ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

日本と二重基準(ダブルスタンダード)

2024-04-17 10:44:48 | 日記
新聞記事は事実を伝えるだけでなく、価値評価を含んでいる。価値評価をそのまま伝える記事も多い。

その価値評価をめぐっては、「うん、なるほど、もっともだ」と首肯できるものもあれば、「いや、ちょっと違うのではないか」と首を傾げたくなるものもある。
「うん、もっともだ。自分もそう思う」と首肯できる見解でも、それが世の多数派の意見であれば、それは(少なくとも私の)ブログのネタにはならない。「激しく同意!」と書いたところで、そんなものは平凡で陳腐なブログ記事にしかならないだろう。

新聞記事には、この他にも「むむ、どういうことだ?」と思わせる記事もある。首を傾げるというより、内容がうまく飲み込めない記事である。そんな記事に出会うと、自分の理解力が不足しているのかと思ってしまう。オレもとうとう焼きが回ったのか、と・・・。

きょうの朝日新聞に次の記事がのっていた。

イランが在シリアの大使館への空爆の報復としてイスラエルへの直接攻撃に踏み切った中東情勢をめぐり、日本はイランとの『伝統的な友好関係』を生かした独自外交を描き切れずにいる。イスラエル寄りの米国と共同歩調を取り、主要7カ国(G7)メンバー国としてイランだけを非難する立場を取る日本についても、識者からは『ダブルスタンダード(二重基準)と見られかねない』との指摘が出ている。
(朝日新聞4月17日)

私がよく飲み込めなかったのは、イランに対する日本の姿勢が「ダブルスタンダード(二重基準)と見られかねない」とする「識者」の見解だった。「主要7カ国(G7)メンバー国」でありながら、「イランだけを非難する立場を取る日本」は、なぜ「ダブルスタンダード(二重基準)と見られかねない」のか。

G7の日本以外の国と、日本との違いは、イスラエルを非難するかどうかの違いだと言えるだろう。アメリカの同盟国(属国?)である日本は、他のG7の国と違って、イスラエルを表立っては非難せず、イランだけを非難する立場をとっている。イランを非難する日本は、国際法を基準にした立場をとっているが、イスラエルを非難しない日本は、(アメリカとの結束といった)別の基準を持ち込み、この(もう一つの)基準に則ってふるまっている、ということだろうか。

私が思い出すのは、岸田首相が去年の3月、米国などが主催する「民主主義サミット」にオンラインで参加し、ロシアのウクライナ侵攻や中国の軍備増強を念頭に「法の支配は国際社会が守るべき最低限の基本原則だ」と演説したことである。

岸田首相が「法の支配」と言うとき、国際法が念頭にあるのだろうが、この国際法の原則からすれば、ロシアや中国だけでなく、イスラエルも充分、非難に値することになる。イスラエルを非難しない日本は、たしかに「二枚舌」であり、「ダブルスタンダード」だということになるだろう。

この場合、「ダブルスタンダード」の背後に「(イスラエルを支援し続ける)アメリカ」がいることを、だれも言おうとしないのは、なぜなのか。

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