細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

YNU dialogue 「福島の今を知り、100年後の豊穣な社会を考える」のご案内

2024-04-18 14:58:16 | 人生論

豊穣センターの主催で、5月28日(火)の夕刻に、素敵なセミナーを開催します。

とみおかワイドメーヌ代表の、遠藤秀文さんをスペシャルゲストにお招きします。

私は、遠藤さんのことを2024年3月3日に初めて知りました。富岡町で活躍する様々な方々の実際のお話を伺う2日間のツアーに参加し、何度も感激するような素敵なツアーでしたが、ツアーの二日目の朝に、遠藤秀文さんのお話をオンラインで伺いました。

私は、遠藤さんのお話の後半はずっと泣いていました。魂が震えるような感覚でした。

16,000本のワインのための葡萄の木を植える。もうすぐ16,000本に届きます。この数字は、大震災の前の富岡町の人口。

葡萄の木は時間をかけて質が高まっていくそうなので、まさに100年後の富岡が豊穣になるための取組みを実践しておられるのです。

2024年4月13日に、富岡町で開催された「福島再生塾」の開塾式に私も参加させていただき、そこで遠藤さんと初めて対面でお会いしました。

福島再生塾での遠藤さんのご発言の中に、「双葉郡8町村は、復興の方向性がバラバラで、方向を見失っているように思える。分断と孤立が加速している。」というような主旨のものがありました。これは、我が国の状況そのものではないか、と私は瞬間的に感じました。

さあ、5月28日に、遠藤秀文さんを横浜にお招きします。対面で参加できる人数には限りがありますが、ぜひぜひ、オンラインでもなるべく多くの方々に遠藤さんのヴィジョンを聴いていただき、福島の、そして我が国の将来について考えませんか?



豊穣センターのニュースレター

2024-04-18 11:39:58 | 研究のこと

豊穣な社会研究センターのニュースレター第1号が、発刊されました。

広報担当の古川さんが、デザインしますので、細田のテイストとはかなり異なった素敵な感じになります。。。

豊穣センターでは、様々な魅力的なセミナーやイベントも開催していきますので、ぜひ、ご興味のあるものに参加いただき、仲間になってください!


「品質確保物語」から「元気なインフラ物語」へ

2024-04-10 09:05:43 | 研究のこと

道路構造物ジャーナルNETという、ウェブ上の専門誌にて、「品質確保物語」という連載を続けてきました。

私が2009年3月3日に出会って衝撃を受けた「山口システム」(当時は、コンクリート構造物のひび割れ抑制システム。現在は、ひび割れ抑制も含む品質確保システムへ拡張。)が立ち上がる経緯や、発展していく経緯、2011年の東日本大震災の後に復興道路で多くの構造物の品質確保や耐久性確保へとチャレンジが展開していった状況を、物語として連載してきました。

連載は、49回まで続き、皆さんが見やすいように、私自身が運営しているHPに集約してあります

ところが、出版社の事情で、道路構造物ジャーナルNETは今後、更新がなされないことになってしまいました。というわけで、「品質確保物語」も終了となります。

ところが、ところが、同様のウェブ専門誌が別途立ち上がり、私の連載も新装開店で4月下旬ごろにオープンすることとなりました。

新連載の最初の原稿はすでに書き上げ、編集者に送りました。

新連載の名称は「元気なインフラ物語」としました。なぜ、このような名称にしたのか、どのような内容を発信していく予定か、も初回の原稿に記しました。オープンになったら、皆さんが読みやすいように私のブログや、豊穣な社会研究センターのHPからも発信していきます。

引き続き、ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします!


断酒生活のその後

2024-04-05 12:38:51 | 趣味のこと

2022年4月6日から断酒しました。その前、飲み過ぎていたということもあり、「飲み飽きた」という理由にしております。

断酒してから最初の2週間くらいは飲酒欲が強かった時期があったのを記憶していますが、その後はほとんど飲みたい欲もなくなり、1年9ヵ月ちょっと全く飲酒していませんでした。その間、飲みたいとも思わず、お酒にまつわる執着心とか、飲んだ後などに生じ得る嫌な気分、体調不良などからは全く解放され、自分では断酒生活を気に入っていました。

2024年1月下旬にイタリアに出張があり、ミラノ、ヴェネツィア、ブラノ島などを訪れ、まあいいか、ということで白ワインを飲んでしまいました。この出張中、2日間でワインを飲酒。

