2024年05月17日
557.アームド&ゴーレム
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Armed Emeth」のレビューです。
本作はHit-Point製のKemcoゲーですが、総合的に見てグラフィック全振りゲーでした。
いやね、一風変わった世界観や、それに則った戦闘システムなど光るものは感じられ、そこはかとなく、なんとなぁ〜く漂うワイルドアームズ感やゼノギアス感は正直悪くはなかったんですよ。ちゃんと戦闘は面白かったし。
ただし、シナリオが、ね、良くないんですよね。
ゲーム制作に本格的にかかる前に作ったと思われる世界観設定はよく出来てるんだろうなと思います。頑張った感じはしました。ただ、それをゲームに落とし込み、ストーリーや表現として描き起こすライターの腕が、今回は及ばなかったように思います。そのせいで作り込まれた世界観の魅力を引き出しきれず、イマイチ没入できない雰囲気ゲーに成り下がったのかなと。
今作はその独特な世界観ゆえ、開幕から「ルシがパージでエボンジュ」をぶっ放してきます。後の展開で少しずつルシが何でパージが何なのか明らかにはなってくるのですが、一度セリフ内でさらりと解説されたらあとはもう投げっぱなし、すでに十分理解しているものとして物語が進んでいくんですよね。
理解したからといってそれで更に物語に深みが出て面白くなるわけでもないので流してもいいのですが……。
問題は、というか本作で私が最も苦戦したのはそんなスタンスの中で、作中に五人か六人くらい出てくる女性の扱いです。既に人数からして怪しい(笑)
たしか、アンナ、マイア、マリア、ミリア、ステラ…だったかな。
この五人は登場機会というのが最序盤か最終盤に限定されていて、その人物像やエピソードを記憶に刻むチャンスがほぼありません。そのくせ、物語ではかなりの重要人物として主人公たちの口から彼女たちについて度々語られます。
厄介なのはこの五人の女性は、この女性同士、と同時に主人公たちとも相関関係を持っており、まるで海外ミステリばりの複雑な血縁関係にあるのです。
登場人物の半数はみんなファミリー説まであるので誰がどの妹で嫁で娘なんだか非常に混乱する上に、名前が皆似た響きなのが混沌(カオス)に拍車を掛けていました。
結局、道中主人公たちがそれぞれの想い人のために熱くなるシーンでも、その人がどんな人なのかイメージできず(説明はされたはずだけど)、またエンディングを迎えても今いるこの人がどの立ち位置なのか理解できておらず、ただ憮然と眺めているだけでしたね。
これがHit-Pointの味とでもいうのか、淡白でぶつ切りなセリフ回しなんですけど、今作はその中でも文字数は多い方でありながら、このセリフ、この情報が後に続いていかないぶつ切り感を醸していて(理屈で説明するのはとっても難しい)、引っかかるんですよね。
街にいるMOBすなわち世界観を表現する役しかないNPCたちというのは非常にメタな存在となっていて、世界観を「説明」するか、その世界観のテーマとなる哲学的な内容に踏み込むと非常に「説教」臭くなるんですよね。
どっちか片側に寄り切った極端な世界なので、そらぁ書き手としちゃあ説教しやすいでしょうよ。
で、こういう物語に落としきれない世界観の設定や補足、あるいはライターのエゴに基づいた説教を披露するときはだいたい饒舌になり、たかがMOBのくせに何度もページ送りしないと放してくれないクドさに繋がっています。
とにかくクドくてうるさかったです。
うるさいくせにその会話単独で完結しちゃってるから、ゲームに滑らかさが無いのかもですね。
世界観はよく作っただろうし、グラフィックはもちろん良い。ゲームとしても面白さはあったけれども、これら事前に作り込んだ部分で、それをそのまま仕様書通りに作ればいいシステム面とは裏腹に、その人の経験値や技術がもろに出てくるシナリオ面では、材料をだいぶ無駄にしてしまったと感じました。
あっ、思い出した。
今作のダンジョンのBGMはバグだろ? そう言ってくれ。
三秒くらいのフレーズが無限ループするこのBGMは、使うシチュエーション間違ってない? これギャグパートで使うやつだろ? ダンジョン内だけならまだしも、敵要塞とか、そこでのド・シリアスなシーンでも常にこれが垂れ流されていて、この仕様一つで演出のクオリティがガッタガタ。脳が腐るかと思いました。
2024年05月10日
556.Sniper Elite 3
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「スナイパーエリート3」のレビューです。
昔GwGで無料配信された360のスナエリ2をきっかけに本作を知り、好きになり、その外伝作としてゾンビアーミーシリーズに夢中になったんでしたっけね。
架空のナチスと戦う狙撃兵のお話で、重力や風の影響を考えながら、長距離から狙撃するロマンにフォーカスした、スナイプゲーの先駆けとも言えるシリーズ作です。
壊れた発電機や上空を横切る戦闘機の爆音に紛れて狙撃音を消すのが本作ならではの醍醐味ですね。
毎度おなじみKemcoのヌルゲーに飽きてきたので刺激を求めて本作を起動したわけですが……いやムズすぎでしょ(笑)
マップの入り組み具合が半端なく、初見はマジで迷路。双眼鏡でスポットしないと本当に敵兵が見えなく、そんな中でコレクティブルもかなりわかりづらいので、攻略初期はだいぶ胃を痛めましたね。
