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DAZN観戦 2024年J2リーグ第3節 ヴァンフォーレ甲府vs栃木SC

2024-03-11 16:01:44 | サッカー視聴記(J2)

<甲府スタメン>

<栃木スタメン>

  • 福森の故障離脱が発表され、2/10に発生して全治8ヶ月との事。
  • 前節(山形戦、1-3)ハーフタイムで交代した佐藤祥はベンチ外に。詳細は不明。

ステップアップというよりは、J2への生き残りを賭けて粛々と戦っている。
2018年のJ2再昇格以降、傍らから見てそうした歩みを余儀なくされている感じの栃木。

前監督・時崎悠氏が落とし込みを図った(と思われる)、「4局面を全て活用するサッカー」も、明らかな戦力不足の中では細々とした印象を振り払えずに終わり。
新たな監督には初挑戦となる田中誠氏を選択と、不安を抱えながらのシーズンインは必至な立場。
そしてその入りは連敗スタートでその危惧は現実のものに……と、マイナス要素と常時抱き合わせの状態。
早急にそれを払拭させる、つまり一つ結果を出して肩の荷を下ろしたいのは言うに及ばず、といった所でしょうか。

この日は甲府のホーム・JITリサイクルインクスタジアムにマスコットのトッキーごと乗り込んで試合に臨み。
栃木とは対照的に開幕2連勝と上昇機運に乗った感のある甲府ですが、そのピッチ内には強風という、これまでの歩みを乱しかねない要素が舞い降りました。

コートチェンジにより、前半風上を取ったのは栃木。
そのため向かい風の中での戦いを強いられる甲府は前半2分、自陣でのボール奪取を経て、佐藤和がすかさず裏へロングパス。
これが風により勢いを失うも、後ろ向きでの対応を強いられた平松がクリア出来ずにゴンザレスに収まるというシーンを生み出します。(その後ドリブルでエリア内を突くも、ディフェンスに遭いコーナーキックに)
向かい風を計算に入れたかのような難しいバウンドボールに、こうしたクレバーさを取り入れる事で不利な状況の打開を図ったかに見えた甲府。

しかし偶発性も高いシーン故に乱発する訳にはいかず、主な手段は地上からのビルドアップ。
それに対する栃木の守備の方が、圧倒的にクレバーさを感じた事で常時後手に回る、という展開を強いられます。

クレバーとはいっても栃木のやった事は単純で、前線のプレッシングはとにかくスライドを重視。
5-3-2の布陣から、ひたすら前線5人のスライドで甲府のパスワークに対応するというものであり。
相手がサイドに出した際にウイングバックが前に出るという事は全く行わず、俗に言う「プレスの連動性」からはかけ離れた、言わば絡め手を取ったものでした。
つまりは常時数的不利でのプレッシングは覚悟のうえで、裏を取られるリスクを無くしたというシステム。

一見するとその人数の有利さから甲府が剥がしやすいという状況ですが、それでも縦に速い攻撃・ショートカウンター重視な反面、短く繋ぐビルドアップの面では難を抱えている現状の甲府。
前年前半戦に見せていた、GK河田を加えての繋ぎも全く見られずに(シーズンが進むにつれすっかり雲散霧消したようで)、みすみす数的優位を逃しているという印象を受けました。

そして栃木がアバウトな攻撃重視でペースを掴み、7分には左スローイン→大島フリックでエリア内を突き、クリアされるも跳ね返りを神戸が直接ミドルシュート。
GK河田がセーブして防ぐも、攻守双方で栃木の前線に苦しめられる状態となっては、決壊は必然となったでしょうか。
迎えた11分、ここも大森が低い弾道でロングパスを送り、跳ね返りを大島の落としからの繋ぎを経て奥田が左奥を突く好機。
最初のクロスはブロックに遭うも、拾い直して再度上がったクロスを、大島が逆向きで合わせてのヘディングシュート。
難しいフィニッシュながらも、ファーで矢野が囮となっていたのも幸いし合わせきってゴールに突き刺し、相手から奪ったペースをそのままスコアに結び付けた栃木。

何とか反撃に入る甲府。
栃木の前線のディフェンスを受け、最終ラインでの繋ぎ+前線へのロングボールを混ぜ合わせて対応に掛かり。
そのロングボールが風により伸びない影響か、栃木は左右のセンターバックのうちの1人(主に右のラファエル)が、一列前に出てそれに備えるという立ち回りを見せるようになり。
蹴られる前からその立ち位置を取る姿は、上記の数的不利なプレッシングのカバーという側面もあったでしょうか。
仮に網を突破されても4枚残して守備をするという、決壊に備える思惑が強く表れた格好に。

