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自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション

インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ

 

 

 

 

 
↓9年後↓
 
 

杉板にライトグレーの塗装を施した外壁ですが、築後9年目でこんな感じになりました。

 

若干の色褪せはあるものの、それがかえっていい味を醸し出しています。

 
 
しかしこれを「劣化している」「汚れている」と捉える方もいるでしょう。
 
 
感性や価値観は人それぞれのため、家づくりは住宅会社と施主の価値観を互いに確認し合うところから始めることが大事です。
 
 
 
 

玄関ポーチはウッドデッキと兼用なのですが、大きな傷みは見られませんでした。

 

土足のため本来は劣化スピードも速いはずなのですが、やはり屋根がかかっているというのが大きいのでしょう。

 

 

 


家づくりにおいて重要なことと言えば、耐震性、断熱性、デザイン、様々あると思いますが、メンテナンス性も無視できません。

 

 

例えばビニールクロス(壁紙)ですが、毎年多くの補修依頼が来ます。

 
 
 
 

 

 

クロスの厄介なところは、自分自身での補修が難しい上にちょっとしたことで傷付いてしまう、という点です。

 

小さな補修でも費用が1万円以上かかることもあります。

 

 

汚れに強く水拭きも出来る、という面ではメンテナンス性は良いと言えますが、補修に関してはメンテナンス性が悪い、とも言えるのです。

 

まあどんな素材も一長一短ですね。

 

 

 

そんな中でも私がオススメするのは板張り仕上げです。

 

 

 

 

板張りの中でも、特に「板張り+ホワイト塗装」がメンテナンス面ではかなり優れていると実感しています。

 

 

ベタ塗りにするのではなく、木目がやや透けるようなラフな仕上げにするのがポイントです。

 

そうすることでちょっとくらいの補修は自分でも出来てしまいます。

 

そもそもラフ仕上げなので汚れやキズも気になりにくいんですけどね。

 

 

 

この板張りホワイト塗装仕上げは過去かなりたくさん採用してきたのですが、補修やメンテの依頼はほぼありません。

 

これはお施主さん住宅会社双方にとってメリットです。

 

 

引渡し後、メンテに伺って「全部屋板張りにすればよかった。泣」と言われたこともあります。

 

 

とは言ってもクロス仕上げに比べて初期コストは間違いなくアップします。

 

家づくり中はコストとの闘いなので難しい問題ですね。

 

 

 

 

 

 

他にもメンテナンスで度々論争が巻き起こるのが換気・空調設備です。

 

 

「複雑な設備を入れて後悔している」

 

「換気フィルター掃除が地味に辛い」

 

 

昨今の換気扇は熱交換型など性能面がかなり進化しています。

 

 

ダクト式がいい、

 

いやいやダクトレスでしょ、

 

いやいやいやそもそも熱交換いらないでしょ。

 

 

住宅業界の中でもけっこう意見が割れているんですよね。

 

なのでどれが正解なのかは今のところ明言できないです…

 

 

 

とはいえ私自身は昔ながらの三種換気を選択したんですけどね。

 

換気方法も設備も物凄くシンプルです。

 

 

この数年、自身で色々と実験してメンテほぼ不要の三種換気で十分なのでは?

 

と思っているのですが、まあ異論は認めます。笑

 

湿度管理の面では少々苦労しますしね。

 

 

 

 

自分にとって何が快適なのか、何を優先すべきなのか。

 

住宅会社の営業マンが言うことだけを鵜呑みにしてては後々後悔するかもしれません。

 

時には実際に家づくりを終えた方の意見や感想をSNSなどで拾いましょう。

 

 

そこにはプロ目線では見落としがちな大切なことも書かれていますので。