また、予習・探索中は難易度を最低で遊ぶので、本シリーズならではの面白さも見えてこず、ひたすら「これじゃない」感を感じていました。
スナイパー無双とでもいうか、ゾンビアーミーの方が楽しかったなぁと感じてしまうほど。
ただし、コレクティブルを集めきり、敵配置やマップの構成などある程度の予習を済ませた後の本番、つまり難易度スナイパーエリートやオーセンティック攻略に移ると、あの頃夢中になったスナエリシリーズの興奮を再び思い出したのでした。
スナイパーエリートも難しかったですが、HUDが消えスポットもできず、セーブすらできないオーセンティックはべらぼうに難しかったです。
初見攻略時に最も難しいと感じたミッション7を最初に挑戦したのですが、ウォークスルー動画を参考にしつつ自分なりにアレンジも加え、やっとこクリアに漕ぎつけたのは五時間後でした……。
なんでクリアしちゃうのよ、ここで躓いとけばこの実績はきれいさっぱり諦められるのに(笑)
というわけで次にラストミッションに挑戦し、こちらも三時間くらいかけてようやくクリア。
その他のミッションも平均二時間くらいかけてへろへろになりながらクリアしていきました。見つかったら即死というわけではなく、敵の侵攻ルートを絞れる効果的な籠り場所なんかを見つけられれば、ライフルやサブマシンガンの乱射などで無双できるのも助かりましたね。
また、本作は一本道ゲーだった前作とは差別化を図り、広大なオープンマップでのミッションとなります。ある程度攻略ルートは限られますが、広いマップを活かして超長距離から強引に狙撃したり、クリア済のエリアまでひたすら逃げて警戒を切ったり、あるいは増援の敵や戦車を、ミッション更新する前にそのルート上にトラップを仕掛けておいて出オチさせるなど、本作ならではの攻略法もありました。
ただ、前作でもそうだったと思うんですけど、敵の挙動やマップの作り込みは詰めが甘く、予期しない行動を取ったり、マップにはまったり、障害物を貫通してこちらを発見したり、あまつさえ弾やグレネードが届いたり、逆にこちらは見えない壁や鋼鉄よりも硬い木の葉に防がれたり……。
爽快感とストレスのメリハリが非常にきつく、難易度が高いほど熱くなれましたが、すげぇしんどかったです。そもそもが難しいゲームなので、クリアの達成感は本シリーズの大きな魅力ですね。
マルチ必須の実績は三つかな。これはもう仕方ない。スナエリ3はもとは360の作品で、しかも現在は5まで出てるので野良はまったくいません。
というか。
本作は日本ストアには置いてないのでお察しですね。もちろん全て英語です。
ヌルゲーの世界に戻りま〜す。
2024年05月04日
555.アルファディア ジェネシス 2
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「AlphadhiA Genesis 2」のレビューです。
アルファディアの悪夢再び……かと思いきや、今作はまぁまぁ楽しめました。
やっぱり前作の評価は散々だったのかな、シナリオにはだいぶ力を入れた様子でした。本作は世界を席巻する白のエナジ勢力と、虐げられる黒のエナジ勢力の反乱の様子が描かれており、主人公は反乱軍側です。
主人公が白勢力である帝国軍に虐殺の憂き目に遭う場面から始まり、小さな村を回って戦力を募り、反乱軍のリーダーとして黒の軍団を率い、帝国軍に刃を向ける戦記物となっており、思わぬスケールの大きさにしぶしぶながらも(笑)興味は惹かれていきました。
同時に一枚岩ではない帝国軍サイドの様子もイベントとして度々描かれ、特にそちら側の人間模様が意外なほど面白かったですね。
深謀遠慮と威厳にちゃーんと満ちた皇帝はラスボスとして相応しい風格を持っていたし、その皇帝に忠誠を誓う腹心たちもちゃんとその役に相応しい人間力を持っていました。これを描けるのは素直に感心しますが、私は見逃しませんよ。スタッフロールにシナリオアシスタント役職の欄があることを。
本命のシナリオライターは前作と同じ人なので、第三者視点でアドバイスができる人に、骨を折ってもらったんでしょうね……。知らんけど。
いや、それでも偉い。ちゃんと進歩した面白いストーリーでした。
が。
全部が全部面白かったかというと、実はそんなことあるわけないんですよね。
マクロ視点(大きな視点)での戦況や戦局、帝国側の人間模様の描写など群像劇は面白かったのですが、対して反乱軍側、主人公サイドの状況や、ミクロ視点でのより細部に拠った個人とのエピソードなどに関してはツッコミどころが多すぎて、腹を抱えて笑ったほどでした。
本人たちはあくまで真面目にやってんですけどね。
例を挙げると、最序盤。
燃えて崩壊寸前の家に突入し、父親を助けようと駆け寄る主人公。辛うじて息のあった父親はそんな息子を見るなりこう言います。
「馬鹿野郎、お前、なぜ戻ってきた。このままではお前まで焼け死ぬぞ。早く逃げるんだ」
本作もまた声優を起用しているので、フルボイスとは言えずとも、ここぞといったイベントシーンで、声優が感情たっぷりに演技してくれるのは、かなり受け取れる印象が違います。失礼ながら知らない人たちばかりとはいえ変な棒読みなど皆無で、ちゃんと引き込まれるものがあるんですよね。
なのでこのシーンも大変感動的なシーンではあるのですが……。
ま、ネタバレしてしまうと、主人公は外でドンパチしていた際に、不意に誰かが自分を呼ぶ声を聞くんですよね。そしてその声の正体が父であり、目の前の燃える家から聞こえてきた。
だから思わず入っていったんですよね。
そう、お前が呼んだからだろぃ!
