篤姫 11~20話 NHK 2008年放送 ※現在NHKBSで再放送中 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

原作 宮尾登美子『天璋院篤姫』
脚本 田渕久美子
楽曲 吉俣 良

レビュー一覧

1~10話

キャスト

 

感想
江戸城入りした篤姫が、家定と婚儀を結ぶまでが描かれる。
なーんて、ちょっと端折り過ぎか(笑)
於一を養女にした時から、斉彬はこの計画を立てていたのか。
しかし家定がまともでない事を前提の上で、篤姫を使って次の将軍を慶喜に推挙させるよう仕向けるとは・・・
そんな自分に与えられた使命を無邪気に果たそうとする篤姫。
そして20話。婚儀は終わったものの「お渡り」のない毎日の篤姫。そんなところへ家定があひるを追って庭に出現。ここぞとばかりに庭に出て池に落ちそうになる篤姫を抱きとめ、一瞬真顔になる家定。公方様はうつけではないと確信する篤姫。
いやー、あらかた忘れてたけど、この場面はハッキリ覚えてた。

あらすじ
第11話「七夕の再会」
幾島から徳川家や、幕藩体制についての講義を受ける篤姫。
父 忠剛から篤姫の将軍家入りを聞かされていた忠敬は、茶屋でそれを尚五郎に話してしまう。
一方江戸では瓦版で家慶の逝去が、少しづつ広まって行く。
その瓦版を見て「父のことじゃあ」と喜ぶ姿に渋面の阿部。
ペリーの再来に過激な発言を繰り返す斉昭に、家祥様に御台所でも来れば・・・と匂わせる阿部。
清猷を訪れる尚五郎。相談があって来たが、そこに西郷と大久保が来たので棚上げに。皆で妹お近の香を聞く事になってしまい、気もそぞろの尚五郎は外してばかり。とうとう皆の前で「江戸に行かせてください!」と訴える尚五郎。
後日城に呼び出された尚五郎。清猷から話を聞き、じきじきに会うと決めた斉彬は、尚五郎を「良き面構え」と褒める。
この機会にと、大久保の父は島流しから戻れるかを訊く尚五郎。確約する斉彬だが、前にも尋ねられた事を思い出す。
清猷が、尚五郎と篤姫が幼なじみだった事を話す。流れから尚五郎の失恋まで知られてしまった。「会いたいか?」と訊く斉彬。
呼び出された篤姫は満面の笑み。二人だけで囲碁をする機会を得た尚五郎と篤姫。父母と兄のことを頼みます、と言う篤姫。
帰りに大久保の家に寄り、殿の話を伝える尚五郎。西郷は喜ぶが、赦免の時期が分からない大久保は冷めた対応。


第12話「さらば桜島」
一万両(現在の5億円程)は薩摩藩が参勤交代に費やした金額。
江戸への旅立ちを前に、篤姫のお披露目も兼ね、分家の主だった家臣を集めての宴が催された。一同を前に「我が娘、篤姫である」と紹介する斉彬。そして皆の前で能が披露される。
その後、家族毎の対面。最初に本家の忠教がお祝いの後、囲碁を嗜む女子は珍しいと言うと、将棋と違い囲碁は石の重い軽いがなく、打ち手の思惑で大きく変わる。その石一つひとつが愛おしく、羨ましいと返す篤姫。姫を選んだ斉彬に得心した忠教。
対面は続き、今和泉島津家の番になるが、親しい声かけが出来ず気持ちが沈んで行く篤姫。肝付家の番になった時、兄の名代で来た尚五郎を見て明るくなる篤姫。尚五郎が大久保の母から託された毬を献上すると、今泉と今後も昵懇にする所存だと加えた。
「今泉のこと、なにぶんよろしくお願い申しまする」と手をつき涙を流す篤姫。対面は中断された。幾島に叱責される篤姫。
その後斉彬に謝罪する篤姫。父母と打ち解けて話したかったであろうなと言う斉彬に、却って名残惜しいだけと返す篤姫。
斉彬は江戸に行く前に京へ上ると話す。右大臣 近衛公の養女になるためだという。島津からの輿入れに反対する者への対策。
養女の養女、また父上様が変わるのですね・・・そう、じゃな。