2月に鞆の浦で一回飲酒。高岡市での懇親会でおちょこにほんのわずか飲みましたが、これは無視できる量。

2024年3月は途中から解禁状態になってしまい、14日において飲酒。特に、3月の最後は23日から31日まで9日間連続で飲酒し、Finish。

それで、2024年4月に入り、新年度ということもあるのか、3月末に9日間連続して飲酒してやはり飲んでいる状態に不快感を感じ、再び断酒スタート。今日で5日目となりました。やはり飲まない方が体調が良いし、余計な執着心から解放され、心地よく感じます。

断酒についての報告は以上。

⇒ 順調に?断酒が継続されるものと思ってましたが、誕生日直前の4/7に、ここのところ低かったバイオリズムがさらに低くなり、酒に頼ってしまいました。。。さて、今後の展開はどうなることやら。。。(この部分、4/10に追記)

2024年1月30日から、坐禅を始めました。自宅でも出張先でも、毎日基本的に朝に15分間の坐禅を日課としています。今日で67日連続です。坐禅については、別のエッセーにて。


「和のコーチング」をYNUから発信! 2024年5月27日(月)15:00~17:30

2024-04-04 15:50:38 | 研究のこと

豊穣Cのセンター長の細田です。

豊穣な社会研究センターの「つながり方研究所」の具体的な活動の一つとして、「和のコーチング」(細田の付けた暫定タイトル)というプロジェクトを立ち上げます。

5月27日(月)に、横浜国立大学のメディアホール(中央図書館内)にて、「和のコーチング」の公開セミナーを開催することが決まりました。学長も参加されます。

今回は無料の公開セミナーとしますが、今後、これを契機にプロジェクトを進め、上手く運べば、大学で受講できる講義として「和のコーチング」が実装されるヴィジョンを私は描いています。

さて、「和のコーチング」とは何か?

このプロジェクトは、プロのコーチたちと連携します。東京コーチング協会のつわものたちです。

私も彼らとしっかりと対面したのは2023年7月末の「コーチング祭り」というイベントにおいてでした。コーチングの達人たちは、プロスポーツ選手や、誰でも知ってる大企業の重役さんなどをコーチングしたりしています。クライアントの持っている能力をフルに引き出すための伴走者、というイメージです。コーチング祭りでは、まさにコーチング界のレジェンド級の方々4名の講演をたっぷり生で聴かせていただき、私自身は講演者たちの考え方やメソッドに共鳴するところが多々ありました。

私も大学教員として、まさに学生たちをコーチングしているわけだし、「コーチング」というものはもっと社会に開かれ、活用されていくべきものであると感じたのです。私の認識では、コーチングとは、対話であり、傾聴、質問力、内省力、思考力であり、人間のポテンシャルをフルに引き出すための考え方です。

「和」と付けたのはなぜか?

私の認識では、コーチングという方法も西洋から入ってきたものです。それはそれで良いのですが、現在は日本が大ピンチの状況で、日本人としての誇りも失いかけている危機的状況。日本人や日本が本来持っている強さ、美しさ、誠実さ、などを前面に押し出して、もしくは取り戻して、社会を良くしていきたいと私は思っています。そこで、「和のコーチング」。

5/27の公開セミナーでは、「つながり方研究所」に集う、本物の僧侶の方も参画予定。私も大ファンの素敵な僧侶の方々です。

近代という社会は、個人がそれこそバラバラの砂粒のようになってしまいかねない、生き方を見失いやすい難しい社会です。

宗教と科学もこれまでは別物だったのかもしれませんが、物事の真理を追究していくと、同じところに行き着くのではないかと我々は議論しています。

つながる、ということは、我々が人間らしく生きていく上での根幹と思います。

プロのコーチたち、現役の僧侶、つながり方の研究者、学長、学生、豊穣な社会への挑戦に興味のある方が集い、つながって、「和のコーチング」を一緒に模索していきませんか?

皆さんのご参加、心よりお待ちしております!


元気なインフラ研究所 第2回セミナー(3月22日(金)15:30~、オンライン)

2024-03-15 07:56:53 | 研究のこと
3/22(金)15:30~、
元気なインフラ研究所の第2回セミナー(オンライン)を実施しました。動画は、こちらです。

元気研のコンソーシアムの情報もポスターの下にありますので、ご覧ください。



今後もセミナーは何度も重ねて実施していきます。膨大な既設インフラの維持管理はもちろん、新設インフラの品質確保と長寿命化、圧倒的な環境負荷低減型の建設材料の開発と実装、などを推進していきます。

セミナーなどで語られる哲学に基づいて、着実に実践、実装を重ねていきます。粘り強いこと、しつこいこと、良いことはいつまでも続けること、などが我々の取り得と思ってます。。。