他にもありますよ。
仲間の一人は復讐の決意として家に伝わる伝統の服を着ていて、これは絶対に脱ぎません、と仲間に告げるんです(そのために装備不可な防具があるくらい)。
その直後に、別の仲間が帝国軍の鎧をかっぱらってきて、これを着れば怪しまれずに街の中に侵入できるぜ、と。
そのことに誰一人異を唱えずイベントは進行しました……。もちろん、脱がぬと公言した彼女は当たり前のようにこの鎧を来て街に潜入しました。
まだまだありますよ。
百戦錬磨の皇帝陛下は敵つまり主人公サイドが用意した要塞の弱点を見抜き、水攻めを敢行します。これにより反乱軍は壊滅状態、私自身もおぉっと思ったものですが、直後に、「要塞内に突入せよ! ネズミどもを皆殺しにするのだー!」って、えぇ!? 水攻めしたんでしょ? 地下に網の目のように通路を掘りまくった反乱軍肝入りの迷路内に大量の水を注ぎ入れたんだよね? それによって数千の反乱軍が溺れ死んだんだよね? その直後に、その中に入って行けと……?
と、このように、噴飯もののエピソードが満載でした。シリアスな展開のゲームなので、書いてるほうも、ゲーム内の登場人物たちも、いたって真面目なんですけどね。
さて、話が長くなったのでそろそろ切り上げたいのですが、本作の注意点をざっくりまとめておくと、本作はRPGです。それもKemco否Exe-Createの中では古い方の、です。
それはつまり、昨今の手軽にさっくりやりこみRPG、ではなく、ちゃんとしたRPGを目指して作られた、ということです。
いつものKemcoゲーにはありそうな便利なアイテムのほとんどがないし、ミニマップもないし、真面目にやるとブーストシステムのメリット・デメリットを把握して使いこなさなければならないし、ダンジョンは長いし。古いゲームなのでもっさり感は否めません。
ただまぁ、いうてやっぱりKemcoゲーではあるんですよね。ファイタークラスの全体複数回攻撃スキルを主軸に戦闘評価A以上を乱獲し、過去一稼ぎやすい課金ポイントをありったけ種アイテムの購入に注ぎ込めば、もう最序盤からゲームバランスをぶっ壊して快適に進むことが出来ます。
このカラクリに気付ければブーストシステムがどうのという不満は解消するでしょう(オートはどのようなアクションでもブーストを1しか吐かないので産廃です。開幕5ブースト使ってショックウェーブ。1ターンキルとともにオーバーキルにより消費EP全快、戦闘評価も敵三体以上でほぼA確定で毎戦闘3課金ポイントゲット、貯まったポイントを全部STRの種に注ぎ込んで……てな感じ)。シンプルな分、わかりやすく強くなっていけます。
ただ、ダンジョンのデザインは覚悟したほうがいいでしょう。
最強の迷路とは、まっすぐに延びた一本道だ、とはよく言ったものです。途中休憩して、トイレにいってついでにコーヒーを淹れて戻ってきたら、自分が前と後ろどっちに進んでいたかわからなくなって入り口からやり直したこともありました……。
ミニマップもないから余計に不安になるんですよね。
あと前作もそうだし、これと似た傾向の今までの作品でもそうでしたが、本作もまた「フラッシュゲー」です。エンカウントする度に画面の端から端まで全てが一瞬白一色になります。
これがもう、目に辛い辛い。
部屋を明るくして画面から離れてプレイしましょう。頭痛や吐き気を感じたらすぐに中断し、横になりましょう。そして後日プレイを再開して、どちらに進むべきかわからなくなって、ダンジョンを最初からやり直してください(笑)
2024年04月26日
554.彩色のカルテット
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Chroma Quaternion」のレビューです。……く、クロマ クォータニオン???