篤姫の出立まで数日となったある日、客人が来たと伝える幾島。
それは今泉家の父、母、兄と、しのだった。幾島らは退席。


水入らずの時を過ごす家族。その後、家に戻った忠剛が倒れる。
そして出立の時を迎える。寝たきりだった忠剛は必死で身支度。
今泉家の前で駕籠が止まる。礼を返してはならぬ決まりだが、頭を下げる篤姫。落胆の幾島。列を見送ってから倒れる忠剛。
西郷らが港まで送りましょうと言うのにウジウジする尚五郎。
だが駕籠の行先が違うのに気付く。何かを思い出す尚五郎。
駕籠は桜島が一番きれいに見える丘に立ち寄った。駕籠から降り桜島に「これからも薩摩の皆をお見守り下さい」と叫ぶ篤姫。
そこに駆け付けた尚五郎たち。「お元気で」と篤姫。
舟から桜島を見て「薩摩を思うて泣くのはこれが最後じゃ」と幾島に言う篤姫。篤姫はこの後、薩摩の地を踏むことはなかった。


第13話「江戸の母君」 
篤姫一行が乗った船は日向灘で時化に遭い、苦しむ篤姫。
ようやく瀬戸内海に入り目覚めた時、幾島が出していてくれた母の仏像を見て心が満たされる篤姫。そして薩摩藩邸に入る一行。
江戸の奥方様から姫に届け物があるという。西陣織の反物。歓迎されていると喜ぶ篤姫。新たな父 近衛忠熙に挨拶する篤姫。
老女 村岡から向こうでの大奥入りが許されたと聞き安堵の幾島。
だが御台所の件は、正式には決まっていないと言う(公家の噂)
江戸では徳川斉昭が阿部から御台所の件を聞き、大奥に費やす金で、世継ぎが治める頃、国はなくなっておるわ!と立腹。
薩摩でその話を聞く斉彬。「なかなかに難しい・・・」
尚五郎から若い者の話を聞く斉彬は、近く行く参勤には西郷を連れて行くと言った。喜ぶ細動と引き換え落胆の尚五郎。

東海道を進む篤姫らは富士山が見える丘に着いた。拝む篤姫。
嘉永六年十月二十三日、江戸へ入る一行。薩摩を出て約二カ月。出迎えた英姫付き老女 小の島が屋敷内の説明を長々と始める。
奥方(斉彬の正室) 英姫付きの老女が持参した茶菓子に喜ぶ篤姫。
だが着いて三日経っても英姫との面会は許されなかった。
 

清猷を訪れ、江戸行きが叶わぬ事を愚痴る尚五郎。それに対して清猷は殿の命により琉球み行くと告げる。アメリカが来訪。
殿のそばで働きたいが受け入れたという。自分を恥じた尚五郎。
ようやく英姫との対面を果たした篤姫。だが御簾越しで顔も布で隠されている。幾島が話す口上(将軍家への輿入れ)に
あれは殿の早合点で、島津の分家が御台所などと思う者はおらぬと返す英姫。失意の篤姫に「老女は我が身に代えても主を守るもの、裏の事情を必ず突き止めて見せます」と言った幾島。
先の正室が逝去して三年、と次の御台所を娶る話を家祥に持ち掛ける阿部だが、自分が欲しいのは火力の強い火鉢だと言う家祥。


第14話「父の願い」
英姫は御三卿の中の一橋家の出身(名門)
幾島が、英姫への再度の御目通りを申し出るが藤野は拒絶。
それを聞いた篤姫は英姫の書院前で座り込む。幾島も同伴。
嘉永六年十一月。家祥は十三代将軍・徳川家定となった。
家定が生母 本寿院と居るところに呼ばれた阿部。御台の件を本寿院に聞かれ、上屋敷で修業中だと答える阿部。
篤姫の座り込みも四日が過ぎ、ようやく英姫が姿を見せる。
御台所の件について訊こうとするが、父上に訊けと冷たい英姫。
分家の出身故顔も見ないのですか、との問いを無視して去ろうとする英姫。篤姫が勢い余って御簾を壊す。覆面姿に驚く篤姫。
「あばたじゃと?」幾島から幼少の病が元で、英姫の顔に痕が残ったと聞く篤姫。嫌われているのではないと安堵する篤姫。