元気なインフラ研究所のコンソーシアムへの行政機関の会員が増えてきています。民間企業の会員も増えてきています。

コンソーシアムが軌道に乗ってくると、会員限定のセミナーを開催したり、共同研究やコンサルティングなどもどんどん増えていくと思いますので、ご興味のある方はぜひ、コンソーシアムへの入会をご検討ください。こちらを参照ください

豊穣Cのプロモーションビデオ

2024-03-11 11:48:36 | 研究のこと

豊穣な社会研究センターのPVが出来上がりました。

豊穣Cのつながり方研究所の河野さん(客員教授)のコーディネートで、右脳に働きかける映像作成のプロが創り上げた作品です。

センターの目指すところが魅力的に伝われば幸いです。



都市基盤学科の卒論生たち5名の発表会

2024-02-23 06:43:18 | 研究のこと
3/5(火)の12:30~15:30の予定で、都市基盤学科の卒論生5名の発表会・対話会を実施します。ハイブリッドでの開催で、部分参加も可能ですので、ご興味ありましたら参加いただければと思います。



YNU都市基盤学科の卒業論文で、豊穣な社会研究センターの関連の皆さんに聴いていただいて議論したら面白いものをピックアップして、発表会をしてみることにしました。YNUの教員、豊穣Cの研究者や学外の豊穣Cの連携者たちを招いて聴いてもらい、対話できればと思います(基本、どなたでも参加可能です)。学生一人に発表・質疑・対話で30分ずつは確保できるかと思います。

1. 落合君(細田指導):分野横断・ビジョンドリブン型組織における参画者の意識変容・行動変容について → つな研
2. Yan君(細田指導):混和剤もしくはスラッジ微粉末を用いて製造した造粒ポーラスコンクリートの圧縮強度および透水性の比較 → 元気研

3. 渡さん(比嘉先生指導):社会生態システムを考慮した都市沿岸環境デジタルツインのフレームワーク構築 → もしも×可視化研、つな研

4. 李君(小松先生指導):地震応答解析を活用した建築物の倒壊リスク評価 → もしも×可視化研

5. 小林航汰朗君(比嘉先生指導):日本沿岸における自然共生社会に向けたインフラベストミックスのための地域特性の評価

会場:横浜国立大学の土木工学棟セミナー室を予定(変更になる可能性あり)

オンライン参加はZoomで
トピック: 豊穣な社会研究センター セミナー
ミーティング ID: 838 4255 1766
パスコード: 702778

研究の幅

2024-02-12 14:35:43 | 研究のこと

2月3日の土曜日に、毎年恒例の研究室の冬合宿を実施しました。過去、コロナ禍の時期を除いて、宿泊付きのまさに合宿での開催をしてきましたが、今年は現役学生たちの意向もあり、大学で実施し、宿泊なし、でした。今後、どのような形式で開催するかは、学生やスタッフともよく話していきたいと思います。私は宿泊付きが好きですけど。ちなみに、昨年、2023年2月の冬合宿についてのブログはこちら

今年の冬合宿も、前川先生がフル参加してくださいました。日常の研究室ゼミには参加されないため、特別感があり、M2や4年生の各研究に対する前川先生のコメントからは、私もいろんなことを感じさせていただきました。大変、贅沢な時間ですね。

一つ、感じたことに、「研究の幅」という観点がありました。前川先生のコメントで、研究に取り組む場合は、研究の当事者はどうしても視点が狭くなりがち、というものがありました。工学的な成果を出そうとすると、どうしてもある範囲の条件を設定し、その中で最適な解を見つける、というようなスタンスを取りがちです。あえて両極端の視点を持ってみて、物事の本質に迫る、というようなスタンスを持ちましょう、というようなコメントでした(より広い範囲に適用できる知見、技術であれば、真実に近いのでしょうね)。そうすることができれば、研究すべき課題はたくさん見つかるし、研究テーマに困ることもない。

研究すべきテーマが無くなる研究者が少なくないが、上記のような視点で取り組んでいないからではないか、と前川先生はコメントされました。

私自身も、40代半ばを過ぎるころに、研究者としての自信を失いかけた時期がありました。いろんな理由が複合していたように思いますが、今はその状況は脱し、現時点で研究者として自信がある、ということでは決してなく、研究すべきことがたくさんある、という状況にあると感じています。人間、やるべきことがたくさんあると、元気になります。

前川先生のコメントにあるように、視点を広く持つ、ということは以前から心がけてはいるつもりですが、今はさらに心がけるようにしています。

人との出会いによって、研究テーマが開拓された、という経験も何度もしました。生コン業界の猛者たちとの出会いで、オワコンやイワモルの研究テーマが拓け、このテーマだけでやるべきことがたくさんあります。また、以前から暑中コンクリートの研究をすべき、とは思っていましたが、これも私自身から身近な信頼できる研究者たちに発信したり、様々な周辺状況が折り重なって、一つの大きな動きになっています。豊穣な社会研究センターの設立により、挑戦すべき領域が大きく拡がり、様々な研究にいろんな優秀な方々と取り組める状況になり、逆にその拡がりに驚いている状況です。

