうが無いのです。
単に自分の不安から逃れたくてしょうが無くて、子どもをコントロールしようとしているのです。
でも、それが上手くいかなくて困っている、と言うのが実際なのですね。
そして、子どもはそんな親の心を見抜いています。
ああ、この言葉は本当に私のことを思っていっているのでは無い…
そう感じている子どもは、更にやる気をなくしてしまうのですね。
基本的には、家族であっても自分以外の人間をコントロールパネルする事は出来ません。
それをしようとして出来ないから困っているというのは、とても滑稽な姿です。
仮に勉強をしないことで困るとしたら、それは子どもの方です。
でも、それは全員が困るというわけでも無い。
また、勉強を一生懸命したところで困る事になる子どももいます。
子ども達は、心のどこかでもその事に気付いているのですね。
だから、「あなたのために…」と言えば言うほど子どもも白けてくるのです。
親がすれば良いのは、冷静に情報を集め、分析して、勉強をすればどんな人生になら確率が高いのか、勉強し無ければどんな人生になる可能性が高いのかを、伝えることです。
その話が、子どもの心に響けば、子どもは自分自身ために勉強しようと自分から思うかも知れません。
逆に、ならばやっぱりしなくてもいいや、と思うかも知れないですが…
親は子どもが便宜的しなくても、困らなくても良いのです。
不安に思うのはしょうがありません。
だから、子どもには正直にそういいましょう。
「あなたが勉強しなくて、私はとても不安です。」と。
そして、その後にこう続けて下さい。
「でも、私はあなたが自分で自分の可能性を広げていける人だと信じているからね。」
そして、コントロールしたい心をぐっとこらえて、見守ってあげて下さい。
お子さんは逞しい姿を見せてくれるようになります。