Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(495)

2024-03-26 00:10:00 | コラム
や「ま」→「ま」ーくえるれすたー

いわゆる映画作家を有難がり、職人監督をおろそかにしがち。

映画マニアあるある。だろうか。

もう少し分かり易くいえば・・・
作家性の強い監督が撮る映画こそホンモノだ! ジャンル映画はべつに…みたいな感覚というか。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)や『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)がオスカー作品賞に輝いたときの「あの盛り上がりかた」は、そんな背景―おろそかにされてきた―があったからこそ。

マーク・L・レスター監督も、そんなジャンル映画の名手。
77歳となった現在はほぼ引退状態。ではあるものの、80年代米国「ジャンル映画」を牽引したひとりとして忘れちゃいけない存在だと思う。

82年、学園内の教師と生徒の対立をバイオレンステックに描いた『処刑教室』がスマッシュヒットを記録し次代の担い手と目される。


その期待値の大きさは、『炎の少女チャーリー』(84)の監督に抜擢されたことにうかがえるだろう。



スティーブン・キングの原作、
子役ドリュー・バリモアの第二作目、
脇にはジョージ・C・スコットとマーティン・シーンというエグいほどのメンツ。

ただヒットはしたが、原作の重要な部分を改変してしまったため、監督の力量を評価する流れにはならなかった。
いささか気負った感じは、たしかにする。

そんな不評を一瞬で吹き飛ばしたのが、翌年の『コマンドー』(85)だった。



前年に『ターミネーター』(84)が大当たりしたシュワ氏が主演、
マシンではなく生身のヒトではあるものの、無敵という点ではほぼターミネーターと一緒。
殺しの際にいちいち捨て台詞を吐く展開―面白いヤツだな。気に入った、殺すのは最後にしてやろう―もウケて大ヒット、日本では『バタリアン』(85)と二本立てで封切られた際にもヒットしたが、ビデオ発売や(度重なる??)テレビ放映の際に新規ファンを「どんどん」獲得していき、いまでもこの映画を推す異常者・笑 は多い。

もちろん「シュワ氏あってこそ。」の映画ではあるが、レスターの手際のよい・フットワークの軽い演出も評価されるべきでしょう。


86年、『私立ガードマン/全員無責任』。
90年の『クラス・オブ・1999』は大ヒットというわけでもなかったが、一部のジャンル映画好きにウケて「レスター監督、まだまだやれんじゃん!」みたいな。



そんな自分だってスコセッシや黒澤のことしか語らないといわれたりしますが、
レスターだけでなく、たとえばジョン・カーペンターとかピーター・ハイアムズとか、ジャンル映画を主戦場とする職人さんのことにも目を向けなきゃね。。。


あすのしりとりは・・・
まーくえるれす「たー」→「たー」みねーたーつー。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(496)』
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