私のような凡人で、根っからの研究者ではない人間でも、誠実に努力を重ね、真実に近づこうとし、心を開き、多くの方々と出会い、社会の課題を解決するという強い意思を持ち続ければ、工学の研究者として50歳になっても幅を拡げていける、ということを自分の人生で学びました。

今の私がそのように感じている、というだけで、人生は無常ですから、今後、どのように変化するか分かりません。私自身の状況も、周囲や社会の状況もどうにでも変わり得ると思っています。禅のマインドで、その瞬間瞬間を生きる、ということに尽きるかと思います。


禅、坐禅

2024-02-11 12:39:28 | 人生論

1月30日に、坐禅を始めました。横浜国立大学の豊穣な社会研究センターの部屋(高等研究院の207室)で、つながり方研究所の河野さんに指導してもらって、5分の坐禅をしました。それ以降、自宅や出張先のホテルなどで、一日15分の坐禅を日課にしています。

禅との明確なかかわりは、大愚和尚のYoutube番組の「一問一答」を見たことかと思います。コロナ禍の最中だったか、その少し前だったかと思いますが、たまたま大愚和尚の番組を見て、感銘を受けたり、様々な気付きがありました。たくさんの大愚和尚の動画を見て、悶々としていたこともあった私は、癒されたり、新たな考え方を取り入れたりしました。大愚和尚の本も数冊購入して勉強しました。大愚和尚の考え方は、私にも結構な影響を与えていると感じています。

その後、2023年2月にゼロ・ポイント・フィールドの考え方を知り、つながり方研究所のメンバーと、この考え方についていろいろと議論しました。禅の考え方と通じるところも多く、仏陀の言う「空」はゼロ・ポイント・フィールドのことであろうと私は思います。

ゼロ・ポイント・フィールドについては、2023年7月末にコーチング祭りでの講演の中で村松大輔さんのことを知って、著書を2冊読んで、理解が深まりました。

つながり方研究所の活動を通して、僧侶の島津清彦さんと知り合い、ご本人から著書をプレゼントしていただきました。「心が回復する禅問答」という素敵な本で、何も知らない青年と禅の僧侶との対話形式の本で、大変分かりやすく、読みやすく、禅の本質を理解できたように感じました。この本のおかげで、私の散歩や、毎朝のお弁当作り、毎日の通勤での山登り・山下り(上星川駅と大学間)なども、すべて禅なのだな、と認識することができました。読書も禅。

さらに、つながり方研究所の活動を通じて、浄土真宗の僧侶の新田崇信さんとも友達になり、新田さんは禅の方ではありませんが、禅の話でも盛り上がり、いよいよ潮時?という感じで、坐禅を始めることになりました。

1月26日(金)に福島大学の地域未来デザインセンターを新田さん、つながり方研究所の河野さんらと訪問し、その夜の懇親会で1/30に坐禅をやりましょう、という話になり、冒頭の207室での坐禅につながります。

坐禅を始める前に、鈴木大拙の名著「禅」を読み始め、私の最初の坐禅を指導してくれた河野さんに推薦された、鈴木俊隆の「禅マインド ビギナーズ・マインド」も坐禅を開始した直後から読み始め、鈴木俊隆の説くように坐禅の修業をするように心がけています。

禅や坐禅の極意は長い人生をかけて体得していくものとは思いますが、鈴木俊隆の言うように、坐禅とは「初心を持つ」ことであり、無心になり、空になることであり、坐禅に目的はない、ただ坐禅する、という気持ちで毎日坐しています。

豊穣な社会研究センター長に就任して一週間後に50歳になり、天命のつもりで全力の活動を重ねていますが、このタイミングで初心に戻る坐禅を始めることができたのは、とてもありがたいことだと思っています。

豊穣な社会研究センターでは、ほんとに多様な素晴らしい方々と出会うことができ、楽しいです。センターが創り出すつながりの場は、なるべく多くの方々に活用していただければと願っています。


元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査

2024-02-07 08:09:35 | 研究のこと

2月6日に、高岡市役所から、豊穣Cの元気なインフラ研究所の第1回セミナーを開催しました。テーマは、「挑戦的なローカルモデルの創出と展開」でした。

動画はこちら

登壇者は、玉名市の木下義昭さん、愛知県の宮川洋一さん、豊穣C客員教授の松永昭吾さん、と私でした。私が共同研究をしている高岡市役所の橋梁担当者もパネルディスカッションに登壇いただきました。

