愛知県レコ屋④ - 移動編 | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

(前回の続き)

3/20 (水・祝日)。レコ掘りに燃える男の朝は早い(…というか、前日ホテルに早々に帰ってからすることもなく、早寝早起きしただけw)。この1日で、ワイが名古屋レコ屋を征服してくれる(フーフフフッ…)とニヤニヤしながら、その日の計画を練る。

 

ここで男は2つの問題に直面する。1つはこのまま名古屋へ移動するかどうか?である。今回は車で愛知まで来ているので、車で名古屋まで行かないといけない。移動時間を考えればさっさと岡崎を後にした方が良いのですが、どうも前日逃したバナナレコード岡崎店が気になって仕方ない。この店、駅からかなり離れていて車で来る以外は、旅の掘り師が辿り着けないのだ。しかも以前(…と言っても20年ほど前)に来た時に、結構安く素晴らしいレコを抜いた記憶が蘇る。

 

「20年前?アホかお前は?」

 

と仰る気持ちは分かりますが、私としてはほんの2~3年前の様な感じなのだ。アクセスが悪い老舗レコ屋+過去の成功体験…⇒やっぱりここを逃すことは出来んやろ? と、結局この店を最初に行くことに決定する。

 

開店時間は10:00。それまで時間を潰そうと、ホテルを8時過ぎに出て喫茶店を探す。やっぱり愛知は喫茶店のモーニングですよ。…と思うも、どの店が good morning なのか分からず、結局無難にホテルから車で10分ほどのコメダ珈琲店に落ち着く。地元の喫茶店で1~2時間も粘ってたら、ちと厳しいかと思いましてね(笑)。しかし今思えば、我が街にもあるコメダなんかに、わざわざ行くこともなかったかと後悔(…モーニングも、何ら変哲もない代物だったし)。

 

開店10分位前になってから店外へ脱出し、いざ1件目のバナナレコード岡崎店へ!

 

CIBICOビルへ突入すれば…

 

岡崎市のゆるキャラ”オカザえもん”のお出迎えであるw(後ろのキョンキョンも良い感じです)

 

前日に来たら、ここが真っ暗で絶望したんだよな(涙)。

 

 

さぁさぁさぁ、もう時間が全くないから光の速さで掘り倒したるワイ!脳内では開店と同時に入店のはずが、結局スタート5分遅れ。コメダでまったりし過ぎました(笑)。祝日だからか、すでに野郎掘り師が3人ほど店内にいましたね。全員私より若く20~40代でした。『若い芽は早く潰さねばならぬ』とは某お笑い芸人の言葉ではあるが、そんなことやってる暇はないんや、こっちは!

 

既にROCKレコ棚に客の内2人が被りついていたので、無防備なSOUL & JAZZ レコ棚を攻めるが、自分の知識のなさも相まって特に何もセンサーに引っかからず。早くROCKレコ棚が空かんかな…とチラチラ眺めていたらやっと空いた!

 

速攻で高速パタパタを決めると、ウ~ム、基本的に買取中心の在庫なのでよく見る国内盤が多い。アッ!と思うレコも壁に数枚ありましたが、当然ながら予算をスーパー・オーバー(涙)。でも、都内近郊帝国主義D店の相場より1~2割ほど安くて好感が持てる(それでも買えませんがね)。ウッ!とするオリジナル盤も出てくるが、運悪く自分が既に持っているレコだ(2枚もあった。しかも自分が買ったより安いし…涙)。その他の”外してる”ようなレコは、総じて3桁でこれもD店より安い。

 

何もなければ7”を掘ることもあるんですが、これから名古屋を攻める予定なので、早々に撤退を決める。

 

他のお客さんがいなくなったところで、お店に頼み込んで撮らせて頂いた(あざ~っす!)。

 

前日に引き続き、何も買わぬまま駐車料金100円を支払い岡崎を脱出。あぁ…こんなことならさっさと名古屋へ移動しておけば良かったか?暗澹たる気持ちのまま、春分の日だというのに寒風吹きすさぶ中、名古屋へと車を急がせた。

 

 

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次なる目的地は、BOOKOFF PLUS 熱田国道1号店である。何で?と思われるかもしれませんが、下のリンクにあるレコード人気ブログランキングSunset Record さん…ん?『夕陽堂』に名前が変更?本当のレコ屋に進出??

