109 『満願』-米澤穂信 | おかのうえまで

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建築家の卵の読書ブログ。
読むスピードの遅さと仕事の関係で
更新が追い付かない時は雑談...
そんな感じで、ゆっくり
書評書いていきます。

『満願』
米澤穂信



発刊 2014年
出版 新潮社


読書ブログなのに最近の作品を全然読んでない…
毎年の本屋大賞予想記事が書けない!
と思い立ったので続けて読みます。

今回は2015年の本屋大賞候補作10作に残っている米澤穂信さんの『満願』。
2015年「このミステリーがすごい! 」第1位
2014年「週刊文春ミステリーベスト10」 第1位
2015年「ミステリーが読みたい! 」 第1位
という2014年のミステリー年間ランキングで3冠に輝いている作品です。

幽霊やお化けなんかよりきっと人間の方が怖い。
そんな6つの短編集です。

身近に潜む狂気や、衝動。
それを隠していきる人々。
登場人物のうちに1人が抱えているであろう闇、
そこに少しずつ辿り着いていく。

あるかもしれないシチュエーションで、
おぼろげに終わっていくのも多くて
結構ゾッとする話がたくさん。
そして、後味悪めの話ばっかりで、
ほんと短編で丁度良いと思った。

面白かったのは「柘榴」と「万灯」、
表題作の「満願」なんて深層の予想はとても驚いた。
他の作品も人間的な部分と狂気が混在して、
予想できない、そして独特な空気感。
トリックなどではなく、
どこか人間的な部分が楽しめるホラーミステリーです。

ミステリー三冠も私は納得しました。
米澤さんの長編の本格的なミステリーが出たら
また読んでみたいと思います。
そんな1冊です。

ほんとミステリーについて書くのは難しいです。
では、次回!


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