私たちの目指すところが伝わったのではないかと思います。これからどんどんと実践を重ねていきますので、ご興味のある方は是非是非コンソーシアムの会員になってください。特に、行政関係で参加にご興味のある場合は、個人で加入するのか、組織で加入するのか、会費はいらないという情報があるが本当なのか、いろいろ気になるかと思いますが、遠慮なくお問い合わせください。

2月6日は、松永さん、木下さんとともに、朝6時に高岡駅前のホテルをレンタカーで出発し、能登の被災地に向かいました。14時までに高岡市役所に戻るという制約条件のため、今回は、穴水まで到達し、そこから能登島の橋梁などをしっかりと調査し、七尾を経由して戻ってきました。

大変な広域での災害である、ということが第一印象でした。家屋の倒壊や損傷も極めて数が多いですが、土砂災害や道路、鉄道、港湾などの被害も甚大で、上水道が機能していないエリアも広範であり、復旧、復興は相当に大変であることが直観的に分かりました。一方で、写真にもあるように、崖崩れの対策を施工してあった箇所ではグラウンドアンカーがきちんと機能しているなど、強靭化対策をしっかりと打ってあったところでは被害が抑えられており、改めて、地域、社会、国土の強靭化が極めて重要であることを認識しました。

元気なインフラの果たす役割とは、

〇 元気なインフラが、豊かで持続可能な社会を支えます。

〇 元気なインフラが、地域や社会の防災・減災力を向上させます。

〇 計画的で適切なインフラ整備が、都市への過剰な集中を緩和し、都市・地方が均衡的に発展できる国へと導きます。

〇 元気なインフラ研究所は、インフラが健全であるための技術、サステイナブルな材料技術、人財育成システムの構築に貢献します。

以下、被災地で撮影した写真です。


穴水の道の駅に。穴水が自衛隊の拠点となっており、災害支援チームなどの最前線の拠点というイメージでした。


家屋が潰れ、車も押しつぶされています。


倒壊した家屋の撤去なども進んでいません。


神社にもお参りいたしました。この神社の被害はそれほど大きくはなかったですが、今回の視察は、かなり多くの寺社が甚大な被害を受けている状況が見られました。


能登長寿大仏もお参り。


長大橋梁では被害が甚大であった、ツインブリッジのと。


PC桁の桁端部の損傷は、これまで見たことのないような損傷形態でした。詳細なコメントは、このブログでは避けますが、このような損傷を防ぐためのもう少し適切な補強筋等の配置が必要に思います。


崖崩れの対策がなされていた箇所は被害が生じていません。強靭化の重要性が一目瞭然です。


七尾の駅前にあるビルに入っている、災害支援のチームの拠点。熊本支援チームの拠点です。
私の教え子の赤間遼太さんが関与しており、このチームの活動を知っていたので、訪問しました。ボランティアの方々が頑張っていました。


元気なインフラ研究所 コンソーシアム セミナー第一弾!

2024-01-26 14:51:43 | 研究のこと

元気なインフラ研究所のコンソーシアム(元気コンソ)のセミナー第一弾を開催します!

どなたでも、事前登録なしで参加できます!

テーマ:挑戦的なローカルモデルの創出と展開

日 時:令和6年2月6日(火)15:00〜17:00
会 場:オンライン(下記のZOOMを使用)

https://us06web.zoom.us/j/84104173153
Zoom ID:841 0417 3153

配 信:富山県高岡市役所会議室


自律分散的な研究活動とイノベーション

2024-01-13 09:55:35 | 研究のこと

「自律分散」というキーワードが一番適しているのかは分かりませんが、私は自分たちの研究プロジェクトのやり方を説明するときによく使うキーワードです。

プロジェクトや組織運営にはいろんなやり方があるのはもちろんです。

私も一つのやり方でやっているわけではありません。私にもいろんな役割があるし、すべての役割がリーダーというわけでももちろんありません。

自律分散的で活発な活動を展開するチームを組織するためには、チームメンバーが共鳴する明確なヴィジョンや目指す方向性があることと、チームに集まるメンバーの能力が高いこと、が必要と思います。もちろん、集まるための手段(今であれば、便利な交通手段やWeb、SNSをフル活用するのは当たり前)や、最初から能力が高くなくてもそのチームの中で能力を養成できること(学生はその好例)なども、もちろん重要です。

豊穣な社会研究センターは、「自律分散」的に運営したいな、とは思っていますが、今のところ、強いリーダーシップによるけん引と、自律分散的な動きが混ざってきている状況です。