まぁいつものKemcoゲーっすよ。ただ、色々とパワーアップしていて、豪華だなとは感じました。燭台などの光源はちゃんと発光しているし、チップセットは色鮮やかで、レイヤーなども使って下層をくぐるような立体的なマップになっているし、戦闘でもよく動きます。
エピソードの掛け合いの中にはぴえんだとか100日後がどうだとか、割と最近よく耳にした単語が(今だともう古いかな)出現しており、かなり新しい、当時の最新のExe-Create作品なんじゃないかと思いました。
一つ前にこの制作チームの化石みたいなゲームやりましたから、余計にその差を感じられましたね。
それなりにKemcoゲーをこなしてきた身からすると、本作に何か特別に秀でたものや尖ったものがあるわけではありませんが、ゲームシステム、ゲームバランス、そしてキャラ立ちや世界観など、ほとんどの要素の基礎力は出来上がっており、非常に安定したゲームプレイだったと思います。
まったくの赤の他人でありながら、毎回スタッフロールで見知った名前が出てくると、なんだか彼らの成長が透けて見えるようで嬉しくなっちゃう今日この頃です。
一方で、キャラの移動などで画面が滑らかに遷移する本作では歩数カウントの仕組みが見直されたのか、これ以外の全ての実績を解除した時点で20万歩に届いておらず、実績要件の50万歩まで残りの30万歩分を稼がなければなりませんでした。
従来のExe-Create作品であれば、スティックにほんのわずかに触れ、キャラをほんの少しずらすだけで10歩分くらいカウントされるのが常だったので、累計歩数50万歩とか言われても本編攻略中に知らない間に解除されていることが当然でした。
攻略完了後にかなりの放置作業を覚悟していたのですが、終盤の空飛ぶ乗り物が、ノーエンカ、当然遮るものなし、そして移動速度が速く、ためしてみたら風呂入って帰ってくるころには解除できたのでほっと一安心。
検証はしてませんが上下左右より斜め移動で放置すると早い……かも?
さて、次の作品はアルファディア ジェネシス2ですね。もうやらなくてもわかりますわ。これから一週間くらい、死んだ魚の目をして過ごすことを。
クオリティの落差が激しすぎる……。
しかもストア説明にはシリーズ随一のボリュームだと!? FF14やってもいいすか?(笑)
2024年04月19日
553.The Last Campfire
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ラストキャンプファイア」のレビューです。
エンバー族と呼ばれるラブリーでカワヨなキャラを操作して、テクテクちょこちょこ森のなかを行ったり来たり。希望を失って石になってしまった他のエンバー族を、パズルを解いて助けてあげると、ステージの中央にあるキャンプファイアに続々と集まり、一定数を集めると次のステージへ、といったパズルアドベンチャー形式のゲームです。
滑り台を滑り降りて、泥の中に頭から突っ込むのがめっちゃかわいい(笑)
作品としてはショートアドベンチャーで、数時間あればコンプまで楽勝です。
本作を俯瞰して、「絵本のような」と形容できます。本作の主人公に特定の名前はついておらず、全編を通してナレーションが進行を務めます。まさに、絵本や童話を読んでいるようで、鳥の鳴き声や川のせせらぎといった雰囲気と相まって非常に素晴らしい世界観を提供してくれるのですが、裏を返せば、そのナレーションやエンバー族の大義などほとんど全てが抽象的で、捉えづらい物語でもありました。
なんだろねぇ……これは、たとえば移民とか約束の地を目指して放浪する民族たちの胸中をイメージすればいいのかなぁ。
眼鏡を外して、定まらない焦点の中で常にCの向きを探してるような状態なんですが、ラブリーなキャラクターや温もりのあるステージデザインなど雰囲気は素晴らしいので、そんなふわっとした状態が逆に居心地よくもありました。
道が閉ざされ、孤独と寒さと絶望に震えて石になってしまったエンバー族がたくさんいますが、主人公の行動によりそれは救済の物語となり、全然悲壮な感じはしませんね。パズルは数分で解けるくらいの簡単すぎず難しすぎず。解き応えはあります。
ストーリーの全容は把握できないまでも、エンディングではちゃんとほっこりできて、おいしいお菓子のようなゲームでした。
2024年04月12日
552.Asdivine Cross
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「アスディバイン クロス」のレビューです。
一にも二にもラーニングゲーでした。
FFの青魔法の、敵から技もらって覚えるあのシステムです。
別に常にどんな時でもラーニングを狙ってどうのこうのするわけではないのですが、ラーニングのシステムがあり、さらに実績として全てのラーニング技を覚えるよう指定されている以上、常に頭の片隅と言わず半分くらいはラーニングのことを考えて冒険しなければならないのが苦痛でした。
ちゃんと調べたわけではないのですが、聞くところいや目にしたところによると、本作はアスデバシリーズの二作目にあたるようで、なんとKemcoがXboxストアに華々しく降臨したと同時に放った最初の作品「アスディバイン ハーツ」の、以前の作品だったようなのです。
恒例となる植木鉢での種栽培はないし、戦闘速度の倍速機能もない、戦闘中に流れるテロップもスキップできないためテンポが遅れるし、歩数や戦闘回数などのゲーム内チャレンジ機能もありません。
ゲーム自体をやりこんでステータスを強化し、俺TUEEEを堪能してくださいというKemco否Exe-Createらしい爽快感や達成感はこの頃から変わらぬものの、上記のそれ以外を司るスムーズさというのか、まとめて言えばもっさり感が半端なかったです。
プレイ中は、また時代が逆行して古めの作品なんだろうなとは薄々感づいていましたが、まさかアスデバハーツより古いとは。
で、ラーニングの話に戻りますが、これがまた本作の目玉システムのくせに、とにかく効率が悪いんですよね。
ちょっと前にプレイしたクリスタルオーサにもラーニングキャラがいたのですが、あちらは殴ると敵の技を覚えられるという画期的なものでした。とりあえず初見の敵は素で殴っとけばそれで良かったのです。
本作はきちんと敵がその技を唱え、目当てのキャラに発動してくれないと覚えることが出来ません。
ということはですよ?
