今の世のトウリの実・し | ラテックスは妄想中

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暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

今の時代だからだろうか

 

過去に例がないくらい

受講生が増えた専門教科

 

生徒の嗜好性を計る

人気教科のランキングにも

 

心理学…と名のつく教科

が軒並み

チャートINしていて

 

うちの老教授の講義も

そのうちの一つ

教育心理学

 

教員免許を受ける生徒向けの

所定科目であるがゆえに

元々

一定数の受講生だった教科なのだが

 

折角なら資格取って卒業するか

って生徒増で

 

二種で42単位

一種で56単位

必要とされる教員免許を

はなから

攻略目的とする

傾向にあって

 

単位数を早くから稼ぐ目的か

一年は年々

増加しており

 

教壇に立つ

仲間を育てる学びの場が

活気付いてる

現場の一部は期待する

実質

教員を目指す生徒数が

増えてるわけではない

現状

…は 今も昔も変わらず

で…

 

少しでも魅力ある講義にすべく

船頭となる講師には

教頭クラスの教員経験ある人材

のみならず

ユーモアを持ち合わせ

解釈に偏りの少ない

感性を持ちえた人物が

望ましい

と 言う事で

魅力的な授業構成

求められて

 

外部からの客員教授…となった

今期

 

講師の候補条件に

該当しない自分が

当然 教授の代打にって話

来るわけがないのだ

そもそも教育者だの

心理を解く立場だのを

目指して

助手になった

訳ではない

これまで通り

 

客員教授を補佐し

講義室のオブジェと化している

今の立ち位置に

異存はない

 

そう

遺恨などなかった

 

…はず…

 

ここ最近

軽く

モヤモヤが派生してきている

 

そもそも

研究員になる気も

教育者も目指していない

自分が

学びの場である

構内に残り

助手をしていたのは

 

否定も意見もしない

老教授の存在があったからで

 

生徒との雑談でも

 

先人の言葉を

分かりやすく現代語訳し

 

解説を交えて語る

その言葉を

チョイスするタイミングが

絶妙で

 

思い込みを諭す切っ掛けになったり

 

気持ちの凝りを解す

カイロプラクティック的な

施術になったり

 

ハッとするような気付きを

与えてくれたから

 

分岐を迎える度に

意見を聞きたい

頼りたい

…的な欲求が

募って

 

自分の将来

よく考えないままに

突っ走って

現状…な訳で

 

だから

 

老教授の不在は

 

年齢的にも

必ず来る

腹を決めとくべき状況

にも拘らず

辞めたわけではない

 

病気治療での養生期間

って事で

 

最初こそ

老教授の留守を守ると

豪語し

 

忙しさを理由に

つい

避けてた

 

老教授の復帰が見込めない

場合の

研究室継続に向けて…

的 話し合い

のタイミング

 

相談する相手の一人でもある

老教授の甥のマモルさんも

居ることだし…

 

とか考える

 

けど

 

老教授の復帰を

何よりも望んでいる意識が

 

ストップをかけ

思考を切り替える

 

本を開いて

文字を追って

物語に没入する

感覚に似た

 

老教授の語る

先人の教えの解説を

 

自分なりの解釈で

腑に落とした

 

”あるがまま”

 

って考えで

すべての現象に

流されようと 試みる

 

そろそろ

肩の力を抜いて

心を平安に保つ

おまじないとしては

 

効力が 弱まりつつあって

 

以前ほど

開き直れない自分が

燻ぶってるの

 

…昔もそうだった…

 

変化を恐れ

現状を維持したかった

学生当時

 

どうやって居座ったものかと

老教授に相談した結果

 

「助手でもやってみる?」

 

簡単に居場所を作ってくれた

恩師

 

これまで通り

相談に乗って欲しい

って

甘えを抱きつつ

 

…お見舞い…行くか

…行ってもいいよな?

 

本当は

来てはいけないと

指示されてる

けど

世間体を口実に

 

老教授のスケジュール

オペの日程など

家族に

尋ねるべき質問を

箇条書きでまとめつつ

 

老教授の作成した

講義スケジュール通りに

 

客員教授に渡す

資料の作成を急いだ

 

 

   つづく