蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

親1親2は個性剥奪ナチスの数列化、再興は絶対にダメ

2024年04月17日 | 小説
(2024年4月17日)立憲民主党の政策で「同性婚の法制化」があると知る。そして同性婚が「養子」を貰ったとして、親をどう呼ぶのかの同党の回答に「親1、親2」とするんだと最近、(SNSで)知って呆れ果てた。
親1、2を制定すると、親3,4が想定される。5,6も控える、更には7,8…と続く。どんな話かと云うと同性婚の養子が結婚したとして、配偶先の両親を義父義母とは呼ばないだろう。なぜって両親から父母を消しているのだから。あるいは養子が別の家族の養子になって、そこはヘテロカップル(男と女)であったとしても、父母とは呼ばない。親1,2はすでに使っているから、そっちを親3,4とするだろうよ。数字なので無限に続くから幾度も養子、結婚、再婚を重ねてもタネは尽きない。
そういう子供は、親をなんと語るのか「親1はひどかったな、親3になってやっと安心できた」「私には親1,2だけど君には5,6。こっちだってひどいぜ」これを日本語訳すると「最初の養子先の男親、といっても両方男だけど、女の服を着ていない男の方。ひどかった。養子先を替えたら…」となる。
人にはそれぞれ地位、見識、態度など個別化する識標が備わる。個人を呼ぶときには名前を用いず、その識標で呼ぶことが(日本では)多い。山田さんと呼ばず社長とか先生という。家の中で親を呼ぶときはお父さんお母さん(英語化しているが)が普通である。この語には家族内での地位を表すと同時に、子はその呼称に複雑な意識を込める。寛容、厳格、小うるさいなどかもしれないし、その個人の社会立場も加味し、会社ではうだつが上がらないけど家では良い家族~などを想定しているかもしれない。
立憲民主の幹部がトチ狂ったのだろう「父母、そんな言葉は昭和期までの悪しき慣習、同性婚の今は親1、親2が正解」だ、数字で呼ぼうとなった。今のところ提案だけ、でもLGBT立法では国民感情の逆撫でという悪辣手段があったわけだから、法制化されてしまうかもしれない。


写真は親の数列化を企む政党の幹部、写真はSNSのスクリーンショット、文字記号は部族民の追加


では、
ナチス強制収容所では人を数列の中に位置させた。名前、性別、拘束前の社会的立場、思想傾向を一切排除して123XXXと配列に投げ込み、その者を数字で呼び、呼ばれる側も自身が(収容所では)唯一の個性が数字でしか無いと観念し、それを記憶した。数字支配の環境で人は自身の個性、思考、経歴から疎外された。忘れていったのである。それがナチスの狙いであった。
人間の数列化を « Sérialisation» と規定したのはボーボワールと聞いた。強制収容所の非人間性を告発する著作の中でこの語を「人間性の破壊の道具として用いた」と激しく攻撃した。かつては会社経営で立派な居宅を構えていた中年が「おい、123XXXよ、ここに穴を掘れ」こう呼ばれ続けては、個性が剥ぎ取られていく。サルトルは « Sérialité » なる語を派生させた。こちらは人の系列化現象。いずれも造語なので少々古い辞書には掲載されない(スタンダードの78年版に見られない)
(かつて父親と呼ばれていた)男が、1とか2とかで呼び捨てられたら、「お父さん」に含意されていた個別性はすっかり無視される。彼(彼女)はそんな事態に何を感じ入るのだろうか。親子の無情、家庭絆の破断かもしれない。
親1,2…の人格破壊感、それ以上に危険なのは、こうした呼称と人の個別性のつながりに無頓着な政治姿勢を標榜する勢力の不気味さである。こう思うのは私(部族民蕃神ハカミ)だけだろうか。了 (4月17日)

後記:私は同性婚など認める立場に身を置かない。しかし実際は同性者の同棲はありうる(個人的にはそうしたカップルを知らない)。彼ら、彼女らは子を持ちたい願望があるともきく。養子に己等をなんと呼ばせるかに腐心するだろう。私の解決策は「養子を貰うな」。
そもそもホモカップルは宇宙森羅に居場所のない破綻生活を送っているわけだから、子を貰ってもその子を不幸にするだけ。ちなみにヨーロッパではゲイカップルの養子狂いが養子マーケットの価格を釣り上げている(特に白人風貌の子)。本来、養子を求めているヘテロカップル(日夜努力しても子が授からない)には手が出せないまでに吊り上がっていると聞いた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新大陸神話の北上説 続の中... | トップ | 新大陸神話の北上説 続の下 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小説」カテゴリの最新記事