▼ 東アジアと白人の国での研究
2023年に、中国、韓国、日本の大学が共同で、潰瘍性大腸炎/クローン病の患者の遺伝子を解析しました。3か国の人々は、遺伝的によく似ています。
データ数は、3か国合計で、潰瘍性大腸炎が6832人、クローン病は7372人の合計1万4393人。比率的に潰瘍性大腸炎の患者数データが少ないのは、同数に近づけようとした結果か。
遺伝子情報は、約2メートルの目に見えないほどの細さのヒモのあちらこちらに分散しています。
このふたつの病気がある患者らは、腸で炎症を起こしているとされる特別な遺伝子が、やはりあちらこちらに80か所ありました。
欧米でも、約3万人を対象に同じような研究がありました。
結論的には、アジア3か国と白人で、合計320か所に炎症を起こす特別な遺伝子の部位がありました。3か国のアジア人に特有だったのは、80か所。
白人特有の遺伝子部位と、どちらにも共通する部位の数は、記載されていませんでした。
▼ 今後
研究の成果は、今後、次につながる可能性があります。
日本人を含めたアジア人患者特有の治療法
誰がこの病気になりやすいのか、あるいはなりにくいのかがわかる
▼ 親から子へは受け継がれない
免疫の異常は、本来はウイルスや細菌などの病原体から身を守るために働く免疫機能が、何らかの原因によって過剰に働いてしまうことで起こります。
遺伝的な素因では、潰瘍性大腸炎を発症しやすい遺伝子の型があることが分かってきています。
「ただし、親から子へと受け継がれる遺伝性疾患というわけではありません」(岡本氏)。
https://www.ncgm.go.jp/pressrelease/2023/files/20230510.pdf