部活に救われた | 吃音者よ、どもりに負けずに思い切り生きよう!

吃音者よ、どもりに負けずに思い切り生きよう!

吃音カウンセラーをしながら沢山の吃音者と接してくる中で見つけた、
意外と本人たちが気付いていない「吃音者の魅力や能力」を発信していきます。

      人間の素質


私はなぜか子供のころから、長距離を走るのが得意だった。

体育の時間など、校庭など走らされると、みんなすぐ疲れてしまうのに、
私はなぜかあまり疲れないで走る続けることができたのです。

もともとスタミナがあるというか、長く走るのが苦にならない体質だったのですね。

スポーツでは、野球は好きだったけれども、全然うまくならなかったのですが、
水泳は得意で、中学1,2年のころは、水泳部のものにも負けないくらいでした。


つくづく、人間には得手不得手があるのだと思います。

私はシャイでもなかったし、けっこう勇気もあったのですが、
もともと話し方が悪かったために、
また、なにかリズム感のようなものが悪いところもあったのか、
どもりになってしまったのだと思います。


そして、なにかあるとその人の弱いところに出るということで、
家庭が不安定になると、私のどもりはひどくなるという傾向があったように思います。

  
            陸上部


私は中学に入ると、小学校のころからやっていたので、野球部に入りました。

でも、素質がなかったのでしょう、全然うまくなりませんでしたね。

それで、1年の途中で陸上部に移りました。

陸上部では、長距離を専門にしましたが、すぐに頭角を現しました。

2年になったときのは、学年では一番になっていました。

陸上の練習はいくらやっても、つらいとか、疲れたということはなくて、
毎日、張り切って練習に励んでいました。

どもりは相変わらず、軽くなったりひどくなったりしていて、
ひどい時には、授業中に本を読ませられるのが、地獄のような
つらい時間でした。


でも、ひとたび授業が済んでしまえば、もう楽しい時間です。

毎日グランドや学校の外を、みんなで走り回っていました。

私たちの中学はまだできたばかりだというのに、北多摩群の駅伝で、
すぐに3位に入り、その次の年は優勝して、東京都の駅伝に出場しました。

その年は確か5位か6位だったのですが、そのあくる年は東京都でも
優勝しました。

こんなに急速に成績が伸びるなんて、しごきかなんか、すごい練習を
したんだろうと思う人もいるかもしれませんが、
しごきだの暴力だということは、まったくなくて、ただ部員はみんな楽しく
走り回っていただけでした。


私は中学の時、陸上部に入ったことによって、すごく救われたのだと思います。

あれだけ毎日練習していたから、それで人間的に成長するとか、
そんなことはまったくなかったと思いますが、
ただ、どもりのつらさは忘れて、元気いっぱい運動はできたし、
学校中でも一番くらい速かったので、男の子として、プライドをもてた
生き方ができたからです。

でも、もちろん、常にどもりの問題が私の気持ちに重くのしかかっていました。

ときどき、友達からからかわれたりすることもありました。

その時は確かにとてもつらい気持ちになったこともありましたが、
いじめとか、そんな扱いを受けたとは思ってはいなかったのが、救いでしたね。