ジョーカー小池氏 VS スペードの3飯山氏 | 加納有輝彦

ジョーカー小池氏 VS スペードの3飯山氏

ジョーカー小池氏 VS スペードの3飯山氏

 マクロ的にみると、今回の東京15区衆院補選の構図が、「テレビ VS ネット」という対決に見えなくもなかった。

 ネット界のインフルエンサーは、自らのポストの再生回数が数十万回となる。中には100万回を超えたりする。100万という数字はとてつもない数字で、おおざっぱに日本国民の1%。一人の投稿者にとっては天下を取ったような気分になるかもしれない。

この文脈でいえば、例えば小生のような数百回レベルの人間は、自らが果たして選挙権、被選挙権をもった大人なのかと自問自答することもしばしば。自己拡大の逆で、ちょうど宗教修行の偽りの自我の滅却には好都合なのかもしれないと。無我中道を目指す小生としてはよい環境であると合理化している。(笑)

 ネットの数字は、選挙の投票にどの程度反映するかといえば、2%程度の力にしか過ぎないという人もいる。ましてや参議院選挙の全国比例以外は、地域が狭くなるゆえ、目減りするのは当然。

 過去、ネット登録者50万人を誇る大インフルエンサーが、東京都の参院選挙区での得票が、2万5千票であった。ちょうど5%。

 これを考えると、小池都知事の前回都知事選の360万票という得票は、まさにモンスターである。テレビの力でもある。連日、ワイドショーで小池氏の動向が報道されまくった。

 ゆえに、政治的には、まだまだテレビの力はリアル・モンスターであって、ネットの力は、おもちゃの怪獣程度なのかもしれない。

ただ、今回の東京15区の飯山あかり氏のネット界における盛り上がりは尋常ではなかった。
あわや突破するかと思わせるほどの熱狂ぶりであった。なにせ、飯山氏の街頭演説に集まる大衆の数は、9人の候補者の中では断トツ、トップであった。応援演説にかけつけた名古屋市長河村たかし氏も、「こんなによーけ人が集まったの見たのは生まれて初めて。飯山さん、当選してまうがね。」と言わしめた。

 さて、昨日、午後8時には、NHKにより酒井氏の当確が早々と報道された。

〇酒井菜摘氏(立民・新)49476票
 須藤元気氏(無所属・新)29669
 金澤結衣氏(維新・新)28461
 飯山陽氏(諸派・新)24264
 乙武洋匡氏(無所属・新)19655
 吉川里奈氏(参政・新)8639
 秋元司氏(無所属・元)8061
 福永活也氏(諸派・新)1410
 根本良輔氏(諸派・新)1110

ネット界の特に、60代以降の保守層のおじさまを熱狂させた飯山氏は、大健闘4位であった。

 「色ボケじじい」と揶揄されてもなんのその、飯山氏への「支持」を隠そうともしなかったネット・インフルエンサーのおじ様たちは、落胆したでございましょう。

 ただ、今回メディアが一斉に報道している通り、小池都知事の神通力に陰りというのは事実であろうと思います。目黒区長選に続き、乙武氏の落選。なにせ360万票を誇る無敵の神通力をもってしては、今回の連敗はあってはならないこと。

 この原因は、岸田首相による二階外し。そして小池氏の学歴詐称問題が再燃している中、アラビア語の専門家の飯山氏の15区への立候補表明により、小池氏の国政転出の道は閉ざされたとみる向きが多いゆえ、飯山氏の立候補は、ジョーカーに対するスペードの3の役割を見事果たしたといえる。(大富豪ルール)
(※安倍晋三回顧録に中で、安倍氏は、小池氏をジョーカーと称した。)

 モンスター・ジョーカーに対してスペード3返しを飯山氏は行ったというわけである。これは時のいたずら、トートの神の歴史的必然?

 いずれにしても、ネットの高揚が、テレビ・モンスターを凋落させたという点で、ネット界の興隆、テレビ界の凋落、時代のトレンドを示したのかもしれない。

 それにしても、過去最低の投票率の低さには驚く。補選は、低投票率にはなるのだが、それにしても40.7%には驚く。半分以上の区民が、投票に行かない。投票率が60%くらいまで行っていれば、何が起こったか分からない。

 選挙から半分以上の人はそっぽを向いている。もし、この補選が、自民党と共産党の一騎打ちみたいな選挙だったら、低投票率はわかる。しかし、9人の候補者が乱立した選挙。

 一説によれば、つばさの党の選挙妨害騒ぎで街宣現場には怒号が飛び交い、政策もへったくれもありゃしない喧噪に、有権者は辟易し、選挙そのものを見放したという。

 つばさの党の黒川は、場外乱闘を仕掛けて、投票率を上げる目的で行ったというが、おそらく全く逆効果。有権者がすっかり冷めてしまった。すべての候補者の街宣が、ただただ騒音になってしまって、見ざる聞かざる投票に行かざる、おまけにテレビ・モンスターの化けの皮が剥がれて、嘘つき政治家には一切信用も期待もしないという白けムードの反映なのかもしれない。

 あらゆるレベルで、妖怪大戦争の様相を示した選挙に、良識ある区民、庶民はソッポを向いたということかもしれない。

 テレビVSネット戦争、その力関係に大いなる変化を見た、分岐点となる選挙だったかもしれない。

ただ、あまりに低投票率が続くと、国民が分断され、かつての時代、25歳以上の一定の納税をしている国民にのみ選挙権が与えられる時代に戻るかもしれない。そして、選挙権が与えられない国民は、これでせっかくの日曜日がつぶれることがなくなり、きれいサッパリせいせいしたなんていうことになるのかもしれない。

 話はそれたが、今回の飯山氏は、360万票を誇るテレビ・モンスターかつジョーカーの長年の「詐称、嘘」にスペード3返しで終止符を打たせた歴史的快挙を演出したという点で、GOOD JOB、NICE TRY!!と申しあげたい気持ちだ。(笑)

 さて、小生の属する幸福実現党は、目下、テレビもネットのインフルエンサーの目にもとまっていないようだが、お一人、お一人、そしてまたお一人、デジタル化社会を尻目に、アナログ的ふれあいで、国民の皆様お一人お一人に寄り添ってまいる所存であります。

なお、この投稿に関して、固有な人物名を引用してのコメントはご遠慮いただければ幸いです。ジョーカーとスペードの3の両氏に関しては、かまいませんが。(笑)それ以外のお名前はお控えくださいますように。

 

 

にほんブログ村 政治ブログ 保守へ
にほんブログ村

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

 


政治ランキング



エッセイ・随筆ランキング