Kemcoのお家芸、種食いまくって武器強化しまくって、見敵必殺プレイが根本から否定されるというわけですよ。
武器に状態異常とか付けて敵が麻痺しようものならラーニング狙えないのでアウト。
そもそも種食いすぎたり、レベル上げすぎて、特にSPDが上がりすぎると、敵が一回行動するまでこちらは何十回もガードで見送りしなければならないという地獄が待っています。
さらにはExe-Create作品の敵モンスターというのは何百種類もいて、そのほぼ全てにラーニング可能な技が設定されています。
魔物図鑑というのがあり、覚えたか覚えていないか確認することは可能なのですが、操作性というか識別性がすこぶる悪いです。
そもそも戦闘中にこれらの情報を確認する術がないので、一度出遭った敵はいったん殺して、メニューで確認してから、改めてその敵を探さなければなりません。
ボスなどは一期一会ですから、勘に頼るしかありません。
超絶便利なアイテムとして、未入手のラーニング技を一つ無条件で覚えられるという神アイテムもあるので詰むことはないのですが、ゲーム全編を通しても宝箱などから入手できる量は数えるほど、あとは恒例の課金ポイントで買うしかありません。高すぎるというほどではないですが、とにかく量が必要なので結果的に何千ポイントと必要になります。
これらを駆使して攻略するとしても、地道に未入手を調べつつ可能な限り吸っていく作業は必須となります。なんたって200以上ありますからね!
そしてトドメは今までKemco作品を遊んできて初となる周回要素。
本作の真エンディングは二周目以降なんですね。まぁ、サクサクですけど。新要素なども解禁されてそこまで辛いものではないですが、時間はかかりました。
本作はまだお手軽軽快サクサクRPGという方針に移行する前の作品なので、RPGとしての悪習も残っています。ダンジョン自体が比較的長く、ギミックが少し凝ってたり良い部分もあるのですが、とにかく画面を長く歩かせるつくりで、特に中盤の展開はこのクッソ長いダンジョンを何度も往復させるストーリー展開なのが辛かったです。
そんなわけで、ラーニングというプレッシャーと、二周目ありという情報が苦痛と時間を引き延ばす怪作でした。その裏返しとして、長く触れた分、達成感とかもありました。
アスデバシリーズ、本作は二作目だそうですね…。ハーツが三作目ということは、そう、こんだけもっさりした作品が、確定であと一つは残ってるってことですよ。
あ、ストーリー? んー。トッテモオモシロカッタデスー。
2024年04月05日
551.砂の国の宮廷鍛冶屋
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「The Court Blacksmith of the Sand Kingdom」のレビューです。
本作もまた販売元はKemcoですが、一般にはRide Onゲーと呼ばれているようで昔プレイした「マレニア国云々(以下、前作)」と同じジャンルの作品です。冒険に行って素材をがっぽり掘ってきたら、拠点でアイテムをしこたま作り、それを売って得た資金で戦力を強化、また冒険へ、の流れが楽しい錬金術ゲーですね。
先に評価を付けとくと、「楽しい」けど「面白くはない」ゲームでしたね。何かを達成する、クリアする、作る、掘る、強くなる。起こしたアクションから得られる快感はちゃんとあって、アトリエ系ゲームとして、また前作のようなRide Onゲーとして楽しさはありました。
ただ、世界観やストーリー、人物の掘り下げなどを見るに、お粗末ではないものの扱いが素っ気なく、そこに面白みを見出すことはできませんでした。
で、まずは本作の出だしを振り返ってみますと、まだまだこの手のジャンルに私が慣れていないせいなのか、主にゲームの進め方について最初は結構混乱したんですよね。実は前作はまったりじっくり楽しむことが出来たのですが、攻略期間はだいたい一ヵ月ほどかかっており、振り返って見るとかなり無駄行動が多かったのです。
現状作れる物を一定の数と決め、常にその数の在庫があるように下から下から少しずつ積み重ねていくようなスタイルだったので、ストーリーの進みは遅く、ちまちまちまちま微妙に不足した分を補填しつつ、溢れた素材でようやく一つ二つ新レシピを開発する、そんなプレイスタイルでした。
むしろ、だからこそ楽しかったとも言えるのですが、物凄い時間がかかった、という記憶がはっきりと残っており、今回はそこまで時間をかけずにどうしたら楽しめるか、そんなことを考えていたんです。
で、ちょっと攻略サイトでも覗いちゃったもんだから、最強の職とか、最強の装備とか、これさえやっとけば戦闘で困ることはない最強ビルド、とか、まぁ目に入っちゃったんです。
結果的に、その情報は知っておいて良かったし、非常に役立ったのですが、そのせいで余計効率を意識してしまって、だいぶ遊びづらい思いもしました。
で、一晩寝て頭をリフレッシュして、シンプルに考え直してみたんですよ。
