感想
こういう番組こそが教育テレビの真骨頂だろう。
一度観ただけで済ますには惜しいため、記事に残した。
テッポウウオやクマドリカエルアンコウの捕食シーンは、話には良く聞くが、ナマの現場は初めて観た。
ベニイロフラミンゴは、営々と繰り返されて来た繁殖の営みが、地球温暖化のために続けられなくなる事で、絶滅の恐れもある。
ただこのフラミンゴは陸のカテゴリーではないか?・・・
末尾は毎度おなじみのNHKの決め文句だが、せつない・・・
内容
語り 堤真一、森田美由紀
地球表面の7割を占める海。生命は多様な進化を遂げた。
アルゼンチン バルデス半島。
南半球からミナミセミクジラが来る。それは子育てのため。
シリーズ開始から20年。イギリスBBCとNHKの共同制作。
メキシコ カリフォルニア湾。
ムンクイトマキエイが繁殖のために集まる。
その集団に呼び寄せられてシャチが来る。
チームワークで追いかけ狩りをする。
フィリピン沖。最も命にあふれている。
呑気に泳ぐミノカサゴの仲間。小さなものがピョンピョン動くのを追ううちにクマドリカエルアンコウに食われた。巧妙な罠。
北米沿岸の海。海藻ケルプの森。
体長50cmほどのカリフォルニアネコザメが泳ぐ。
一方カリフォルニアカスザメ(体長1.5m)が砂に隠れて、長い時は数日間も魚を待つ。捕まえた!
ネコザメも襲われるが、しばらくして吐き出され生還。
背びれのトゲのおかげで助かった。
インドネシアのラジャアンパット諸島。
ある魚のユニークな狩り。テッポウウオ。
水中から虫を狙って落とす。思うほど簡単ではない。
優れた視力。ターゲットまでの距離と角度を見積もり噴射。
20m離れても命中させる。だが落とせても奪われる事がある。
同種の仲間が最大のライバル。
その回避のため。直接ジャンプして獲ることもある。
南アフリカ ロベルグ半島。南アフリカオットセイの一大繁殖地。子供らが海を目指して移動。泳ぎは既に一人前。
それを狙う恐ろしい敵「ホオジロザメ」最強のハンター。
それを分かっていても、エサを取りに海に入らなくてはならず。
小魚の群れに隠れて迫るサメに食われる。
だがオットセイが集団になると立場が逆転。追い出されるサメ。
外洋は海の砂漠。巧みに命を繋ぐ。捨てられた漁網も産卵場所。
カナリア諸島のオキナガレガニの仲間。漂流物に乗って海の砂漠を旅する。繁殖相手を探すが、遠くまでは行けず。
そこにはラッキーなことにメスがいた。
カメの甲羅は二匹の棲家になった。
カニは甲羅の手入れで恩返し。
海の砂漠より厳しく、謎に包まれている深海。
水深1000mで現れたフクロウナギ。
自分より大きな者も飲み込む。
水深3000mになると水温も4℃に低下。
カリフォルニア沖に棲息する、パールオクトパスというタコの群れ。約2万匹。大集団を作ることは知られていなかった。
子孫を残すため、熱水が出る場所を選ぶ。水温は10℃以上であり卵の成長が早い。それでも孵化に2年かかる。母ダコは場所を決めると産卵後は動かず、卵に新鮮な水を送り続ける。
生まれるまでほとんど何も食べず、産まれた子を送り出すと、母ダコの命は尽きる。親から子へと命は託された。
人間の活動により、生き物は変化に直面している。
南米チリ沖。カタクチイワシを糧にして生きているオタリア。
その行動が異常。目指しているのは漁船。
全長800mもの網で魚を捕える「まき網」漁。
漁業を利用する術を見つけた。
編に開いた穴から洩れ出る魚を捕えて食べる。
更に貪欲な者は編の中に入る。狙いは網巻き上げのタイミング。
イワシが集まって捕まえ易くなる。こうした狩りを行うのは数千匹。今や船のエンジン音を聞くと集まって来る。
だが人間に近付くことで危険も増す。
網を巻き上げる時に取り残される者が出る。
猟師が網を緩めてやり、何とか脱出。
今、人と生き物のせめぎ合いが、世界各地の海で起きている。
メキシコ ユカタン半島。
人の営みが生き物に影響を与えている。
数百キロかなたから来るベニイロフラミンゴ。目的は子育て。
塩分濃度が高く過酷だが、その分天敵はいない。
卵を一つだけ産み、育てる。
近年、ここを季節外れの嵐が襲う。温暖化により嵐の時期は早まっている。高くなる波で巣が水没。ヒナが死ぬ。
生き物たちは今、経験した事のない環境で生きることを強いられている。これからもこの世界で食を繋いで行けるのか。
地球の未来は私たちに委ねられている。