火葬の日の朝、葬儀屋さんに集まって、お棺に花を入れた。
パステルカラーの優しく華やかな色合いの花々に囲まれて、本当に義母は美しく見えた。
ちけも、ちゃらこやえいぼーが花を持たせて、一緒に入れさせてくれた。
寝たきりのおばあちゃんも、車椅子に乗りながら、男たちがお棺の中が見えるところまで持ち上げて、花を一緒に入れることが出来た。
義母の家にいるときは、あまり周りを把握出来なくて、私のことも義妹と間違えて呼んだりしていたおばあちゃんが、しきりと義母の名前を呼んでいて、みんなの涙を誘った。
喪主は、長男であるダンナだけれど、自然と元夫であるじっちゃんが儀式の先頭に立てるよう、みんなが誘導していた。
何かと感情的に取り乱しがちなじっちゃんは、いつも子どもたちから心配されていて、義母の重病が分かった時も、入院した時も、同居の私に、お父さんにどう知らせるか?知らせたか?といつも尋ねてきたくらいだ。
そのじっちゃんも、落ち着き払って、義母への温かな思いの中で儀式を進行していた。
ずっと女手ひとつで育ててくれた母親の死が悲しくないはずがないのに、病院での看取り前の時間が長かったこともあってか、義きょうだいたちも落ち着いて心を込めた儀式を行っていた。
義母が、笑って送って欲しいと思っていて、その思いがみんなに伝わったのかなと思うほど、不思議と一般の葬儀のように泣き崩れる者は一人もいなかった。
もちろん、各々、一人になった時には涙を流していたに違いないけれど。
続く。