素材や在庫の管理、特に序盤は金欠で何をするにも足りない尽くし。いったいどう立ち回ればいいのか。実はここがコーエーのアトリエにはないRide Onらしさというか、だからこそのKemcoというべきか。
本作にも前作と同様、時間制限はありません。
であるならば、探索に行ってしこたま稼いできた素材をアイテムに作り替えたら、そいつら全て売り切るまでニートになってりゃいいじゃん、ってことに気付いたんですよ。
そうすれば在庫がどうの、売値がどうの、金策がどうの、一日にできることや回数が決まっているどうのこうの、全部無視してシンプルに遊ぶことができると気付いたのです。
冒険に行く、持ち帰った素材全部使って今作れる最高のアイテムや、必要なアイテムを作る、素材が余ったら全部売り物に作り替える、そいつが全て売り切れるまで引きこもる(笑)、枯渇したらまた冒険に行く。
この繰り返しで非常にシンプルに遊ぶことが出来ました。いやむしろ楽しさに目覚めました。気が付いたら頭痛がするまでノンストップで遊んでました(汗)
前作では個人的にオート時のAI行動が馬鹿で戦闘は楽しくないと感じていたのですが、今作はAI時に使用するスキルを一つ一つONOFF指定できるようになったこともあるかもしれませんが、かなり賢く、的確な殲滅力、範囲で確実に敵を屠ってくれます。無駄行動をまずしないんですね。そのため戦闘のテンポが非常によく、戦闘は楽しかったですね。また、攻略サイト等において紹介されているぶっ壊れビルドも本当に強力で、戦闘の快適さに大いに役立っていました。こういうので良いんだよ。
とまぁ、一連の、ゲームとしての面白さ、楽しさは本当に素晴らしいもので、細かい所も改善されており良かったのですが、さてお話はというと……。
今作はまず登場人物の数が非常に少なく、全編を通しても彼らとのエピソードはかなりあっさりで深みがありません。ラスボスでさえ自らネタバラシをしなければならないほど尺がありません。
また、メインのお話自体も国という俯瞰視点で傍観者のように、関係ない所で進んでいき、一般人レベルの噂話で流す程度です。
幼馴染の存在や、作業場に住み着いた妖精なども、本当にこのキャラは必要なのか、存在意義を疑うレベルでエピソードが浅く、とても楽しめたものではありません。
本作でぎりぎり許せるのはギルドのおっさんと、ヒゲのおっさんだけです(笑)
タイトルにもなっている「砂の国」ですが、舞台が砂の国だからといって、本作のあらゆる要素に砂の国らしさは皆無でしたし、エンディングでの作業場内での幼馴染と小妖精の一幕はマジで意味不明でした。「え、まさかこのまま二周目にループすんの??」とかありえない想像まで働くほど意味がわからず、直後にただのネタ振りだったとわかった時には殺意すら覚えました。
で、冒険中のイベント、だいたい詰みます。これはどうにかならんの?(笑)
ダンジョンに潜ってメインストーリーを進めるため、特定の地点に進むとイベントが始まるのですが、こいつが高確率で正しく終了しないんですよね。
何もかもが動かなくなり、詰みます。
ただし、Yボタンのイベントスキップボタンだけは生きてるので、イベントスキップすれば何事もなくプレイを続けられます。
思い返してみれば前作にもこの不具合あったかも。これだけは絶対になんとかしてほしいですね。
一度だけ、イベントスキップボタンが出てこないまま詰んだこともあって、そんな時はロードしてからイベント自体を即座にスキップすることで難を逃れましたけど。
あまり伝わらないと思いますが、やって見ればわかる。
アトリエ部分、プレイするゲーム部分のクオリティはさすがの圧巻ですが、世界観やお話、魅力的なキャラクターたちとのエピソードに関しては前作の足元にも及ばないなというのが本作の感想ですかね。
2024年03月29日
550.ルインバース
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Ruinverse」のレビューです。
始めに言ってしまうと、総評は中庸でとりたてて面白い作品ではありませんでした。アスデバスタイルのなんちゃってFF戦闘ですが、本作はキャラの育成に手間がかかり、その手間を惜しむようなプレイでは加速的な成長が見込めず、しばらくは厳しい戦闘を強いられました(毎回Kemcoゲーは最高難易度で挑んでいるので)。
そのバランス自体は悪いことではないんですけどね。しっかりレベルを上げて準備したり、バフデバフを意識して戦略的に立ち回れば、別に詰むほどではありません。
今作にもハクスラの概念があり、敵を倒すとランダムなオプションのついた武器や防具を落とすことがあり、どんなスゲェ装備を掘れるかが、わりと今作の目玉だったりします。
が。
代わりに従来の強化システムが撤廃され、拾った装備をそのまま使うしかありません。
