個人事業主が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入の国税庁質疑応答事例ってあるの?


税金で作る明るい社会の実現のために日々業務に邁進されている特定の人たちには取り立てが甘い国税庁のホームページに質疑応答事例というページがあります。

同じこと聞いてくるなや、ということだと思いますが、こういう質疑応答を公開してくださることは大変ありがたいことでありますね。どっかの役所とかどっかの役所の下請けみたいに、ルールにないことを平気でやったり、ルールを勝手に作ったり、ルールを守っていても難癖をつけないという点からも、いろいろと公開してもらえるのはよいことであります。

この質疑応答事例は、国税当局において納税者の皆様からの照会に対して回答した事例等のうち、他の納税者の方々の参考となるものを掲載しています。

ええ、参考にします。

ここに掲載している質疑応答事例は、過去に納税者の皆様から寄せられた照会等につき、その照会事項及び回答を、ポイントが分かりやすいよう要旨のみを掲載しています。
このため、個々の納税者の皆様が行う具体的な取引の課税関係は、その取引に係る事実関係等に応じて、この回答の内容と異なることがありますのでご注意ください。納税者の皆様の行う具体的な取引の課税関係を照会したい場合には、最寄りの税務署・国税局にお尋ねください。

「その取引に係る事実関係等に応じて、この回答の内容と異なることがあります」ということで、ええ、事実関係等でありますね。お上の言葉はなかなか味わい深い表現であります。世間では「ケースバイケース」ってところでありましょうか。

しっかくなので太陽光関係の質疑応答を検索してみました。個人事業主の場合のってあるんですかねえと思って調べてみたのですが、会社員の場合っていうのがメインのようではありました。

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自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入

【照会要旨】
給与所得者である個人が、自宅に太陽光発電設備を設置し、いわゆる太陽光発電による固定価格買取制度に基づきその余剰電力を電力会社に売却している場合、余剰電力の売却収入に係る所得区分及び太陽光発電設備に係る減価償却費の計算方法についてどのように取り扱われますか。

【回答要旨】
余剰電力の買取りは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、太陽光発電による電気が太陽光発電設備が設置された施設等において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分が当該施設等に接続されている配電線に逆流し、これを一般送配電事業者等である電力会社が一定期間買い取ることとされているものです。
余剰電力の売却収入については、それを事業として行っている場合や、他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合には事業所得に該当すると考えられますが、給与所得者が太陽光発電設備を家事用資産として使用し、その余剰電力を売却しているような場合には、雑所得に該当します。
なお、減価償却費の計算上、太陽光発電設備は、太陽電池モジュール、パワーコンディショナーなどが一体となって発電・送電等を行う自家発電設備であることから、一般に「機械及び装置」に分類されると考えられますので、照会の場合、その耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し、17年となります。
また、必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうちに売却した電力量の占める割合を業務用割合として計算した金額となります。

事業所得者である個人とか事業所得者でもあり給与所得者でもある個人が、それ(自宅での売電)を事業とはして行っていない場合や事業所得はあるけれども売電は事業の付随業務ではない場合には、どのように取り扱われますか、と思ったわけであります。

【照会要旨】
個人商店を営むAは、1階を店舗、2階を自宅とする建物に太陽光発電設備(以下「本件設備」といいます。)を設置し、発電した電力を自宅及び店舗で使用するほか、いわゆる太陽光発電の固定価格買取制度に基づきその余剰電力を電力会社に売却しています。電気使用量メーターは1つしか設置されておらず、売却した電力量および売却金額は毎月の検針票により確認することができますが、発電量のうち店舗や自宅がそれぞれいくら電力を使用したかについて把握することはできません。この場合、余剰電力の売却収入に係る所得区分及び本件設備に係る減価償却費の計算方法についてどのように取り扱われますか。

【回答要旨】
本件設備による余剰電力の売却収入については事業所得の付随収入となります。

給与所得者が自宅に本件設備を設置し余剰電力による売却収入を得ている場合、その所得区分は一般に雑所得と解されますが、本件設備により発電した電気は店舗と自宅の両方で使用され、さらにその余剰部分を電力会社に売却するものです。
そのため、余剰電力の売却収入は事業所得の付随収入又は雑所得のいずれかに該当すると考えられますが、本件設備が店舗と自宅との兼用であるとしても、本件設備から発電される電力が現に事業所得を生ずべき業務の用に供されている限り、本件設備は減価償却資産(事業用資産)に該当しますので(所得税法第2条第1項第19号)、その資産からもたらされる収入については、全て事業所得の付随収入とするのが相当です。
この場合、必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうち売却した電力量以外の割合を店舗と自宅における使用の実態に基づく使用率や使用面積割合等の合理的な基準による店舗の使用割合によりあん分し、その割合と発電量のうちの売却した電力量の割合の合計を事業用割合として計算することが考えられます。

店舗って感じではなく、自宅の一部をオフィスとして使っている場合には、どのように取り扱われますか、と思ったわけでありますが、家事関連費のいわゆる家事按分で事業所得でいいらしいです。(いちおう電話でお上に確認しました。)

さて、次は消費税です。

【照会要旨】
会社員が自宅に太陽光発電設備を設置し、いわゆる太陽光発電による固定価格買取制度に基づき、その余剰電力を電力会社に売却している場合、課税の対象となるのでしょうか。

【回答要旨】
余剰電力の買取りは、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に基づき、太陽光発電による電気が太陽光発電設備が設置された施設等において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分が当該施設等に接続されている配電線に逆流し、これを一般送配電事業者等である電力会社が一定期間買い取ることとされているものです。
消費税の課税対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であり、個人事業者が生活の用に供している資産を譲渡する場合の当該譲渡は課税対象となりませんが、会社員が行う取引であっても、反復、継続、独立して行われるものであれば、課税対象となります。
照会の余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合に当該余剰電力を電力会社に売却しているものであって、これは消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っているものであることから、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しません
したがって、照会のように、事業者ではない者が生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた余剰電力の売却は、課税の対象となりません。

「会社員が行う取引であっても、反復、継続、独立して行われるものであれば、課税対象」だそうでありますが、10年も毎月電気を売れば反復、継続だと思うのですが、独立とはなんぞやという感じであります。

日本語は難しいですなあ。
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