HGUC 1/144 ジム寒冷地仕様の素組みレビューです。
発売日：2003年7月
価格 ：880円
このキットは、OVA作品「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場した、連邦軍の量産型MS、通称寒ジムをガンプラ化したものになります。ナンバーは38。登場したのは第１話と、物語の序盤で、ガンダムNT-1の破壊任務にあたっていたサイクロプス隊に見事に蹂躙され、ハイゴッグやズゴックEの引き立て役として活躍しました。ハイゴッグもズゴックEはデザインだけでもカッコいいMSですが、そのかっこよさを際立たせてくれたのは寒ジムだと思います。ちなみに、ただやられていただけではなく、アンディの搭乗するハイゴッグを撃破してNT-1の打ち上げを防衛するという任務は達成しています。
肝心のキットについてですが、まず特筆すべきは880円という激安キットという点です。その分もの足りない部分があるのも事実なのですが、ここまで安ければ目を瞑れる価格といえるでしょう。古いHGUCなので可動域や色分けには課題が残りますが、プロポーションはバッチリ、武装も一通り揃っているので、880円でここまで揃っていれば合格、というキットです。
【１】外観
（１）正面
普段は武装無しで撮るのですが、今回はフル装備で。なぜならこのキット、右手の持ち手が武器を持たせた状態のものしか付属しないのです！
とはいえ、見た目は十分に原作のイメージ通りで、OVAジムらしくカッコいいデザインです。コックピットや胸部ダクトはパーツで色分けされており、シールを使うのは頭部の赤い排気口や、腰のV字、両肩の▽部分です。
（２）背面
正面と比べると、シンプルな後ろ姿です。腿裏の赤いワンポイントはシールです。バーニア内部は本来はレッドなので、再現するためには塗装が必要です。
低価格キットですが、この時代のHGUCは、足裏の肉抜きは許しません。足裏バーニア、モールドはバッチリです！
この点だけは、REVIVE版のHGUC達に勝っています！
ちなみに、股関節のレッドはシールで再現されていますが、その代わりにアクションベース用のジョイントが一切ないので、宙に浮かせたポーズはとりにくいです。
【２】アクションレビュー
（１）90mmマシンガン
メイン武装はマシンガンです。ジム寒冷地仕様独特のデザインで、しっかり再現されています。ただし、このマシンガンが本キット最大の弱点で、マシンガン後部のストックがめちゃくちゃ腕に干渉します。そのため、ポージングが非常にとりにくいです。この武器専用持ち手はボールジョイント基部からハンドパーツまで長めの遊びがありますが、角度によってはポリキャップとボールジョイント基部が丸見えになってしまいます。
左手のみ平手パーツがあるので、シールド無しでのポーズも色々できます。ちょっとハンドパーツがデカすぎる気がしますが。
腕は軸接続で、上半身の可動域は残念な感じですが、両手持ちはしっかりできます。フォアグリップも左手側に突き出しているので、握り手を使った両手持ちも可能です。
（２）シールド
通常のジムやガンダムと同形状の、実家のような安心感を感じる大型のシールドです。連邦軍マークはシールで再現しますが、シール感が凄すぎてちょっと安っぽいです。事実安いキットなのですが。この部分は市販のガンダムデカールに変えることをおすすめします。No.53のデカールが0080シリーズ汎用のものとなっており、本キット対応のデカールが付属します。まあ、他の連邦軍デカールでもいいかもしれませんが。
（３）ビーム・サーベル
ビーム・サーベルは手首と一体成型型のものが付属します。さすがに見た目が・・・！
塗装推奨箇所です。
腰の可動範囲も狭く、足の開脚範囲も狭いので、派手なポーズがとれません。
シールドとセットで。無塗装だとちょっと締まらないですね。サーベル刃と手を塗装すれば化けるでしょう。
さらに追い打ちをかけるのが、バックパックのサーベルグリップは外せるものの、穴が開いていません！
他キットから流用するにも、無改造でお手軽にとはいかないのです・・・。
以上、HGUCジム寒冷地仕様のレビューでした。
古めのHGUCで低価格帯のガンプラということもあり、物足りない点も多いキットというのが正直な感想です。HGシリーズはガシガシ動かしてブンドドして楽しむキットだと個人的に思っているので、やはり可動域の狭さは私としては大きなマイナスです。
ただ、プロポーションは十分に素晴らしく、色分けもそんなに複雑なMSではないので、軽く部分塗装して最低限のポーズをとって飾る、という用途では良いキットだと思います。何より、価格が安いので気軽に改造や塗装ができます！
高額キットだと失敗が怖くて手を加える時に緊張しますが、安いキットなら気持ちも軽くなりますよね。低価格キットの最大の魅力だと思います。
