科学への道、大学の夢

 

著:古川 安

 

2022年1月19日 初版

一般財団法人東京大学出版会

堺市立図書館より貸出

 

津田梅子の伝記本を読みました。

本書は津田梅子がアメリカのブリンマー大学で

生物学を学んだことが彼女の人生に

どのような影響を与えたか、

津田梅子が生物学を学んだことが

日本の女子教育の歴史において

どのような意味を持つのか、

についての論文を元にしています。

学術書ではありますが、取っつきやすく

一般書のように気軽に読めます。

 

津田梅子には生物学における学才があり、

共著論文ではありますが

外国の学術雑誌に日本人女性として

初めて論文を発表しています。(p.76)

 

津田梅子だけではなく

彼女の後継者の星野あいを通して

女子の為の理系の教育の

系譜を描いています。

 

本書を読んでいると河合道なども出てきて

小説「らんたん」が思い出されました。

 

 

あまり知られていない津田梅子の

科学者としての一面を知れると同時に

改めて日本の女子教育を築いた偉業が

よく分かる本です。

在学時代に社会主義者である

山川菊栄の思想を警戒しながらも

その才能からコロンビア大学への

留学を勧めた梅子が

晩年、菊栄と親しく交流していた

エピソードが良かったです。