攻撃機会は多くなるも依然として先は不透明という甲府、21分に右スローインから宮崎純が入れ替わりで直接ポケットを突きに掛かる、変化を加えての好機。
そこからのクロスが防がれて右CKになると、クロスの跳ね返りを木村がヘッドで繋ぎ、エリア内での混戦を経てアダイウトンがシュート。
しかしGK丹野がセーブと、やっと生み出した決定機も防がれてしまい。
26分には得意手の、敵陣でのボール奪取からショートカウンター。
拾ったアダイウトンがエリア内へスルーパスを送り、中央のゴンザレスの奥に走り込んだ宮崎純がシュート。
しかしこれも藤谷がブロックと、どうしても栃木ディフェンスを上回る事が出来ません。

次第に反則が膨らむなど、苛立ちを隠せない状況を強いられる甲府。
栃木がセットプレーで時間を使い、中盤からでも放り込む立ち回りを貫いていたのもその一因となり。
35分にはこぼれ球の争いで大島が(佐藤和に)反則を受け、栃木の中盤からのフリーキック。
キッカー石田がエリア内中央へ送ったロングボールに、矢野がフリックの形で合わせるヘディングシュート。
GK河田がセーブし、跳ね返りを拾った小堀が追撃するも、このシュートもセーブした河田。
焦りから追加点を……という展開を、瀬戸際で凌ぎます。

すると37分、栃木の前線に対し左→右のサイドチェンジを絡めて前進と、その歪な体制を突く攻めをようやく見せる甲府。
ここから得たCKが2本続くと、その2本目が実り、キッカー荒木のクロスの跳ね返りを出足良く拾いにいった木村。
これが神戸の足に引っ掛かり倒れた事で反則の笛が鳴り、それがエリア内だった事でPKを獲得します。
これをアダイウトンがゴール右へとしっかり決め、同点となり。

判定を味方に付けた格好で追い付いたのも束の間、直後の栃木のロングボールの競り合いで、小堀がアダイウトンに倒されて反則の笛が鳴り。
たまらず激しく異議を唱える篠田善之監督。
これまでもこうしたロングボールが甲府の反則を生み出していた場面が目立っていただけに仕方無いのでしょうが、折角の味方に逆らうといったその姿で、悪循環を完全に振り払えずとなってしまった感がありました。

その後も、アダイウトン・ゴンザレスのパワーを活かしての攻撃を仕掛ける甲府。
アディショナルタイムには荒木がロングスローを投げ込むなど、パワーサッカーへと針が振れながら、2点目を狙ったものの果たせず。
1-1のまま前半を終える事となりました。

そして迎えた後半、HTでの交代も無く。
それ故に栃木の守備体制も変わらず、また流れの面でも、後半2分に矢野が今津との競り合いで痛むという具合に甲府が判定に不満を持つというのは変わらず。

今度は向かい風となった栃木は後半4分、最終ラインから繋ぐ組み立てを経ての好機、平松の縦パスを受けた大島がデュエルを強いられる中でボールキープを果たし。
そして右への叩きから石田がダイレクトでクロスを送ると、ファーで受けた矢野のポストプレイを経てシュートに持っていった大島。
GK河田のセーブに遭うも、最初に決定機を生み出した事で精神的優位に立てたでしょうか。

その後は甲府が、助っ人選手のパワーを活かしながら押し込みを図りますが決定力に欠け。
栃木への対策としては、荒木が若干引き気味となり、アダイウトンがWBのように振る舞う事が多くなってきた左サイド。
これにより石田を引き付け、その裏を取りにいった感がありましたが、大きな成果は見られずに時間が進んでいきます。
13分にベンチも動き、関口・三平→飯田・ウタカへと2枚替え。
今季初出場となる飯田の存在で、何とか流れを齎したかったですがそれも果たせず。
16分にようやく、左サイドで木村縦パス→アダイウトンポストプレイで石田を引き付け、荒木のスルーパスという変化の姿勢からの攻め。
裏を取ったアダイウトンがエリア内へ駆け込んだもののラファエルのカバーに防がれ、折角の変化も実らずとあっては好循環が得られないのも道理であり。