嘉永七年一月。ペリーの第一陣が浦賀に入港。
彦根藩主 井伊直弼が、斉昭の言う攘夷の大号令に異を唱える。
戦うのみ、八百万の神の御加護があると言い放つ斉昭。
江戸行きを前に忠剛を見舞う斉彬。篤姫への言づてはないかと訊かれ、一つだけお願いがありますと申し出る忠剛。
尚五郎に、西郷への餞別(三両)を託す父 兼善。それを受けて感激の西郷。尚五郎はお守りを渡し、大久保も僅かながら渡す。
一月二十一日。斉彬が江戸に向かって出発。一方幕府では合議及び交渉の末、日本とアメリカ間で和親条約を結び、下田と函館を開くことになった。江戸に向かう道中で忠剛の死を知る斉彬。
江戸藩邸に着いた斉彬。父にすぐ会いたい篤姫だが、業務が先。
篤姫を巡って英姫と言い合いになる斉彬。 
その後身内の宴を経て、ようやく二人だけの対面が叶った。
婚儀についての問題を始めて知ったと言う篤姫に「このわしを信じよ」と斉彬。また家祥の、家定への改名も伝えられた。
今泉の事を訊かれ、忠剛の死を教えてしまった斉彬。忠剛からは伏せておくよう遺言されていた。だが約束を破ってしまった。
伝えるなという娘を思う父の気持ち。知りながら伝えたのも、父の気持ち・・・
その頃薩摩では清猷が、忠剛のためお近に香を焚かせていた。
焼香に来た尚五郎に、亡くなる前日の話をする妻のお幸。
せがまれてくろがねもちの木まで忠剛を連れて行った。
「於一が遊んでおるぞ・・・」そして倒れた忠剛。


第15話「姫、出陣」
斉興から斉彬への藩主交代騒動はしこりを残していた。
高輪の屋敷で暮らす斉興と由羅。
嘉永七年。江戸暮らしにも慣れて来た篤姫は、一人残った斉彬の子 虎寿丸と仲良く暮らす。
西郷は斉彬に直々に呼ばれ、庭方役として来年家定に嫁ぐ篤姫の輿入れ道具一式の調達を命じられる。「無理でごわす」との返事に「今後儂の前で無理という言葉を使うな」と一喝する斉彬。
薩摩。西郷の活躍を知る尚五郎と大久保。ペルリの船に密航しようとした吉田松陰の話を聞いて焦る尚五郎。貴方は調整力があると言って慰める大久保は「御倉役」を任ぜられており、こぼれた米を持って帰れる事を有難く思っていた。
幕府は朝廷にアメリカとの和親条約を報告。不快の孝明天皇。

幕府内と意見が合わず海防参与を辞任した斉昭は、篤姫の輿入れや虎寿丸の嫁取り問題を島津の陰謀だと阿部に怒る。そちらも子息の一橋慶喜を使って意のままにしたいのでは?と切り返す。
だがその期待の虎寿丸が、一日病んだだけで亡くなる。斉彬は心労のあまり倒れ、重態となる。見舞いたいが許されない篤姫。
英姫の主導で皆が祠の清めと祈祷を命じられる(篤姫も)
斉彬の重態は長引き、由羅の調伏ではないかとの噂も立つ。
半年経ち年号も嘉永から安政になったが、斉彬の容態変わらず。
お由羅討つべし、と斉興の屋敷の地図を皆に見せる西郷。
その翌日ようやく目覚めた斉彬は西郷を呼び、屋敷内の様子は全て知っておる、企みは全て断念せよと命じた。事を起こした後罪を負うつもりだった西郷に、世界を広がりとして見よと諭す。

お由羅の調伏の噂は篤姫の耳にも入っていた。「一方を聞いて沙汰するな」という母お幸の教えを守る篤姫は、幾島の根回しにより、斉興からの招待状を得て高輪の屋敷を訪れる。警護の西郷。
斉彬の容態を告げた篤姫は斉興、由羅に今回の事は父の四人の子の死と共にお由羅様の呪詛のせいでは、という噂を話す。