豊穣Cの中の、元気なインフラ研究所は、自律分散的な動きが活発なチームであり、これからどんどん進化していくと思います。
特に、元気なインフラ研究所の中のチームである、HAYN隊(ヘイン隊、すなわち変態の集まり)は自律分散の極致かな、と当事者の一人として感じます。逆に、制御しようにも、抑えて留まるような連中が集まってません。。。HAYN隊は、建設材料の技術開発チームですが、得意とするのは、生コン、セメントやコンクリート系の環境負荷低減型の建設材料です。実行力のある生コン会社の社長たち、工場長など、ポンプ会社の社長、学生、地方自治体のエース技術者、コンサルタント、学者、などが自由な組織を形成し、まさに現場から生まれるイノベーションを連発していくチームです。会議も臨機応変、誰と誰がどこで会っているかも勝手ですし、横浜国大の留学生は日常的に静岡県伊豆長岡の生コン工場で実験している。学術論文も発表するし、開発した材料はすぐに社会実装。。。

HAYN隊は一つのモデルと思いますが、このような超自律分散的なチームのエネルギーも活用して、元気なインフラ研究所(長いので、「元気研」)や、豊穣Cをドライブしていきます。

一応、HAYN隊の名前の由来は、「細田(H) 暁(A)と愉快な(Y)仲間たち(N)」から来てます。というわけで、一応のリーダーは私。。。(のはず。。。)

さて、HAYN隊も包含する、元気研のターゲットは、日本中(いや、世界も含む)のインフラであり、私が得意とするのはコンクリートが関係するインフラです。コンクリートのインフラは種類も多く、数も膨大にありますが、インフラを新たに建設するときに、長持ちするように造るための技術やシステムの研究が一つの核です。「山口システム」はその発端であり、私がすでに15年近く関わってきたものであり、この発展や展開もまだまだ続いていきます。

元気研のもう一つの核は、すでにある膨大なインフラの維持管理を良いものにしていくことです。何も課題がなければ放っておいてもよいのですが、とにかく課題だらけ、なのです。特に、地方自治体が管理するインフラの維持管理の問題は、相当に根が深く、手ごわい問題と思いますが、それと格闘していく心強い同志たちが集まってきていますので、私も人生の一部をかけて(ミッションがたくさんあるため)チャレンジを続けたいと思います。

豊穣Cの3つの研究所の1つである、つながり方研究所(つな研)も、自律分散的な運営が向いているチームと認識しており、様々な自律分散的な研究プロジェクトが生まれてきています。今のところ、つな研も私が所長を兼務している状態ではありますが、まずもって、私はつながり方の専門家ではありません。つな研に集う方々はまさに多種多様なプロであり、私も彼らから数多くのことを学ぶことのできる自律分散的なサロンができてきています。

すでに、つな研のつながりの中には、僧侶も二人おられます。私は、お二人ともかなり懇意になりました。まさか、土木工学の研究者と、僧侶が、一緒に研究をすることになどなるとは思っていませんでしたが、今は自然体で仲間がどんどん増えてきています。

つな研では、例えば、次のような研究がスタートしようとしています。

・「和のコーチング」の開発と大学との連携
 コーチング、という仕事があります。つな研は、東京コーチング協会と連携を始めていますが(コーチングの詳しい説明は、Webをどうぞ)、細田の認識は、コーチングという、人の能力を最大限に発揮させるための、伴走者的役割(コーチ)は、社会の様々な場面で必要とされる、というものです。それこそ、私のような大学の教授は、学生の指導もコーチング、企業や行政などに対してもコーチングしているわけです。(コーチングというしっかりした手法を学んだわけではありませんが。)
 そこで、東京コーチング協会に所属するメンバーと、「和のコーチング」プロジェクトを始めようとしています。日本の魅力・ポテンシャルに気づき(もちろん腐りきった日本の課題もしっかりと把握)、日本由来の手法(日本的仏教などもその一つ)もふんだんに取り入れたコーチングというものを開発し、大学で情報発信し、ゆくゆくは横浜国立大学の都市科学部の正式な講義にしたい!と思っています。コーチングって、コーチをする側にも、コーチをされる側にも、いろんな方がなり得ると思っています。母親もコーチだし、少しくすぶっている大学の准教授とかそれこそ教授だってコーチを受ければよいし、大学の学長だってコーチを受けた方がよい場合もある。
 さてさて、どんな展開になりますでしょうか。

