ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

拉致問題・ 専門家諸氏の意見 - 2

2024-03-28 12:43:15 | 徒然の記

 本日は、朝鮮政治の専門家・慶應大学礒崎教授の意見を紹介します。「ねこ庭」で考える専門家と、ネット界での専門家が同じ意味でないことを知る驚き・・まずそこから始めようと思います。

  ・専門家とは相手の言い分を全て肯定し、どうすれば相手の気分を害させずに対応するかを提案する人物のこと

 ネット界での意味がこう言うことなら、松原氏と礒崎氏は同じ仲間です。しかし「ねこ庭」で考える専門家の定義は違います。

  ・専門家とは相手の長所・短所を熟知し、いかに有利な回答を引き出すかを提案できる人物のこと

 犯罪者の勝手な言い分を聞き、被害者に我慢をさせる提案しかできない人物が果たして専門家と言えるのでしょうか。国民から言論の自由を奪い、自国の現状を他国へ漏らすことを禁止している北朝鮮は、中国と同じ秘密国家です。自分のことは何も知らせず、他国の情報をしこたま欲しがるのが独裁国家ですから、この動画も彼らは間違い無く見ています。

 朝鮮の専門家ならば両氏はこのことを知っていますから、いわば動画での発言は彼らが送る北朝鮮ヘのシグナルではないのでしょうか。事前に、日本の手の内を教えていることになるではないかと、むしろ「ねこ庭」では危惧します。 

  ・北朝鮮は難しい相手です。トランプ大統領が非核化を掲げて、3回会ったけれどうまくいかなかった。やはり核実験に反対していた習近平国家主席も、5回会ったが、別に北は核を放棄する訳ではない。

 氏はこのように言い、首脳会談を模索する岸田首相へ過大な期待をしないように提案します。

  ・岸田総理が20年ぶりに日朝首脳会談を実現しようとすると、国民の期待感は高まりますよ。とにかくあれもこれもと、満額回答を期待しますけれども、これまでの政権ができなかったことを、北朝鮮と向き合ってするのであれば、国民が理解を示していくことが必要であると思います。

 以上「ねこ庭」の意見を先に述べましたので、以下礒崎氏の意見をコメントなしで紹介します。(「~する訳」という言葉を多用し切れ目なく喋るため、氏の意見は焦点が定まらない時がありますので、「ねこ庭」で編集しています。)

 「 2. 磯崎敦仁氏の意見 」

  ・私は、蓮池さんがおっしゃったことと非常に近い考えを持っております。

  ・日本に対するメッセージの出し方は、変わってきている訳ですけれども、その背景にはやはり短期的には、日米韓が安全保障上の関係を深めていく中で、ここに楔を打ちたいという思いがあるとは思いますが、そう簡単に日米韓が揺らぐものではない。

  ・そのくらいのことは北朝鮮も分かっている。ですからもう少し中長期的なところ、現在のワシントンは「もしトラ」でなく「ほぼトラ」になっている訳ですよね。トランプ大統領の再選可能性を、みんなが語っています。

  ・北朝鮮もそれを見据えている訳で、米朝交渉もいつかは再開させないと、制裁も解除されないままである訳です。ただ北朝鮮が自ら譲歩する訳ではなく、トランプ氏が大統領になったとしても、アメリカの変化を待つことに変わりはない。

  ・しかしその時にはやはり、日本が重要になってくる訳ですよ。日本は米朝関係を促進させる要因にはならないけれども、米朝が接近しようとした時、邪魔をする、妨害をするということはできます。

  ・安倍政権の時には、トランプ大統領がシンガポールで米朝会談をしようとして、直前になってそれをやめようとした時、安倍総理が賛成した訳ですよ。つまり米朝会談が実現しないことに賛成した。そういう妨害をしないで欲しいということですよ。

  ・日朝が国交を回復するということは、もう遠い先の話になっている訳ですが、その遥かに手前のこととして、最低限日朝関係を改善しておかないと、また邪魔をされるかもしれないという短期的・中長期的な考えがあって、とりあえず日本に対し高いハードルのボールを投げてきたということですね。