全て身に覚えのないこと、と泣いて見せる由羅。
それを聞き、お言葉に嘘はないと信じ、皆に使えますと篤姫。
これで姫も安心して嫁げます、と幾島。「えっ?」と驚く二人に「内密だがお相手は第十三代将軍「家定」様・・・」
篤姫が高輪屋敷に行ったと聞いて驚く英姫。ほどなくして斉興から多くの見舞いの品が届いた。斉彬の容態は快方に向かった。
薩摩では尚五郎に「奥小姓・近習番」の役が与えられた。そして大久保正助の父 利世が島流しから戻り彼の未来も見えて来た。


第16話「波乱の花見」
幕府内での発言力が増す斉昭(烈公との評価)
回復した斉彬。城に上がる準備を始める(篤姫の輿入れ準備)
家定は阿部が差し入れた火鉢で煎餅を焼く。
「これがうまく焼けたら妻を娶る・・・」
斉昭は各国と条約を結んだ事を弱腰だと阿部にぶつけ、御台の話についても「島津の姫など・・・」と言い捨てる。
斉昭の七男 慶喜を家定の次の将軍に推挙する案も、却って怒りを買う恐れもあり、うかつなことが出来ない。
御老公に篤子を直に会わせたいと言う斉彬に無謀では、と阿部。

花見をやると篤姫に宣言する斉彬。床上げも兼ね斉昭も呼ぶ。
水戸で纏められた「大日本史」を読み始めていると話す篤姫。
それを聞いた英姫は「却って話が早い、破談になるにしても」と相変わらずの口調で斉彬を落胆させる。

薩摩の尚五郎。奥小姓の役も、殿が居ての仕事。溜息の毎日。
そんな時に大久保が西郷からの手紙を披露。殿に意見具申して諭された話。西郷が羨ましく、虚しいと言う尚五郎。
篤姫に大量の本が届いた。「大日本史」新たに斉昭がまとめたものだという。さすがは父上、と喜ぶ篤姫は「大日本史」漬けに。

そして花見当日。来客は水戸、越前、宇和島。
挨拶した篤姫は最新の「大日本史」を読んでいると言って斉昭を喜ばせたが、攘夷についての意見を言い始めた。
各国が交易をしたがるのは我が国が優れ、徳が高いため慕っておるのではありませぬか、と問う。そして攘夷と開国、両の振り子の極点の話を聞きたいとも。極点呼ばわりされて無礼千万!と怒鳴った斉昭だが、媚びようとしないところが何とも愉快だと言い、席を替えて二人で話し込む。


花見のあと斉彬たちが慶喜公の話を出すと、それより今は篤姫のことじゃと言う斉昭。あの姫なら大奥を束ねられるじゃろう・・
喜ぶ斉彬に父上様が下さった「大日本史」のおかげと篤姫が言うと、その覚えはないと言う。小の島の話では英姫の指示との事。
無知を笑われては当家の恥との考えに渋い顔の斉彬。篤姫は、若い頃疱瘡に罹り、素直な心を隠した英姫の思いを伝える。
英姫のところへ行き、一緒に酒を飲もうと誘う斉彬。なかなか素直に話せない英姫に「まだ時はある」布を外し盃を取る英姫。

お近に土産を持参した尚五郎だが、相変わらず腑抜け状態。兄からの便りがないのは貴方を信じているから。でも愚痴ばかり。
僻んでいるのですか、喚く方が男らしい・・・
翌朝、お近のもとに駆け付ける尚五郎。「目が覚めました」

相変わらず煎餅を焼く家定。阿部が相変わらず御台の話をしているうちに煎餅が焦げてしまった。
本寿院がそれを齧り「うまく焼けております」と笑った。
母上には勝てぬ、御台の件、その方らのすきにせよ、と家定。
嫁入りの支度を急げ、と西郷に指示を出す斉彬。
一方尚五郎に、殿から直々のお召しが下った。江戸に行ける!


