モノマネ芸人らりるREIさん(提供写真)

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 滝沢カレンのモノマネで知られる女芸人、らりるRIEさんが乳がんになったことを日刊ゲンダイで初告白。GW前に手術が終わったばかりだ。がん宣告の瞬間と経緯を語る。

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 去年の9月、右耳の真横が大きく腫れたことがきっかけでがんが見つかったんです。「小顔マッサージをやり過ぎか」と放っておいたら、ボコッと大きく腫れてきて。

 最初の病院では抗生剤を出され、様子を見ることに。でも、変化はなく次にかかりつけの耳鼻咽喉科に行くと、紹介状を書いてもらい、大きな病院へ。そこでMRI、CT、エコーとやってくれたけど血液検査はなかなかやってくれなくて。不安になり、家族に相談すると、悪性リンパ腫かどうかを調べた方が安心できるという結論に。

 別の病院にかかり、精密検査でMRI、CT、エコー、細胞診、全身のPET-CTをしたら「何かの炎症でリンパ腺が腫れている。一過性のものではないか」と。その時、耳下腺をMRIで撮影した際に左胸の上部が写り込み、「白っぽいものがある。気になるから乳腺外科へ」と紹介されました。

 ここまでが長かったし、全身のPETでも陰性だったし、「これ以上検査する必要あるのか」と甘く見ていたので、初めて乳がん検査で「悪性の乳がんが見つかりました」と言われた瞬間は呆然としました。あまりに意外すぎて「そ、そうなんですか……」としか声が出なかった。

 マンモグラフィーやエコーでは出ず、MRIでわかった初期の乳がんで非浸潤性のステージゼロ。宣告されたのが2月7日でした。

 今は転移はしないおとなしいタイプのがんですが、主治医いわく「放っておいて浸潤性に変われば命に関わる」と。

 ちなみに、耳下の腫れとはまったく関係ないらしいんです。耳下腺炎はその後徐々に収まってきました。だから、本当に不思議で。私にがんを知らせるために腫れてくれたのかと思っています。腫れてなければ、乳がんに気づかず、ステージが進んだと思いますから。今では「教えてくれてありがとう」と耳の近くの腫れに感謝しています(笑)。

 私はギリギリ30代なので、がんは遺伝性かもしれない。以前、アンジェリーナ・ジョリーさんがBRCA1といって疾患を引き起こす遺伝子を持っているので、乳がんになっていないけど胸と卵巣を切除したとニュースになりましたよね。

 私は遺伝子の検査を受けたら、RAD51Cという遺伝子に該当。これは普通の人より乳がんになる確率が約17〜30%高いらしい。卵巣がんも少し高いと。卵巣のことは40代半ばに考えるとしてまず乳がんは部分切除か全摘出かの選択に迫られました。

 母と先生と3人で話し合い、母は「とらない方法はないですか」と聞いていましたが、先生は全摘がいいと。結局は「いつ再発するか不安を抱えながら生きるより、いっそ全部とった方が安心」と決めました。

 でも、私は胸に痛みがまったくなく、しこりもないのでモノマネや舞台の仕事を続けていましたし、「本当に乳がんなのか」と実感もなくて。

これから左胸の再建手術を

 全摘手術は4月22日。前夜に入院しても不安でした。ペットのカエルが枕元にいると安心しますが、病室に入れられないですしね(笑)。

 手術は成功し、術後から今はやたら元気です!

 この先は左胸の再建手術が始まります。皮膚を拡張させる機械を使い、取った部分に生理食塩水を入れて膨らませていく。2カ月かけて固定してそれから半年後に再建の手術。

 胸には自分の体の脂肪を移植する選択をしました。シリコーンは寿命があるので10年とかの間隔で手術ですが、体の脂肪なら細胞組織ですから一生もの。自分の体を切るのはまた怖いけど、1度で終わらせたいから。

 あと、乳頭・乳輪の再建は皮膚移植やタトゥーを入れたりするのですが、写真を見たら本物そっくりのクオリティー! 驚きました。

 最初は乳がんを家族以外には知られたくなかったです。知られるのはつらいし、私は人を笑顔にする元気キャラな女芸人でやっていたいから、ネガティブな発信をしたくなくて。

 でも、がんの見つかり方が不思議だし、これって運命じゃないかと感じ、少しでも女性の役に立てる情報を発信したいと思いました。

 ゲンダイさんは芸人の私を初めて取材してくれたので、お話をさせてほしいと思いました。こんな私ですが、芸も頑張っていきますのでよろしくお願いします!

(聞き手=松野大介)

▽らりるりえ 1984年8月、熊本県出身。日本大学芸術学部演劇学科を卒業後、俳優活動を経てモノマネ芸人に。ユーチューブ「ブリッヒー!News Channel」に出演中(乳がんの密着動画を11日夜に配信予定)。