本作の敵たちはボロボロ装備を落とすので、すぐにアイテム欄が埋まり、頻繁に街に帰って装備を売らなければならない手間がありました。捨てることもできますが、アイテムをひとつひとつチェックして捨てなければならないので膨大な手間がかかります。お店での売買では「すべて選択」ボタンがあるのにね。
本作の装備の質というのはベースアイテム+強化値で表されます。ベースアイテムが50の攻撃力を持つ剣だったとして、パーティーの平均レベルから計算してそれが低すぎる値だったとすると、剣+50で攻撃力100の剣がドロップするんですね。
このようにして敵からドロップする装備はランダム幅を持ちながらも常に現在のパーティー戦力に合うように調えられてドロップするので、つまり何が言いたいかというと自分たちのパーティー戦力がカンストするまでは常に装備を取り換え続けることになる、ということです。
ボス戦前など特定ポイントの前でパーティーの役割やスキルツリーを睨みながら最適な装備を付け替えるのはある意味楽しいことなのかもしれませんが、ちょっと戦うだけでポンポンレベルが上がるような本編攻略中に、何かする度に膨大なインベントリの中から最適な装備を、五人分振り分けるのは果てしなくだるいです。
で、だるいし五分も続けて遊べばもっと強力な装備が落ちるとわかってるなら……全員最強装備ボタンを一回ポチればそれでいいっすよね(笑)
せっかくのハクスラ要素がこれで死にます。装備は飾りとなり、オート装備はステータスの上昇だけを見ているので、いろんな強力な効果がついた装備より、それより1だけ最終的な攻撃力や防御が高い、他に何もついてないコモン装備を優先しちゃいます。
これらのことが重なり、本作はハクスラ押しのゲーム設計でありながら、肝心のハクスラがまったく楽しくないゲームでした。
私にはこれの問題を霧散させ、本作を何倍も楽しめるたった一つの解決策が容易に見えるのですが、どうも今までの作品から、作り手の中にはその概念自体がまったく無いみたいなのです。
フィルターですよ。フィルター機能。
敵が落とした有象無象、コモンだろうとマジックだろうと、片っ端から拾っちゃうのがそもそもハクスラとして致命的なんですよね。
せめて欲しいオプション、いやせめてマジック以下は拾わない、たったそれだけで装備を掘る楽しさは何倍にも膨れ上がるというのに。
他にもスキルツリーの存在や、そのスキルやステータスを成長させるためのドーピングアイテムがリアル時間を要するなど、今作のキャラ強化は果てしなく面倒くさいです。それじゃあ強くなれないし先に進めないんじゃないかと言われれば、そこはそれ、Kemcoですから。全体魔法ぶっぱなしてレベル上げればハクスラとかどうでもよくなるくらい強くなれます。だからこそ装備の厳選に本気になれない。
で、戦闘と同時にシナリオについてもやっぱり尖った部分と他の部分のアンバランスが発生して、捉えどころのない凡庸なシナリオになっちゃってるんですよね。
本作のキャラクター個人に関しては、練り込みは甘いけれどもまだ及第点だとは思っています。本作は純粋な恋愛要素よりもBLやGLとしての色が強く、仲間であるとあるヤブ医者の性癖はまったく受け入れることが出来ず、終始気色悪いと感じていましたが、まぁそれを置いても。
ただ、本作のストーリーはそんなキャラクターに紐づいて世界観も重要な伏線となるのですが、この世界観設定がつつけば簡単に崩れるような、まるでトランプタワーのような脆弱さで、攻略中矛盾点や疑問を持ったとしてもスルーする技術がプレイヤーに求められます。
が、そうするとお話やキャラの掘り下げに付いていけなくなるので、無理やり噛んで飲み込まなくてはならなくなるんですね。
そのため話はイマイチ頭に入らず、ぼんやりと追っているうちにゲームクリアとなり、煩雑さを嫌うと単調になる戦闘と相まって、つまらなくはないんだけど味がしない、いろいろ要素があってクソゲーではないんだけど全てがバラバラのまま。
そんな後味でした。
従来の闘技場に代わる遊技場で、100戦目の相手はかなり強いですが、これを安定して回せるようになると、今までの苦労が嘘みたいに強くなれるので、この、とうとうゲームが壊れた瞬間だけは楽しかったです。Kemcoはたいてい、この瞬間が用意されてるんですよね。
まぁ、そこから先はさらに虚無感が募りましたけど。
実績にも絡まない、追加ストーリーの更に先の追加ストーリーは「もうやめて! もうダンジョンの追加はやめて! こんなデカいダンジョン複数作るくらいならもっと本編に手を入れて!」と叫びました。
2024年03月22日
549.クリスタルオーサ
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Crystal Ortha」のレビューです。
クリスタルオーサは本作の大目的となるクリスタルの大鉱脈の名称です。
グラフィック全ブッパのHit-Pointが送る、これまた神ゲーでした。
おいおいどうした!? 最近神ゲー続きだぞ!? いったい何があったんだ!