それでも個の力を押し出す甲府の姿に、19分にはアダイウトンのドリブルを反則で止めた石田が警告を受けるなど、栃木も必死の守備対応。
20分に最初のカードを切り矢野→宮崎鴻へ交代と、スライドを強いられる前線の消耗も伺い知れ。

ホームの場で何とか勝ち越したい甲府、24分再び個の力を発揮しての好機。
アダイウトンの風を考慮したラフなロングパスに宮崎純が痛烈に走り込み、ボールを確保したのち右奥からマイナスのクロス。
ニアでウタカがトラップによりラファエルを剥がした末にシュートと、巧みな対応を見せたものの、逆サイドからの石田のカバーにより防がれ。
剥がされても必死の対応と、この日の栃木ディフェンスは一味違っていたでしょうか。

その後25分、今度はアダイウトンが石田への反則により警告と先程とは逆の判定を経て、栃木の中盤からのFKで放り込み。
しかしここから齎されたのは甲府のカウンターで、一旦は宮崎純のドリブルが阻まれるも、クリアをゴンザレスがブロックし継続。
飯田がドリブルで右奥へ切り込みクロスに持ち込みますが、威力に欠けてフィニッシュには持ち込めません。

28分に宮崎純→鳥海へと交代し、流れを変えに掛かる甲府。
FKでの素早いリスタートから攻めかかるなど、勝ち越しに向けてテンションも高まりつつあり。

しかしその結果、逆襲されると予想以上に脆くなっていた感があり。
29分、栃木がついに敵陣でのボール奪取からショートカウンター(奪った小堀がそのままミドルシュート・ブロック)と、前線の守備体制が実る形を作り。
そして好循環を得たまま迎えた31分、ロングフィードからボールが右往左往する空中戦を経て、収めた神戸が中央突破。
細かいタッチでのドリブルで甲府を崩したのち、大島→奥田と経由してエリア内で持った宮崎鴻、密集を物ともせず不意を突くようにシュートを放ちます。
ゴール左へと突き刺さり、値千金の勝ち越し弾に沸き上がる栃木サイド。

まさかの中央から、しかも人数を確保していたにも拘わらず崩されてしまった甲府。
失意は隠せないという状態で、尚も34分に決定機を迎える栃木、またも中央での崩し。
神戸浮き球パス→宮崎鴻フリック→小堀と経由し、小堀のポストワークからの右への叩きを経て石田が走り込んでシュート。
GK河田が何とかセーブと、再び追加点を済んでの所で防ぐという流れを強いられます。
直後に栃木は奥田・大島→南野・森へと2枚替え、前線の運動量を担保しに掛かり。

何とか正気を保ち攻め上がる甲府、40分に左スローイン、(荒木が)ロングスローと見せかけたのちの木村のクロスから二次攻撃を仕掛け。
前残りしていたマンシャが荒木のクロスを落とし、アダイウトンを経由してエリア内のウタカに渡り。
再びのシュートチャンスを得たウタカでしたが、放たれたシュートはまたも石田のブロックに防がれるという結果に終わります。
この際にアダイウトンが足を攣らせる事態が発生し、それにも拘らず最後のカードが佐藤和・ゴンザレス→林田・飯島への2枚替えだった事により、パワーダウンは必至の状態となり。

猛攻を仕掛ける甲府ですが、アダイウトンに多くを頼れない、一枚欠けたような状況ではゴールを奪うのは厳しく。
逆に栃木がカウンターに持ち込み、ボールキープの末に、裏へのロングパスでCKとなるなど時間を使われる立ち回りに焦りも増幅します。

何とかその流れを切った甲府、ATに再度猛攻を仕掛け、CKも2本獲得。
しかしここに来てキッカー荒木のクロス精度も乱れがちとなり、実る事は無く。
最後のクロス攻勢もモノに出来ず、試合終了の時を迎えます。

2-1と、前節果たせなかった先行逃げ切り(一旦追い付かれましたが)により初勝利を挙げた栃木。
その原動力は守備体制の変更にあるのは明白でしたが、弱点も抱えたその体制で何処まで勝ち点を稼ぐ事が出来るか。
ビルドアップに難のある相手には十分有効となるのが証明されたものの、それを上回られた際にはどんな立ち回りを取るか。
残留へのカギは、この辺りの戦いが肝となるでしょうか。

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