フィリピン人と結婚するなら婚前契約書を作ろう。キリスト教は家族第一、プレゼントも大事!

フィリピンに10年以上住んで、30代でフィリピン人と結婚した方に話を聞きました。結婚1年目の体験談です。

フィリピン人と結婚するなら婚前契約書

フィリピン人と結婚した30代男性の話

ーー留学中にフィリピン人に夢中になって「結婚する!」とか言う若い子がいるでしょ。相談されるけど、どう答えていいか分からないのでアドバイスをください(笑)。

フィリピンのことをわかっていて結婚するならいいです。でも、わかってないなら絶対やめたほうがいいです(笑)。価値観が違うんです。キリスト教です。この国ってキリスト教が第一。家族が第一です。それを理解して受け入れないといけない。それが大変です。

ーー相手がキリスト教である弊害って具体的には何があるの?

家族第一はいいんです。いいことなんです。でも、やたら贈り物をしたがる。誕生日はわかる。でも、それ以外に、サンクスギビング、ハロウィン、クリスマス、バレンタイン、それらのイベントはプレゼントは必須です。うちの嫁はそうです。プレゼントを送りたいし、もらいたい。その気持ちの根底にはキリスト教があると思うんです。

結婚すると、夫婦のパワーバランスがありますよね。よく夫婦間の問題になるのはお金です。だから、夫婦間でのお金の使い方をちゃんと決めておいたほうがいいです。6パターンぐらいあるみたいなんです。たとえば、

  • 男性も女性も働いていて、それぞれが自由に使う。
  • 2人の収入を全部まとめて、2人で使う。
  • 2人の収入のうち何%かはそれぞれ自由に使って、残りは2人のお金として使う。

片方だけが働いている場合もありますよね。うちは嫁も働いているから共働きで、2人の収入は全部一緒にして使うルールなんです。僕のほうが稼ぎが多いから納得しにくい部分もあるけど、まあ、嫁を養うのは男として当然という気持ちもあるので、全部一緒でもいいと思っていたんです。

だから、なにか買う時は、話し合って決めます。今日も外食しているから、「お金を使っていい?」って確認はします。もちろん、嫁が友達とご飯に行くこともあるので、「いいよ」って言うわけです。

プレゼント文化でお金の使い方に違いがでる

そこで問題になるのが贈り物文化です。2人の財布からプレゼントを買うから、「それはやりすぎじゃない?」って思うときが多々あるんです。自分の財布で買うなら別にいいですよ。でも、2人の財布ですからね。「それはいらなくない?」ってモノを買います。プレゼントばかり買ってると正直ムカつきます(笑)。

お金があればいいですよ。お金がなくても買うんですよね。それぐらいプレゼントは大事なんです。借金してプレゼントを買う人もいると思います。それがフィリピンなんですよね。

たとえば、2万ペソあるとするじゃないですか。日本人は将来のことを考えるから、全部は使わないですよね。でも、フィリピン人は全部使ってしまう(笑)。

フィリピンに長くいるので、そういう文化が悪いとは思わないし、尊重する気持ちはあります。だけど、一緒に生活するのはまた全然違いますね。向こうからしたら、なぜ家族を大事にしないの?なぜプレゼントしないの?って不思議なんだと思います。

お世話になっている人に贈り物をあげるのは大切です。ただ、さし加減が全然違うんです。日本もお年玉っていう文化があるので、文化は尊重したいんですけど、イベントが多いんです(笑)。

ーーたしかに。正月に子供にお金をバラまくから、「それ必要?」って思う外国人はいるかもね。ただ、日本人はお年玉をあげるけど、給料10万円の人が10万円あげないだろうし、借金してあげたりはしないですね。

さすがに持ち金を全部使ってプレゼントを買うことはないですけど、頻度は多いです。そして、持っているお金に対して、どこまで使うかの価値観が違います。そういう違いを理解しておかないといけないです。

結婚する時にお世話になった神父さんがいるんです。その神父さんに子供が生まれたときに、僕ら夫婦にゴッドファーザーになってくれと言われて、名誉なことだからなったんです。

キリスト教は子供が産まれるといろんなイベントがあって、ゴッドファーザーも集まるんです。洗礼では聖水をかけたりするんですが、その時に、「プレゼントを送る!」って言い出して、子供用の服を買ったんです。それで終わるかと思ったら、1歳になったときに、「1歳用の服を買う」って言い出して。「そこまでやらなくていいんじゃない?」って言ったら、「この子が1歳になるのは今しかないのよ!」って言うんです。「俺はいらないと思うけど、買いたいなら買ったら?」って言いました。

だいたい、自分の意見を言うと、逆ギレ気味に言い返してくるのであまり言わないほうにしてたんです。だけど、「日本人は思っていても言わないから言え!」って嫁が言うんです。

黙っていたらよくないと思って、最近は自分の意見を言うようにしてます。本人は逆ギレしてるつもりはないと思うんですが、理由を聞いてると、キリスト教に関することがあるんです。だけど、こっちは知らないじゃないですか。

建設的な話にならないです。言ったことに明後日の答えがかえってくることも多い。そういうときに、言語の壁を感じます。日本人だったら説明したらわかる。でも、微妙なニュアンスが伝わらない。宗教的な部分と言語的な部分の両方あると思います。

最近は僕も考え方が変わってきて、稼ぐしかないなと思ってます。嫁も、「私たちが稼げばいいじゃない」って言うんです。

ーー奥さんも働いていて一緒に稼ごうという気持ちがあるからまだいいよね。働かないのに、旦那の財布は自分の財布と思っている奥さんも多いでしょ。

いますね。そっちの方が多い気がします。フィリピン人と付き合ったことはありましたが、結婚は全然違いますね。はじめての経験ですが、人生をともにするので。恋愛とは全然違う。

僕の嫁は比較的裕福な家の子なんです。もし兄弟親戚が何人いるかもわからない子だったらもっと大変だと思います。ここに当事者以外の話が入ってきますから。

フィリピン人と結婚するなら婚前契約書

だから、フィリピンに限らずですが、婚前契約書を作るのがいいと思います。結婚後の2人のルールですね。最近は日本でも作っている人がいるみたいなんです。そのほうがトラブルになりにくい。トラブルになったときもどうするか事前に決めておくと、感情的にならずに冷静に対処できると思います。

そんな感じです。フィリピン人と結婚した日本人をたくさん見てきたので、勢いで結婚しようとしていたら、「まず落ち着け!」と言います。でも、フィリピンのことをわかった上で結婚するなら、応援します!

(2024年2月26日)

編集後記

キリスト教を知る。フィリピン人の価値観を知る。とても大事ですね。フィリピン人と結婚したい人の参考になれば幸いです。日本人同士の結婚でも婚前契約書は作ったほうがいいですね。

フィリピン留学の恋愛事情

トラブル体験談

中谷 よしふみ

中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になる。圧倒的に詳しくなったので書籍を出す。そして、留学エージェントになる。体験した学校は105校。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター

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