・センサーによる心身の活性度等の計測・評価と、それを活用した・・・?
 これも、とりあえず、センサーを4つ購入して、1つで私自身のデータを計測し始めました。いろいろ規定もあるので、まだ詳細は書けませんが、私自身大変魅力を感じています。
 例えば、上記のコーチング。コーチの達人たちはもちろんいますが、彼らのコーチングの本質とは?同じように、カリスマ教師っていますよね。予備校とか大学とかにもいます。とにかく講義が面白い、講演が面白い。聴いていてワクワクする。授ける側と受ける側、どちらもセンサーで計測できます。分析するといろんな情報が出てくるのは当たり前ですが、さてさて、これもどんな展開になりますやら。

他にもつな研では、様々なプレーヤーが、様々な動きを、自律分散的に実践していくことになるでしょう。

豊穣Cの活動は、豊穣Cに所属するメンバーが、センターの外、大学の外の方々と縦横無尽に連携して展開していきますので、ご興味のある方は遠慮なくお問い合わせください。


2023年の振り返り

2023-12-31 12:32:40 | 人生論

2023年の大晦日となりました。このエッセーは浦和の実家で書いております。

まさに世界が激動となり、馬渕睦夫さんによると「2023年に世界の大転換がすでに生じた」とのこと。人類史で少なく見積もっても100年に一度くらいのパラダイムシフトがすでに生じた、ということですから、とんでもない激動になっていくことは確実でしょう。まだ何が起きたか気づいていない方は、ぜひ馬渕さんの著書や動画でフォローしてみてください。

さて、私個人も2023年にはいろいろな出来事があり、まさに全力で駆け抜けてきた感が強いです。ほとんど休日もなく、明らかな休日は数日くらいでした(ある一日は9月19日に大雄山最乗寺に登山・お参り。ある一日は11月4日に友人と筑波山に登山。ある一日は12月29日に昭和記念公園でハーフマラソン)。結局、休日もダイナミックに活動しており、寝転がって過ごす休日はほとんど無かったように思います。

2023年は2月に、田坂広志さんの「死は存在しない」という著書を紹介されて読み、「ゼロ・ポイント・フィールド」という概念を初めて知り、今年の自分の転換の一つの大きなきっかけとなりました。その後、田坂さんの著書や動画をフォローし、7月末には東京コーチング協会のコーチング祭りという三島でのイベントにゲストで呼んでもらって、そこでのコーチングの達人たちの講演の中で村松大輔さんのことを知り、2冊ほど著書を読んで、「ゼロ・ポイント・フィールド」や量子力学の世界の概念について、認識を深めることとなりました。ブッダの世界観と量子力学の世界には共通点も多いように思われ、ある意味で、宗教と科学の融和、という壮大なテーマなのかもしれません。

仏教にも多大な興味があり、多くの著書や動画などを勉強していますが、ゼロ・ポイント・フィールドとの出会いは、私の今後の人生にも大きな影響を与える出来事、きっかけでした。

2月には、ドテラのアロマオイルを始めました。友人に勧められ、始めましたが、すっかりはまってしまいました。10ヵ月以上経過しましたが、睡眠前・中の寝室でのディフーザー、風呂上がりや日常の顔・肌のケア、香水もやめてドテラのオイル、洗濯の洗剤、衣類や靴のスプレー、などすべてドテラの製品に切り替えました。自分でオイルをブレンドしたりしており、これも私の人生に大きな転換をもたらしました。

ついでに食生活について。2022年4月6日から断酒し、そのままずっと継続していますが、飲みたいとは全く思わず、すでに1年9ヵ月。主食は白米を大幅に増やすことにし、食事メソッドは、柏原ゆきよさんのメソッドに従っています。白米を相当な量、食べるメソッドですが、非常に健康で、以前は肌荒れもかなりあったのですが、肌の調子も極めてよいです。体重は63kgくらいをほぼずっとキープで、引き締まっています。

そして、2023年4月から、豊穣な社会研究センターが設立され、センター長としての業務が始まりました。普通の大学教授と兼務ですので、忙しくなるのは当たり前なのでしょうが、まあそれにしても忙しいこと。3つの研究所(元気なインフラ研究所、もしも×可視化研究所、つながり方研究所)を抱えるセンターの長として、まともな研究センターとして機能させるためには、ありとあらゆる努力を実践する必要があり、まさに全力でやってきたと思います。センターが今後、どのような展開を見せるかは、乞うご期待、です。

豊穣Cで活動をともにする同志たちとも出会うことができ、私にとっても新しいチャレンジが続きますが、私の50代を捧げるチャレンジとなるでしょうから、やりがいも大きく、使命感に燃えている状況です。

2022年度から職務としている、留学生プログラムのディレクター職も2年目となりましたが、比較的順調に推移しており、文科省の奨学金プログラムの継続審査も無事に合格し、ディレクターの責務を果たしてホッとしています。