 

 

こちらのブログを熟読すれば、BOOKOFF PLUS 熱田国道1号店が良く掘れるとある。『良く掘れる』とあれば、旅の掘り師は行かねばなるまい。しかも場所が最寄りの駅から徒歩1分で、その駅から3駅目に名古屋レコ屋一発目 ”バナナレコード金山店”がある。そうです、これを逃す手はないと前日夜ホテルで決めたのである。

 

さぁさぁさぁ、そうとなれば光の速さで BOOKOFF 熱田店に行かねばらぬ。ナビによれば、1.5h ほどで着くはず。祝日の午前中なので道も空いているはずだしイケるっしょ?と結構気楽に考えてたわけです。

 

そんなこんなで予想通り道もスカスカで、快調に車を走らせていると、岡崎を出て30分くらい?のところで黄色と青のいけない看板が目に入る。

 

寄る予定もなく、急いでいたので写真なし。店名も分からず(笑)。上のイメージ画はブックオフさんHPより(無断転載ゴメンナサイ)。

 

目に入っては致し方なしと緊急ピットイン!名古屋へ急行している最中なので一刻の猶予もなしと店内突入し、一瞥すれば微かに右奥の壁にレコらしき陰影が見える。早歩きでレコに洗脳されたオッサンが駆けよれば、思いの外レコが多いではないか!(ハァハァ…)。てか、こんなところで悠長に掘っている暇はなしと光の速さでパタパタすれば…、案の定よく見る国内盤のオンパレード(涙)。あぁ、あの看板を見ると衝動的にピットインするのは間違いだったか?

 

こんなところでジャンクは掘ってられぬと名誉ある撤退を決意。残念無念と出口に向えば、途中の床に売れ残り的なレコが入った、スカスカの段ボール2箱を発見。まぁ最後にここを見てから…と、どちらも10枚ほどしか入ってないレコをペラペラめくってこれを見つける:

 

Back Street Crawler – The Band Plays On ( Atco SD 36-125 ) US LP CS ( Company Sleeve )、シュリンク、ハイプ・ステッカー 1975年 1,100円

 

もちろんあの、( ex-Free ) Paul Kossoff のバンドである。それのUSオリジナル盤。もう、やたらジャケがきれいだったわけですよ。シュリンクの破れもないし、ハイプ・ステッカーもあるし。しかもプライス・タグを3枚重ねられて1,100円で、通常棚から追放されてるわけです。そんなにあかんのかこれ?別に珍しいものでも何でもないですが、結構名盤のはずである。20年程前に持っていた国内盤を売ってしまって、それ以来の邂逅。

 

一応レジにて見せて中をチェックさせてもらえば、ピンピンの極美品!1960年代~1970年初期オリジナルを狙う掘り師にとって怒りのマーク w  もキッチリ入ってますが、このWロゴは確か1974年以降?に入るはずなので、この盤に入っても問題ないはず。

 

 

 

岡崎では結局どこにでもあるノーランズ1枚のみの入手だったので、売れ残りの情け&極美品シュリンク・ジャケに負けてご購入。

 

 

 

殆どの曲を Mike Montgomery (key) が書いており、Paul Kossoff (g) が関わったのは共作のA-1 & A-3のみ。ですが、曲はなぜか Free の影を引きずるブルース・ロック系が殆ど。Free 解散後のバンド、Bad Company ( Paul Rogers ), Sharks ( Andy Fraser ) も何だかんだ言って、音がFreeに似通っていた(そのままではないですが、ブルース・ロックを引きずっているという意味で)。

 

ここら辺は面白いなぁと感じましたが、肝心要のこのUS盤の『音』は酷い!もう、よくもこんな引き籠りの音でUS盤をリリースしたなという感じ。UKオリジナルを聴いてませんが、US盤は止めといた方が良いです。作品は良いのに (ヌアアアァ!)。

 

 

 

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名もなき(自分が知らないだけ)ハードオフを抜け、一路BOOKOFF PLUS 熱田国道1号店を目指す。あぁ、こんなことなら、ホテルから名古屋へ直行していれば良かったな…と言っても始まらぬ。とにかくさっさと名古屋へ入らにゃと必死でしたね。

 

ここで2つ目の問題が頭を過る。そうです、車ですよ。車をどこに停めるか。コインパーキングに入れなきゃならぬことは想像できても、名古屋だしさぞかし駐車料金も凄いだろうな…と(汗)。そこで目指している BOOKOFF 熱田店の駐車場をお借りできませんか?という邪心が芽生えた。もちろん買い物をするのは当たり前だが…良いんじゃねぇ?そこから駅まで徒歩1分らしいし(BOOKOFF HPの説明によると)。ウ~ム…違法駐車には当たらぬことを祈りながら、12時過ぎにBOOKOFF PLUS 熱田国道1号店の前に到着!

 

BOOKOFF PLUS 熱田国道1号店

写真どころじゃなかったので、またもやBOOKOFF HPから無断借用しました(スミマセン)。

 

 

アッ‼私の Evil Mind を見透かしたかのように、駐車場入り口にはがっちりコインパーキング用のゲートが‼(無料駐車戦法=終了…)。グムム…どうしたものか?このまま入って駐車してはかなりの料金を取られそう。仕方なく入り口をスルーして、店の裏に回り込める道があったので入ってみる。裏側は名古屋とは思えぬ荒涼とした風景が広がる。あぁ、裏側は寂れてるんだな…と思ったら、誰がこんなところに駐車するんよという感じの小さいコインパーキングがある。看板を見れば、何と『入庫後12時間最大料金500円』‼マジか?