第17話「予期せぬ縁組」
安政二(1855)年夏。篤姫は翌年に輿入れの予定となっていた。
幾島が、西郷の準備した輿入れ道具を「作り直しじゃ」と一喝。
一方家定は手作りのカステラを斉彬に振る舞う。阿部が姫の話をしても「こちらでは賢さなど役に立たぬ」言い捨てる。
薩摩では尚五郎が江戸に向かうところ。物陰で見送るお近。
西郷が、参考のために姫を持ち物を見たいと言って訪れ、それをのちに幾島に見つかって叱られる。
ある時、幾島が興奮して戻り「悔しい・・」と言った。
英姫が、自らの輿入れの時に持って来た道具を譲るとのこと。
有難いではないかと言う篤姫に「見下している」と怒る幾島。
江戸に着き、斉彬に面会する尚五郎。斉彬は、公儀がオランダから軍艦を買い入れ教師も呼んだと伝え、軍事を知る良い機会なので学べと言った。鋭意勉学を進める尚五郎。

秋になり斉彬に呼ばれる尚五郎。琉球に行っている小松清猷が、病のため亡くなった事が伝えられた。大恩のある方、と尚五郎。
ついては小松家に養子に行ってもらえぬかと頼む斉彬。このままでは小松家が絶えてしまう・・・
仰せとあらば、と受け入れる尚五郎に、その妹 お近と夫婦にならぬかと提案する斉彬。呆然とする尚五郎。
更に斉彬は尚五郎を奥まで連れて行き、篤姫に会わせた。
尚五郎は薩摩に帰ると篤姫に伝え、皆に席を外させた。
尚五郎は清猷の死を篤姫に伝えた。無念ですが、お近さんとはきょうだいになるのでしょう?と言う篤姫に訂正出来ない。
殿のはからいで碁盤が持ち込まれた。ずっと話し合う二人。
高輪屋敷へ行った事や、水戸のご老公との話などを西郷から聞いていて、あなたらしさを失っていない、と喜ぶ尚五郎。
怖くもありますと言う篤姫を励ます尚五郎は、自分のお守りを出す。それに合わせて篤姫も。
西郷に見送られて薩摩に戻る尚五郎。
幾島に呼び出される西郷。奔走のうえ準備した調度品を「見事じゃ」と褒める幾島。「よくぞここまでなされました・・」

その夜、安政二(1855)年十月二日、大地震が起きる。篤姫らは辛くも無事だったが、調度品はメチャクチャ。
その六日後、薩摩に戻った尚五郎。


第18話「斉彬の密命」
安政大地震の影響で、篤姫の婚儀の目途は立たず。
薩摩では、お近を妻にとの話に困惑する尚五郎。大久保正助は単純に喜ぶが、決め手がないと苦しむ尚五郎。
父の兼善が城からのお達しを受け取っていた。
「謹んでお受けすると答えておいたぞ」と言う父。

江戸では阿部が、新たに老中として就任した堀田備中守を家定に紹介していた。老中首座を堀田に譲りたいと言う阿部に
「それでやって行けるのか、儂は構わぬが」と返す家定。
裏で相談する斉彬、斉昭ら。阿部おろしの裏に井伊直弼の画策があるやも知れぬとの見立て。家定の次に慶喜を立てる事を大奥に根回しする必要がある、と言う斉昭。
斉彬が幾島に、公方様との縁組について具体的に伝える。もの要りじゃのうと言う篤姫に「西郷が張り切っております」と幾島。

小松家と肝付家との顔合わせ。浮かない顔の尚五郎を見るお近。
その晩お近が尚五郎を訪ねる。縁談を断って頂きたいと言う。
私は貴方より七つも上で体も弱い・・・尚五郎はお近をスジの通った人、私のことも叱ってくれたと話す。
やっと決め手が出来たと言って、求婚する尚五郎。頷くお近。

江戸で感慨に耽る篤姫。婚礼を待つうちに疑り深くなったと言う一方で、待ち続ける日々に鍛えられるとも。「あっぱれな心意気にございます!」と持ち上げる幾島。
その数ケ月後、尚五郎とお近の祝言が行われた。