4月に50歳になりましたが、まさに体力勝負。膨大な業務を元気にこなし続けるためにも、とにかく心身の健康がすべてといって過言ではありません。幸いに、メンタル面がへたることもなく、身体面では7月に股関節痛が発生しましたが短期で回復し、3回の海外出張(ベトナム+シンガポール、パキスタン、ウズベキスタン)も無事にこなすことができました。半月後の1月には久しぶりのヨーロッパ出張でイタリアに行く予定です。

心身の健康を維持するため、まさにありとあらゆる努力と修業を重ねている状況で、毎朝の体操+柔軟体操、2週間に一度のカイロプラクティク、ほぼ毎週のスーパー銭湯でのサウナとリンパドレナージュ、日々のウォーキング(通勤での上星川駅からの山登り+下り)、毎朝の娘たちのお弁当作りなど、習慣が仕事のパフォーマンスを支えています。

運動も基本は日々のウォーキングとなりました。一番手軽だし、体への負荷も小さいし、とにかく散歩は楽しい。3月から12月の10ヵ月は、すべて月間平均で10000歩以上/月を達成。特に、10月は13,236歩/月、11月は13,933歩/月と頑張りました。また、一日10000歩以上の連続日数記録も77日(9月16日~12月1日)という自己新記録を作りました。歩く、という行為と様々な記録をつなぎ合わせて、趣味にしてしまいました。

年末も基本的には1月8日締め切りのJCI(日本コンクリート工学会)の投稿論文の添削。8本程度の投稿となりそうで、空いている時間はとにかく添削。

そのまま年始に突入しそうですが、突っ走れる間は走り続けようと思っています。

2024年も心身の不調がなければ、同じように走り続けると思いますが、ご一緒いただく方々にはお世話になると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

数年以内くらいに、3ヶ月程度の海外滞在を考えています。居心地の良い国(例えばベトナム)に拠点を置いて、心身のリラックスと、研究・執筆活動などに専念する充電期間です。それを夢見て、走り続けようと思います。。。




豊穣C、元気なインフラ研究所のコンソーシアム設立! 会員募集しています。

2023-12-31 12:00:21 | 研究のこと

私がセンター長を務めております、豊穣な社会研究センターの中にある3つの研究所の一つ、「元気なインフラ研究所」のコンソーシアムが設立されました。

元気なインフラ研究所の目指す方向性は、上記のリンクでもすでに発信しています。

コンソーシアムがどのようなものなのか、4分程度で分かる動画も公開しています。

コンソーシアムの規約はこちら

2023年度は会費は無しです。会員資格は各年度の年度末までで、新年度になると更新の手続きが必要となります。2024年度以降は、基本は年会費5万円(1法人ごと)。会費を請求しない場合(例えば行政機関など)もあるので、センター長の細田にお問い合わせください。

コンソーシアムへの参加申込書も、ワードで一枚ですので、お気軽にお問い合わせください(ims-hojyo@ynu.ac.jp まで)。申込書の提出先も、同じメールアドレスで大丈夫です(ims-hojyo@ynu.ac.jp)。

2023年度中に少なくとも1つ、できれば2つ、コンソーシアムのイベントを開催する見込みです。

初回は、おそらく2024年2月6日午後に開催予定で、発信は富山県の高岡市から。オンラインで視聴できるようにする予定です。テーマは「地方自治体のインフラの維持管理を元気に!」という感じ。

熊本県玉名市の素晴らしい橋梁維持管理と、これからスタートする富山県高岡市の橋梁維持管理のスマート化(細田がアドバイザー)のコラボとなります。玉名市の木下義昭課長補佐(博士(工学))とそのブレーンの松永昭吾さん(横浜国立大学客員教授、もちろん豊穣Cの重要メンバー)と、細田とで高岡市に応援に駆け付け、その場で元気なインフラ研究所のコンソーシアムの初回イベントをやっちゃいます。

コンソーシアムの会員になれば、公開セミナー以外の情報もどんどん入ってくるようになると思いますし、コンソーシアムの中で立ち上がる共同研究や、コンサルティングなども利用しやすくなりますので、「開かれた大学」のモデルとして、フル活用していただければと思います。

インフラはもちろん橋梁だけに限りません。人々の暮らしを支える様々なインフラが元気になるように、そしてインフラに関わる人々も元気になるように、できることは何でもやろうと思います。

維持管理はもちろん、新設インフラの品質確保・長寿命化や、将来のインフラに活用する建設材料の技術開発、維持管理に活用する材料・技術の開発、インフラに関する制度やシステムの研究、そして人材育成のための活動などなど、ガンガンやっていこうと思いますので、ぜひぜひ仲間になってください!