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■人間は考えるアシである
フランスの思想家、ブレーズ・パスカルは、「人間は、自然のなかで最も弱い一本の葦(アシ:イネ科ヨシ属の多年草)にすぎない。だが、それは考える葦である」と言いました。広大な宇宙に比べれば人間は非力ですが、宇宙を包み込むほどの偉大な思考力を持っているのだと説いた言葉です。

玉川大学文学部教授の野田雄二氏は、パスカルの名言をもじって、著書『足の裏からみた体』の第1章を「人間は考えるアシである」と名づけました。野田教授によれば、足裏の土踏まずは心身の健全な発育において重要であり、裸足によって形成が促進されるとのこと。

そして、足を鍛えることは脳の活性化にもつながるのだそう。足と脳は大いに関係しているようですね。

■足を動かすと脳全体が活性化
医療法人西川歯科理事長・西川岳儀氏が著した『人生が変わる!足指スローストレッチ』には、足をよく動かす運動をすると、脳全体の血流量が増え、思考系が活発になると書かれています。

カナダの脳外科医・ペンフィールド氏が作った「脳の中の地図」によると、頭頂葉の近く、左右の大脳間の溝には「内側部」という部位が折りたたまれており、その内側部に足を動かす機能があるのだとか。足を動かすと、頭頂葉のあたりまで血液がくみ上げられ、運動野の足の領域が刺激されるそう。 そして、頭頂葉に血液が至る過程で、ほかの部位の血流も増えるため、脳全体が活性化するとのことです。

■足や腰のマッサージで思考系脳番地を鍛える
株式会社脳の学校の代表取締役で医学博士である加藤俊徳氏の著書『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』によると、前頭葉には「思考系脳番地」があります。思考系脳番地には、「こうなりたい」と強く望んだり、集中力を強化したりする機能が集まっているのだそうです。

思考系脳番地を鍛えて脳の負担を減らし、集中力を高めるには、足や腰のつぼマッサージが役に立つそうですよ。

■脳の運動系を刺激して意欲を高める
脳神経外科専門医で、北品川クリニック・予防医学センター所長の築山節氏は、意欲を高めるために、脳の運動系を刺激する習慣を持つよう勧めています。脳の運動系を刺激する習慣とは、たとえば以下のようなもの。

ウォーキング
部屋の片づけ
あいさつにひと言つけ加える
音読
築山氏によると、足を動かす機能は頭頂部に近い脳の部分が担っています。ウォーキングをすると血液が脳の高いところまでくみ上げられ、脳全体の血流がよくなるのだそうです。

足を動かすと脳全体が活性化するというのは、西川岳儀氏が著書で述べたことにも共通しますね。さらに築山氏は、しゃべる、歩く、手を使うといった単純で大雑把な行動が、脳に刺激を与え、やる気を高めると強調しています。

■密かに「デスク下の足」で思考力を高める方法
足を動かすことで、脳の運動系が刺激され、血流がよくなり、思考力・意欲・集中力が高まることがわかりましたね。けれど、「頭がぼんやりしてきたからウォーキングして脳を活性化させたいけれど、勤務時間中にデスクを離れるわけには……」という場合はどうすればよいのでしょう?

慶応義塾大学病院整形外科・専任講師の須田康文氏は、足の指を伸ばし、不調の予防につなげる方法として、以下の手段を挙げています。

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足指じゃんけん
5本指ソックスを履く
1日数時間でも裸足で過ごす
靴は自分の足に合ったものを選ぶ
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このなかで、いつでもどこでもできるのは「足指じゃんけん」。足の指でグー・チョキ・パーをつくるだけです。仕事中のデスク下でも、こっそり靴を脱ぐことができれば可能なはず。靴下を脱げるのであれば、より効果的です。
また、足つぼのマッサージも集中力アップにつながるので、密かに「足つぼマッサージグッズ」を足元に置き、活用するのもいいでしょう。もちろん「足首を回す」「振る」なども有効です。