安政三年。篤姫の婚儀が決定し、輿入れ準備として、近衛家との養子縁組が先駆けて行われた。
十二月の輿入れの一ケ月前に大奥入りする篤姫。
その時期にタウンゼント・ハリスが下田に来港。
再び輿入れ準備を整えた西郷を絶賛する篤姫と幾島。
出立前夜、斉彬に呼び出される篤姫。「申し聞かせる事がある」
「我が国は他国と和親条約を交わし、交易を迫られている。開国と攘夷で国が割れる状況。最も大切なのは幕府の立て直し。そのための姫の入城。まずは家定様を援け支える。世継ぎを作るのが一番だが、次なる公方様は慶喜様であるとするよう家定様を説得するのが大事な仕事。おなごの身ならばこそ出来ること」
「承知致しました。一命に代えても果たします」と返す篤姫。

次いで英姫に呼び出される篤姫。見せたいものがあると言って顔の覆いを取った英姫。「おきれいでございます」と篤姫。
なぜ私に?の問いに、分らぬが、そなたと隔てなく話したかったと言う英姫は、風が心地よいと呟く。
「御台所の務めをしかと果たすがよい。息災でな」との言葉。

出立の朝、盃を交わす斉彬と篤姫。お篤と呼べるのも今日までじゃな、と斉彬。これからは御台様と呼ぶことになる。
大奥より年寄の滝本が迎えに来て、城に向かう篤姫。

第19話「大奥入城」
薩摩藩邸に入ってから三年。ようやく篤姫が江戸城入りした。
行列は六日間にも及ぶ。篤姫が暮らすのは「新御殿」

大奥を仕切る滝山による説明。

篤姫の世話をする年寄、常磐井と初瀬。篤姫にお目通りが叶う者は約二百名、大奥の女子衆は千人に及ぶ・・


一方家定は篤姫の名を聞いても「誰だ?それは」と言う始末。
アメリカからプレジデント代理のハリスが来て拝謁の希望を伝えると「よいぞ」の返事。慌てる側近に「ならばやめる」
画策を進める斉彬や斉昭たち。今注視すべきは彦根の井伊直弼。次期将軍は紀州の慶福様であるべき、と話している。
篤姫の挨拶は夜まで続く。明日は本寿院様への挨拶、と滝山。
滝山の愛想のなさに怒る幾島。家定様にいつ逢えるか、と篤姫。
この様な晩に眠れぬわ、と言いながらストンと寝る篤姫に
「肝太き姫じゃこと・・・」と幾島。

翌日、下女らの話す「あの様な公方様に輿入れ・・」との噂話を聞きつけて一喝する幾島。
朝、目覚めて起きた篤姫は、起きてはいけませんと制止される。
寝た姿での髪漉き。食事中に髪結い。一箸毎に魚を変える・・・

本寿院との面会の日。転びそうになる篤姫を支えた者がいた。
初瀬が幾島に、ただ一人の公方様の側室 志賀だと教えた。

上座に案内された篤姫だが、本寿院の前に来て座り挨拶をする。
大奥での心得を聞くと、何をおいても「お世継ぎを」と言った。
一方斉彬は西郷に、井伊直弼の動向を調べ報告せよと命じた。

薩摩では、尚五郎が次第に小松家当主として馴染んでいた。だが来訪した大久保に、自分が死んでいる様な気がすると話す。

篤姫が食事の折りに滝山が来て、振り返った幾島の袖に椀の汁が付く。滝山がそれを見て大奥では倹約のため袖に当て布をしていると話すと、篤姫の費用は薩摩から出ているから口出し無用、と言う幾島。あっさり引き下がる滝山。
どうも調子が狂う、滝山の正体が掴めないと言う幾島。

大奥のしきたりを次々に修正して行く篤姫。髪漉きは左右同時。髪結いは食事のあとに・・・対応に苦慮する初瀬。
苦情が本寿院に行くが「お世継ぎさえ生まれればそれで良い」
ある日篤姫が「庭へ出たい」と言い出す。その程度ならと初瀬が手配する。そこにかくれんぼで逃げて来た家定が来る。
「なにやつ!」と咎める幾島に「公方様でございます」と初瀬。
篤姫も驚いた。「あの方が・・・家定様?」