 

見よ、この荒涼たる空と街、そして料金を。とても名古屋とは思えん。

 

これは神の思し召しか?これが相場かもしれませんが、とても東京では考えられんと緊急ピットイン!(ハァハァ…)。これで何とかなりそうだ(ホッ)。

 

心置きなくレコ掘り出来るぜと、50mほど先にある BOOKOFF 熱田店の裏側から表に回り込み、いよいよ店内突入である。もう時刻も12時を回っているので、祝日という事もあって店内は家族連れやら人だらけである。特にCD棚には、オッサン集団が群がっている。ウ~ム、何やらセールがあるのかもしれないが、こっちはそれどころではない。

 

店の一番奥の壁に沿ってレコが見えた!オオォ、遂にレコ掘り開始やで!CD棚にはあれだけ人が群がっていたのに、レコ棚には自分の他にオッサン(でも私より若い)が1名居るのみ。チラッとその方を見てみれば、最近の再発レコを繁々と眺めている。フ~、これは中古には興味がなさそうだなと一安心。しかしゆっくりしている暇はないと、高速パタパタの開始である。

 

Sunset Record さんのブログによれば、行けば高確率で?ナイスなレコが出るとのこと。しかしこれだけ人が出入りしている店だ。ナイスなレコが早々出てくるか?…と思っていたら、ヤッパリない(涙)。マジで持ってないなぁ、私。ここまで来て名古屋一発目はオケラか…と意気消沈していたら、"ROCK S"からこれが出土した!:

 

The Seeds – Future ( GNP Crescendo – GNP 2038 STEREO ) US LP 見開きジャケット 1967年 990円

 

これって…オリジナル盤か?Seeds って60's ガレージ・バンドというイメージで、今まで全く手を出してこなかったんですが、確かこのアルバムはサイケだっけ?これがオリジナルなら買いたいところだけど、Late Press(後期再発)なら要らんなぁ。取り合えず、メチャ混みの店内を抜けてレジにてレーベル見せてもらうも…初めて見るレーベルで、オリジナルかどうか分かりませへん(トホホ)。

 

もうね、レジで Discogs 開いて調べるとか時間がかかるし、そもそも自分の後ろに行列作ってるしと。990円で買うかどうか迷うオッサンというのも情けないですが(涙)。ジャケ裏にリングウェアが入っているものの裂けとかないし、何しろ盤がキレイだったし。買わずに退店して、残りのレコ屋巡りで後悔するのも嫌だしな…と結局購入。

 

帰って調べたら、どうやらオリジナル盤らしい。国内盤だらけのブックオフから出てきたので (STEREO盤だけど) 、結構嬉しかったですね。

 

 

で、肝心のこのアルバムですが、ガレージバンドだった彼等がサイケに転じた3rd アルバム。どうやら Beatles - SGT Pepper's を模したらしい(録音もほぼ同時期)。『ほぼ同時期』に録音なら、影響も何もない様な気がしますがどうなんやろ?

 

色んな方がこのアルバムをレビューされてます。英語では 『This is a great album』だの、『 It's one of the best garage bands I've ever heard. Incredible Psychedelic Rock! 』と称賛の嵐。日本人レビューも『サイケデリック・ロック金字塔。3rd アルバム最高傑作!(by 神洗浄氏 in ヤフオク)』等と。

 

しかし…私の感想は、

 

「どこが良いのか分かりません」(涙)。

 

このアルバムを深く愛する方&賞賛して止まない方、どうかお教えください。このアルバムの良さを。説明されても納得するわけないよなぁ、結局好みの問題なんだから。『ラーメン屋ランキング1位!』と呼び声高いラーメンを食べても、自分の好みじゃないような感じだろうか?数年寝かせたら、自分の感想も変わるんだろうか?世評は世評、自分は自分。自分が変わらなければそれまでか(つづく…)。

 

 

追伸:私の持っている愛聴盤は、音が悪いものが多いです。でもこれは自分の趣味ではありませんが、音は良いです。何でやねん!

 

追伸2:次回はいよいよ地下鉄に乗って1件目のレコ屋がある金山へ向かいます。果たして、掘り師伝説は作れるのか?

 

追伸3:上記の "Back Street Crawler – The Band Plays On ( Atco SD 36-125 ) US LP" ですが、ヤフオク見たら "W"ロゴなしがある!えっ?と思って調べたら、"Presswell" 工場製のものに限られている模様。それ以外の工場製のものは"W"ロゴありみたいです。

 

因みに私が買ったのは、"Richmond, Indiana" 工場で作られたもので、"W"ロゴありがこの工場では初回みたいです。めんどくせーなぁ、コレクターの世界は(涙)。

 

 

★動きます★ ↓↓↓