  ・今回2月15日に金与正氏が、日本に対し初めて談話を出してきた訳ですけれど、拉致は解決済みという従来からのスタンスは守りながらも、談話の末尾に何が書かれてるいかと言うと、しつこく、これは私の個人的な見解であると書いてある訳ですよね。

  ・談話とか金与正氏のメッセージとかで、北朝鮮の姿勢が変わることはあり得ないですよ。トップとトップがあって、日朝首脳会談が成立してこそ変わり得るかもね・・という程度のことを示唆している。

  ・日朝首脳会談が成立するのだとしても、相当ハードルの高いボールを投げて来ている。拉致問題を解決済みとしてままで日本が乗れないことを、北朝鮮は十分知った上でこの話を出していると思います。

  ・日米韓でやるべき問題と、日本が独自に動かなければならない問題があって、拉致問題、日本人の生命と安全にかかわる問題に関しては、日本政府が独自に動くしかない訳ですよ。

  ・2018年の6月にシンガポールで米朝首脳会談の前に、トランプ大統領は北朝鮮に拘束されていたアメリカ人を取り戻している訳ですね。安倍総理はトランプ大統領を通じて、金正恩氏に日本側の懸念を伝えている訳だけれども、アメリカの大統領が日本人の拉致被害者たちを取り戻してくれる訳ではない。

  ・ですからこれは日本が動くしかない。そのための首脳会談をするタイミング、これまで日本が模索しても中々無かった訳ですけれども、久しぶりに本気で模索するタイミング来たように思います。

  ・北朝鮮の今回のシグナル、昨年5月のパク・サンギル外務次官、1月の金正恩氏の見舞い電、そして2月の与正氏のメッセージと3つ続いた訳です。与正氏のメッセージでは、北朝鮮の首脳部として今回の日朝接触、日朝首脳会談に対する具体的構想を持っている訳ではないことも言っている。

  ・ですから北は、ボールを投げているだけなんです。日本にボールを投げたところで、北は失うものがない。とにかく北は、日本に譲歩を迫る。

  ・日本が相当程度の覚悟を決めて、北朝鮮と譲歩をして、今の北朝鮮と岸田総理が会うのであれば考えましょうかと、こう言う内容のメッセージですよ。

  ・メッセージの出し方は変えているが、拉致問題は解決済みという姿勢は変えていない、動かしていない訳です。ただこれを動かさなければ意味がないと、日本では考えられている訳です。それを知った上でメッセージを出している訳ですから、かなり難しいですね。

  ・これまで「ストックホルム合意」があった訳ですから、民主党政権下でも、自民党政権下でも、日本はずっと北朝鮮に説明をし続けて来た、北の矛盾を突いて来たところである訳ですよ。

  ・問題は、金正恩氏が政権を発足してから13年目に入って、最近氏が父親やお爺さんが作って来た政策を否定しているところが目立つ訳ですよ。

  ・お爺さんの金日成が1980年代に掲げた「南北連邦制による統一」を、真っ向から否定している。金日成の業績を讃えて父親の金正日が建てた記念塔も、爆破して失くしたり、3年ほど前には、韓国から外貨を引き出す装置だった金剛山観光事業を止めさせたりしている。

  ・お爺さんや父親の名前は出さないけれども、先代のやって来たことを明確に否定するという姿が目立っている。金正恩氏は、先月2月16日の金正日国務委員長の誕生日も、今年と昨年は参拝にすら行っていない。

  ・だから、拉致問題は貴方自身がやったことではないでしょう、ということは言い出せる訳ですよね。昔の過ちを正して、新しい未来を作ろうというメッセージを投げられるかどうか・・・というところですね。

 

 これまで何度か紹介していますが、今回は何を語るのか。次回は、三人目の専門家の意見を紹介します。 

   「 3. 蓮池薫氏の意見 」 」

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 拉致問題・ 専門家諸氏の意見 | トップ | 拉致問題・ 専門家諸氏の意見... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徒然の記」カテゴリの最新記事