第20話「婚礼の夜」
幾島に「庭で見たあれはどういう事じゃ」と訊く篤姫。
たいそう無邪気な方、とトボける幾島はお世継ぎを授かる心得として巻物を渡す。少し開くと春画まがいの絵。慌てる篤姫。
公方様はうつけという事はないかとの問いには「薩摩のお殿様をお信じあそばせ」と言うばかりの幾島。
滝山と立ち話の折りに、公方様のうつけ、暗愚とはいかほど、と訊く幾島。そんな事は一切ないと返す滝山は「覚悟の上で入られたのでしょう」と重ねる。相手が悪かった。魔が差した・・
薩摩よりお菓子が届いておりますとの知らせに、いそいそと見に行く幾島。その菓子の下には手紙が。斉彬の命により小の島を通じて連絡を取り合う。また家定の事について調べて欲しい。

斉彬と阿部の密談。慶喜擁立の話は、まだ新老中の堀田正睦には話していない。篤子の味方は阿部殿だけと念を押す斉彬。
婚礼の前日、阿部が篤姫を訪ねる。互いの事を斉彬から聞いているので、初顔合わせと思えない。何でも聞きたいことを、と言われハリスの事を訊く篤姫。江戸入り、交易を望んでいると話す。
もう一つは公方様の事。もし尋常でないお方だとしたら、私などではどうにもならないと言う。阿部は家定のことを「世に隠れなき武家の統領におわします」と断言した。

そして婚礼当日。安政三(1856)年十二月十八日。
御対面所での婚礼の儀式。

思わず家定の顔を盗み見て「顔に何か付いておるか?」と問われる篤姫。儀式の間は相手の顔を見ず、言葉も交わさないようにとの、侍女の言葉。
それに構わず「儂は三度目じゃ、そちは何度目じゃ?」と訊く家定。「初めてにございます!」「疲れるぞー」・・・
三々九度の儀が済むと一旦休憩。近衛家老女「村岡」(今は養母の立場)の挨拶を受ける篤姫はここでも公方様の人となりを訊くが「大そうご立派な方と聞いている」と答えるのみ。

そして夜の寝間入りの儀式。幾島は廊下の手前までしか行けず。
待つ篤姫の元に家定が渡って来る。家定は盃の儀もやめよと侍女に言って下がらせる。ただ屏風を介して女中と尼二人が控える。
「疲れたから寝る」と床に入った家定に大声で挨拶する篤姫。
飛び起きた家定は何か面白い話でもしろと言う。それでハリスの話を持ち出すと「そんな話は二度とするな!昔話でもせよ」
それで「昔々あるところに夫婦にネズミがおりました・・・」
と言ったところで篤姫が寝落ちしてしまう。驚く家定は酒を持って来させて深酔いそてしまう。

翌朝昨夜の顛末を聞いた本寿院は「世継ぎはどうなるのじゃ・」
幾島が寝過ごし、篤姫のところへ駆け付けると、仏間で歴代将軍への挨拶との事。だが家定も本寿院も体調が悪く、一人志賀だけが控えていた。この二人で挨拶を済ませる。
戻ると幾島から昨夜の事を責められる篤姫。昔話をしているうちに寝てしまったと聞き呆れる幾島。
そこにいた中﨟の事を訊かれ、公方様の側室 志賀様と話す幾島。「側室がおるということは、まとも・・・」と篤姫。
だがその後家定からのお渡りは全くなかった。
 
庭で声がして篤姫が見に行くと、家定があひるを追って走り回っている。それを更に追う志賀。それを見て「私も」と足袋のまま庭に出て一緒に追う篤姫。だが勢いをつけ過ぎて、池にかかった橋の上で落ちそうになる。その手をパッと掴んだ家定は、そのまま篤姫を抱き抱えた。

「危ないではないか」真顔で言う家定。

だがその直後「だめじゃ、だめじゃ」と言って去ってしまった。篤姫を見て静かに頭を下げる志賀。
幾島に言う篤姫「分かったぞ。上様はうつけなどではない。その証、私が必ず立てて見せる」