グラフィック全ブッパなのでホントにドットの雰囲気は素晴らしいです。キャラだけでなくマップ自体も非常に丁寧に作られており、温かみと生命を感じるんですよね。
加えて今回はBGMの出来が素晴らしく良く、この音楽に包まれながら世界を歩くのは癒しになります。
そしてその上で、世界観設定がしっかりとしており、個性の湧き立つ主人公一行や、それを彩るNPCたち。そして結構気になるストーリーの謎。
ゲーム自体は難易度が低く、サクサク進めていけるのはお約束。
以前遊んだウィアートルがパーティー編成からカルミナの設定から結構頭を悩まされたので本作も警戒していましたが、敵は大分大人しめで特に詰まることはありませんでした。
ストーリーも大変面白く、エンディングは胸を熱くしたのですが、数は少ないけれど各地に散らばるサブストーリーがまた素晴らしく、一筋縄ではいかない人と人との関係性に、うまくこの世界の設定が生かされていて、何か考えさせられるような感慨を与えてくれるんですよね。
すっげぇ良かったです。
ただ、かなり無駄をそぎ落としたかのような全体像で、キャラの成長も早く、インフレが顕著です。
ボリュームはこのくらいがちょうど良いともいえるし、やっぱりグラも良いしキャラも良いしでもうちょっと長く、じっくり旅をしたい気持ちもありました。
ボリュームが薄い(おいしいからこそもっと食べたい)ことを除けば、どの要素も非常によく出来ており欠点が見つかりません。そのため今回は言うことがないです! お勧めですよ。
2024年03月15日
548.LEGO: The Hobbit
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「レゴ:ザ ホビット」のレビューです。
The Hobbitって映画ロードオブザリング三部作の外伝の映画ですよね? この辺あんまりよく知らないんですけど、それでも楽しめるのがレゴってもんです。
本作もまたどの時点で作られたのかわからないんですけど、レゴでも喋るのがあたりまえなのかな、へもへもふむふむだったあの頃がちょっと懐かしい。
喋るレゴといえば私の中ではジュラシックワールドだったのですが、あの作品は切り抜いたセリフの裏に背景音やテープのノイズみたいのが混じっていて、シリアスな口調とセリフでありながら映像ではめっちゃギャグコメディが流れているというカオスな状況でしたが、本作ではやはり切り抜いたと思われるセリフでありながらも非常に綺麗で、まったく違和感はありませんでした。
ストーリーミッションに関しては文句なしです。
ストーリーミッションに対してHUBとなるワールドマップですが、こちらは圧巻ですね。本編でドワーフ一行が辿るミドルアースの一連の土地が全て一続きのステージになっています。
非常に広大で、いたるところに仕掛けがあり、クエストがあり、まるでテーマパークのように飽きさせないのですが……。
遊び心地はそんなに良くなかったんですよね。
たまにフリーズ、ちょいちょい無限ロード、しょっちゅうバカメラ(カメラに衝突判定があるので、引っかかって見たい方向が見えないとか、閉所で荒ぶるとか、マジでこのバカカメラ!)、NPCがちゃんと動いてくれなくてイベント進行不可とかもありました。
仕切り直せばどうにでもなるので損害は軽微です。
こういった不便さやストレスを感じる場面がほぼほぼこのワールドマップでの冒険中でした。
なんだろ、うちの子(Xbox One X)はそろそろ歳なのかな。せっかく4Kモニタ買ったのに、4K非対応のゲームを4K設定で遊ぶとだいたい不具合起きてる。
画質を落として遊べばフリーズや無限ロード、テクスチャの貼り忘れなどは軽減されますが完璧ではないです。
さらに厄介なことに、今回は運が悪くレゴでは恒例となる各種チートコード、通称赤ブリックのうちスタッドの入手量が数倍になるブリックの入手が最終盤になってしまったんですね。
本作のゲーム内物価は安いのでなくてもそこまで苦労せず、スタッド以外にも集めて消費しなければならないリソースが多いので困らなかったのですが、最後に100億スタッド集めるという実績だけが残ってしまい、単調な作業を繰り返す羽目になりました。
総評として相変わらずのレゴゲームではあるけども、なんかこの頃の流行りなのか、オープンワールドだったりクラフト要素だったりを持ってきてチャレンジ精神は感じるけども、そこまでうまくかみ合っておらず、楽しみつつも不便さやストレスが目立ったゲームだったなと。
ただ世界観は素っ晴らしかったです。このガチガチのファンタジー、良いっすよねぇ。原典となると難解になるので(楽しく読み解くには、書かれた当時の世相や常識も必要になる)これくらいのデフォルメがちょうどいい。
海外ストアのゲームだったはずなので日本語は入ってませんが、逆にそれで良い。
それでいいんだけども、ガチで英語読まない派の人は、作中になぞなぞとか出てくるので要注意です。